広末涼子は時速185kmでの大事故も「危険運転致傷罪」適用されず…弁護士は「これを問わずして何を問う」と憤り
「ボーッとしていた。一瞬考え事をしたら、ぶつかってしまった」
俳優の広末涼子(45)は4月に新東名高速道路で起こした追突事故直前の状況について、静岡県警の調べにこう説明しているという。
追突直前、時速185キロ近いスピードが出ていたとみられるが、考え事をしながら、そこまでアクセルを踏み込めるのだろうか。
県警はきのう(13日)、同乗していた男性を骨折させたとして、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで広末を書類送検した。県警は今年4月、より罰則が重い危険運転致傷容疑で東京・世田谷区の広末の自宅を家宅捜索。同容疑での立件も視野に捜査をしてきたが、適用は困難と判断したとみられる。
危険運転致死傷罪は進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させ、人を死傷させた場合などに適用され、罰則は15年以下の拘禁刑だ。
厳罰を免れ、広末は今ごろ、ホッとしていることだろう。
広末は4月7日午後6時50分ごろ、新東名・粟ケ岳トンネル内で3車線道路の左車線を走行中、左側壁に激突し、その反動で車線を横断して右側の壁にぶつかった。さらに一番左の車線を走行中の大型トレーラーの後部に追突。再び左右の壁に衝突して一番右の追い越し車線で停止した。現場にブレーキ痕はなかった。本人は軽傷だったが、同乗の男性は骨折の重傷を負った。
現場の通常時の制限速度は時速120キロ。その後の調べで165キロ超のスピードで走行していたと報じられたが、今回の書類送検でそれを20キロも上回る185キロだったことが新たに判明。最速165キロの佐々木朗希(ドジャース)の直球もはるかに及ばない高速走行だった。
時速185キロが「危険運転」に該当しないというなら、何キロ出していたら危険運転と判断されるのか。
■悪しき前例にならないか?
「時速185キロで側壁にバンバンぶつかっているわけですから、明らかに制御不能です」と、山口宏弁護士がこう続ける。
「衝突した相手がたまたま大型トレーラーだったから運転手は無傷で済みましたが、相手がバイクや軽自動車だったり、複数の車に衝突していたら、大惨事になっていた可能性もある。これを危険運転致傷に問わずして何を問うのか。何キロ出しても過失運転でいいのか、となります。かすり傷程度の交通事故でも危険運転が適用され、裁判になったケースはいくらでもあり、不均衡です。185キロは極めて危険なスピードです」
ただでさえ、広末は「特別待遇」を受けていた。勾留期限を待たず、4日前に釈放され、時間は異例の早朝5時56分だった。県警記者クラブも知らされず、釈放時の広末の姿をテレビカメラで捉えたのは、日本テレビのみ。無数のフラッシュを浴びることも報道陣から質問が飛ぶこともなく、時折、笑みを浮かべながら迎えの車で浜松西署から立ち去った。
今後、一般ドライバーが時速185キロで交通事故を起こしたらどうなるのか。「一罰百戒」どころか、「悪しき前例」となり得る。
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