「下手やねん」だからこそ ロッチ・中岡が生み出す素朴な″素人感″の魅力

更新日:2025-11-16 17:03
投稿日:2025-11-16 17:00

【今週グサッときた名言珍言】

「見透かされた! 頑張らなあかん! いい機会やった!と思いました」
(中岡創一/フジテレビ系「全力!脱力タイムズ」11月7日放送)

  ◇  ◇  ◇

 ロッチ・中岡創一(47)は番組で、アメリカの政治やボクシングの世界戦などについて聞かれ、コメント。すると、「見ていただきたいVTRがある」と9年前に中岡が出演したVTRが流れた。まったく同じような質問に答えている。そして「9年前」と「現在」とを比べられ、「緊張感がなくなってる」「こなしている感じがする」などと痛烈なダメ出しをされてしまう。企画を終えた中岡は、最近の自分を見て、「気抜けてんな」と思われたから企画したのだろうと推測し、「ツラかったよ……」と吐露して語った言葉を今週は取り上げたい。

 中岡が痛烈なダメ出しをされたのは、ロッチ結成直後にもあった。中岡は芸人となったが、程なく辞めて、彼女との結婚資金を貯めるため就職。5年後、プロポーズをするも断られ、コカドケンタロウを誘い沖縄へ傷心旅行に。それが楽しすぎて芸人熱が再燃。ちょうどコンビを解散して一人になっていたコカドとコンビを組んだ。

 その1カ月後、ネタ番組に出演できる機会があったが、そこで審査をしていた山城新伍に「お前が足引っ張ってんだ!」と言われたのだ(光文社「WEB女性自身」25年6月20日)。5年のブランクがあり、素人のように声も小さく、ネタも飛ばしてしまっていたからだ。そこからしばらく、中岡はイップスのような状態になってしまったという。

 そんな中岡を見捨てず、彼がやりやすいネタをコカドが作っていくうちに、ネタに定評のあるコンビとして頭角を現していった。だが、思わぬ形で中岡は“大ブレーク”を果たす。ドッキリ番組での素直なリアクションが評価されて「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)に抜擢されたのだ。

 その中岡に対し、公私ともに仲の良い出川哲朗から「リアクションするな。中岡はそのままの人間だから、わざとらしくしないほうが面白いから。ただただ一生懸命やったらいい」(朝日放送「やすとものいたって真剣です」20年9月24日)と助言された。笑福亭鶴瓶もロッチが「大好き」と評している。

「アマチュア感がめっちゃあんねん。大事なんですよ、新鮮さが。マンネリがないんですよ。下手やから。特に中岡は下手やねん」(テレビ東京系「チマタの噺」20年10月27日)

 冒頭の番組では「のんびりロケが増えてきて、それは居心地がいいんですよ。『そっちに甘えすぎてるな』って思ってたところ」と語っていた中岡だが、その素朴な“素人感”こそが、彼の魅力だ。

(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」清(二宮和也)は出る出る詐欺じゃなくて一安心。岩男とリンはやっぱり“チリンの鈴”だった
 銃撃された岩男(濱尾ノリタカ)は、嵩(北村匠海)にリンはよくやったと言って息絶える。八木(妻夫木聡)は、リンは親のかた...
桧山珠美 2025-06-19 17:28 エンタメ
『バチェラー6』第5話を正直レビュー。自然体の笑顔をやっと見れた。で、なんで突然キスした?
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第5話。もう折り返しなんて早...
中村未来 2025-06-19 06:00 エンタメ
令和ロマンくるま、吉本退所でも絶好調の今。もう一度「M-1」優勝を狙ってみてはどうか
 4月末で吉本興業との契約を終了した令和ロマン高比良くるま。一時期活動休止していたが、5月末には復帰。現在、精力的に活動...
帽子田 2025-06-19 06:00 エンタメ
『バチェラー6』第4話を正直レビュー。石森さんまさかの本命? みんな久次米さんの魅力をもっと伝えて~!
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第4話。ホワイトローズを受け...
中村未来 2025-06-18 06:00 エンタメ
奥平大兼、世間とのギャップに戸惑い「僕のプライベートを見たら驚くと思う」悩んだときの考え方は?
 長澤まさみさんと共演した映画『MOTHER マザー』でのデビューに始まり、映画やドラマで常に心に残る芝居を見せている奥...
望月ふみ 2025-06-18 06:00 エンタメ
田中圭ショックか?木梨憲武、玉木宏ら「夫婦円満」をアピールするイケメンたち。向井理も丸くなった
 サントリー「角瓶」のCMが新しくなりましたね。「♪ウィスキーがお好きでしょ」の歌をバックに、バーテンダーの井川遥と客の...
「あんぱん」嵩(北村匠海)と健ちゃん(高橋文哉)コンビが心強い。岩男には“嫌な予感”しかない…
 嵩(北村匠海)は、絵の才能を見込まれ宣撫班勤務を命じられる。宣撫班では紙芝居を見せていた市場でひと騒動があったといい、...
桧山珠美 2025-06-16 16:45 エンタメ
前田敦子の「アイドル否定発言」に物議。卒業後に佐藤健と撮られても、現役時は“偶像”を演じきったプロなのに
 先月、『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系)に出演した元AKB48の前田敦子。番組内で「『アイドルになりた...
堺屋大地 2025-06-16 06:00 エンタメ
ジュニア退所は「timeleszのせい」…何かと荒れるタイプロ界隈、それでも彼らは“必要だった”といえるわけ
 6月2日、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所。以下、SE社)のジュニア内グループ・Go!Go...
こじらぶ 2025-06-23 18:09 エンタメ
「あんぱん」戦場での緊迫シーンにホッ。嵩(北村匠海)らの“偶然の再会”、まるでドラマみたい…は禁句です
 小倉連隊に動員が下令され、嵩(北村匠海)は中国に行くことに。出発前日、嵩はひとり星を眺める八木(妻夫木聡)にこれまでの...
桧山珠美 2025-06-16 16:27 エンタメ
【話題】岸田文雄氏、“元総理系YouTuber”がトレンド入り「辞めてからのほうが楽しそうだな」「なんか複雑」賛否の声
 Xはじめ、さまざまなSNSで発信活動を行っている第100・101代内閣総理大臣の岸田文雄元首相。6月12日に岸田元首相...
『バチェラー6』第3話を正直レビュー! いまだ久次米さんのツボがわかりません。決め手は「LOVE」より「自然体」なのか? となると…
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第3話です。村岡さん、河地さ...
中村未来 2025-06-13 06:00 エンタメ
黒谷友香、50歳目前で感じる“服選び”の変化「ファッションは失敗してもいい」ステキでいられるコツとは?
 高校在学中から雑誌のファッションモデルとして活動を開始し、俳優に転身後、ドラマ『はみだし刑事情熱系』『ハンチョウ〜神南...
望月ふみ 2025-06-13 06:00 エンタメ
『バチェラー6』第2話 正直レビュー。劇的なデート、私たちはこれが見たかった! でも黒澤さんは恋してる?
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第2話です。  前回、...
中村未来 2025-06-12 14:53 エンタメ
「あんぱん」嵩(北村匠海)まさかのスピード出世! …で、階級“乙幹”ってなに?
 厩舎で居眠りしてしまったものの、神野(奥野瑛太)に頼まれた島(横田栄司)の取り計らいで受験できた嵩(北村匠海)は、乙種...
桧山珠美 2025-06-16 16:27 エンタメ
ミセス大森元貴と鎮西寿々歌、匂わせ投稿が話題だが…どこから“共通点”を特定する? 相手を許せないファン心理
 人気バンド「Mrs.GREEN APPLE」のボーカルでギターの大森元貴(28)と、アイドルグループ「FRUITS Z...