大阪万博ロス民から熱い視線も…地元民が「横浜花博」に“不安”を覚える3つの理由

小政りょう ライター
更新日:2025-12-16 11:45
投稿日:2025-12-16 11:45

【1】“横浜”のイメージとは違う、地理的な問題

 まず、あげられるのが地理的な問題です。横浜花博、という字面だけでみると、みなとみらいあたりで、観覧車や帆船のホテル、赤レンガ倉庫をバッグに花畑が広がっているイメージを普通の人は思い浮かべるでしょう。

 しかし、開催されるのは、横浜駅から相鉄線で山の方に向かって22分、そこからバスに乗った先にひろがる旧上瀬谷通信施設(米軍施設跡地)です。

 その地がある旭区・瀬谷区は、ネットのネタ画像である横浜市内の偏見地図でも、「横浜を名乗る何か」と称され、横浜市の区のカーストでも下位レベルという認識が根強い場所です。

 旧上瀬谷通信施設は、かつては米軍施設出会った関係もあり、高度成長期に開発が出来ず発展途上であった場所でした。そんな落ち着いた環境ということもあり横浜のベッドタウンとして住宅街が広がっているため生活道路がびっしり。

 地理的に、東名高速道路、中原街道、環状4号、国道16号、246号、467号などの主要幹線道路が近隣に集まっていますが、敷地周辺は片側一車線の道路が多いのが現状です。

 1999年のよこはま動物園ズーラシアが開園し、数年間は、近くの中原街道が週末には必ず渋滞し、住民を悩ませていました。現在はだいぶ解消しましたが、ズーラシア渋滞なる言葉は今でも使われています。近隣の南町田グランベリーパーク付近も、土日は交通渋滞が絶えません。

 住宅街と隣接しておらず、交通がスムーズだった大阪・関西万博に比べ、横浜花博は「その地にたどり着くまでも困難」と呼ばれる万博になる可能性があります。果たして、多くをさばけるまでの道路整備・対策は開幕までにされるのでしょうか?

【2】物足りない規模感。大阪万博の約半分?

 端から端まで歩くだけでも、約30分かかった大阪・関西万博。通期パスのリピーターが多かったのは、「1日、2日では回り切れない」規模であったことです。

 大阪・関西万博の会場の広さは約155ha(ウォーターエリア含む)。それに比べて、横浜花博の博覧会区域は現時点で約100haと発表されています。しかも、その中で会場区域は80ha。半分程度と思うと少々物足りないと感じる人も多いでしょう。

 また、園芸博という性質上、屋内展示のハコモノは現在の予定図を見る限り、あっても敷地の半分ほどで、ほとんどが森や花壇などの野外展示です。大阪万博の静けさの森的なエリアが広がっていると想像してください。

 自然や植物の美しさを全身でのんびり楽しめる人であれば十分満足できるかもしれませんが、大阪・関西万博で未来の最新技術や世界に触れ、知的好奇心を刺激された人が、同じようなものを横浜花博に求めてほしくはないと思うのは、勝手な考えでしょうか?

小政りょう
記事一覧
ライター
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


現金より危険な面も…「電子マネートラブル」よくある事例と3つの対策法
 近年、現金を持ち歩かず、電子マネーを利用する人が増えていますが、それに伴って急増しているのが、電子マネートラブルです。...
トレンド入り「猫ミーム」インフルエンサーの投稿じゃないのになぜバズる
 2024年春、突如日本のSNSシーンで流行し始めた「猫ミーム」というカルチャー。日本だけでなく、今世界で流行し、そして...
命がけで庭の雑草駆除、今年もやるの?ローメンテを叶える夏の雑草対策
 雑草が気になる季節になりました。「雑草」という植物なんて無いねえ~と言われちゃえばそれまでですが、道端はまぁいいとして...
え、ハブられてる? ママ友に嫌われる言動ランキング&上手に付き合う術
 子育て中の女性が必ず直面する「ママ友との付き合い」。気の合う人に出会えれば、情報交換や悩みごとを共有できる仲間として心...
何をそんなに怒っているのだ?
 何をそんなに怒っているのだ?  東京都庁近くにて。
丸見え族、参上! うさぎシッポの“たまたま”君にロックオン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「風呂キャンセル界隈」失敗談 足の臭いでバレ!自分を奮い立たせる方法
 ネットスラングで「風呂キャンセル界隈」というワードが話題になっています。読者の皆さんの中にも、その日の入浴をキャンセル...
カスハラとクレームの違い 料理が30分経っても出ないから文句言ったら?
 パワハラ、セクハラ、モラハラ…。最近何かと「ハラスメント」という言葉を耳にしますよね。その中でもここ数年でよく見聞きす...
最新「グダグダなLINEやり取りの終わらせ方」知らないのは無防備すぎる
 仕事からプライベートまで、コミュニケーションツールとして使えるLINE。便利かつ気軽ではありますが、それゆえにダラダラ...
【難解女ことば】「小女子」ってなんて読む? ヒントはご飯が進むもの。
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第75回「ヘルプみーこ」(後編)
【連載第75回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
八王子の居酒屋社員で月給18万円、腰かけ学生バイトの尻拭いをする日常
 八王子は21の四年制大学・短期大学・高専があるという。  全国でも学園都市として広く名が知られ、学生の数はおおよ...
私の時給はパフェより低い…置き去り氷河期世代の苦悩「感覚死んでる」
 八王子の居酒屋で契約社員として働く由紀は、特段面白みのない毎日を過ごしている。元気な学生バイトたちに囲まれ慌ただしい日...
44歳独身、今からでも遅くない?ズル休み→大学進学を決めた“無敵の女”
 八王子の居酒屋で契約社員として働く由紀は、信じていた学生バイトに蔑まれ、客の若者にも罵られる日々。見かねた学生バイトの...
クレクレママの実態 買い換えるなら「車くれない?」っておねだりする!?
 人のものをすぐに欲しがるクレクレママ、あなたの周りにはいませんか? おさがりなどをもらってくれて助かることもあるけれど...
スマホを持たないサブカル老人の願い「本屋に行く楽しみを奪わないで~」
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...