介護施設の種類はこんなに豊富! 賢く選んで老後に備えよう

更新日:2019-09-18 06:00
投稿日:2019-09-18 06:00

賢く選べば天国? 介護施設の種類!

 賢く選べば、困っているところだけを手伝ってもらえる介護施設。検索でヒットした良さそうな施設を数件見ても、「入所したい」と思うところが見つからない人は、そもそも探している介護施設の種類が間違っているのかもしれません。

特別養護老人ホーム

 一般的に広く知られている老人ホームが特別養護老人ホームです。費用も安く、家族の負担になりにくいです。コストはかからないのに、看護師が日中にいたり人員配置も豊富。

 ただ、老朽化した施設はとてもきれいとは言えない状況なことも。介護を受ける人それぞれに個室を与えてくれる特別養護老人ホームもありますが、低価格で公的なサービスとして運営しているため、個人個人のニーズにこたえることは難しいです。

 安いからといって「虐待がある」「ずさんな管理状況」ということはまずないのでご安心を。公的な施設ですので、入所へのコストを抑えられるということです。24時間の介護体制ですし、倒産のリスクもなく、一度入所できれば、終身にわたって介護サービスを受けることができます。「何よりもコストをかけたくない。でも、介護を在宅で行うのは困難」という人には、オススメですね。

サービス型高齢者向け住宅

 介護士の中では「サ高住」と呼ばれている施設です。高齢者の身の安全を守るのが目的で、「高齢夫婦で二人暮らし」だったり、「生活はほぼ問題ないけれど安否確認が必要」という状況で安心して暮らすことができます。

 高齢者だからと、賃貸アパートのように入居を断られることもありません。また、更新もないので安心して暮らすことできます。共用エリア内にシアタールームやコミュニティールームなどの交流の場が設けられていることもあり、楽しく過ごすことができます。

 介護士がそばにいなくても、ある程度のことを自分ですることができる高齢者には、自分の生活やプライバシーを守って暮らしやすいために人気があります。もし介護が必要になった時は、外部サービスを使ったり、施設にいる生活相談員に相談することもできます。安否確認をしているので家族も安心です。

 また、介護施設の場合は、夫婦で同時に入所しても別室になってしまうことが多くあります。「最期まで夫婦仲良く、お互い助け合って暮らしていきたい」という人には、オススメですよ。

グループホーム

 主に認知症の人が生活しているところです。職員の見守りの中、生活をみんなで助け合って営んでいく施設になります。洗濯や炊事などを一丸となってやるので、一体感が生まれるのもポイント。少人数で構成されており、お散歩など外出の機会も多くあります。お散歩しながらスーパーに行って夕飯の献立の相談をしたり、工夫して毎日暮らすことになります。

 認知症だからといって全てを職員で担うのではなく、本人が主体となってできないところについてサポートを受けることができる施設です。介護職員は常にそばにいるので家族も安心です。筆者もグループホームで働いたことがありますが、亭主関白そうなシニア男性が突然テレビを消して「どれ、洗濯物を畳もうか」と話しかけてくれたことを今でも思い出します。みんなで助け合って生活していくので、仲良くなりやすいのも特長です。

シニア向け分譲マンション

 多くの人が、有料老人ホームなどに入所するときに持ち家を売却します。しかし、シニア向け分譲向けマンションの場合は、資産をそのまま維持しつつ自分も安心した環境に身を置くことができるのが特長です。マンションは購入しなくてはいけませんが、死後に賃貸として貸し出したり相続することも可能です。「普通の分譲マンションと変わらないのでは?」と思う人も多くいるでしょうが、バリアフリーでシニアの交流を目的とした設備が豊富なのです。

 例えば、健康促進を目的として共有部分にはフィットネスジムが営まれていたり、売店を持つところもあります。マンション購入者のみが使えるレストランや、食堂があるマンションまであり、普通のレストランと違い、減塩やカロリーオフ、さらに低価格と配慮された至れり尽くせりの内容です。

 外部サービスを家に招くこともでき、「服薬管理のためにこの時間だけ介護士に来て欲しい」という利用法も可能。ただ、看護師が24時間必要な状態や重度の介護状態になった時は、身の置き方を再度考えなくてはいけません。

介護施設の種類をちゃんと選ぼう

 上記で紹介した以外にも、介護施設は種類が豊富にあります。その全ての特長をちゃんと理解している人は少ないです。「こんなサービスを受けたい」と介護問題のニーズを家族間で洗い出せば、数ある施設の中から入所したい施設を選びやすいもの。

 介護施設の種類を「どうせ、どこも一緒だろう」と考えているなら、それは後悔のもとでもあります。それぞれのメリット・デメリットを考えて、自分の送りたい老後を考えてみましょう。

 いまや介護施設の定義も変わり、それぞれの思いや生活スタイルを反映しやすい社会になっています。もう一度、自分がどんな施設で余生を送りたいのかを考えてみましょう。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


ソロウエディングってなに? 痛いとは限らない意外なメリットと注意点
 最近流行っている「ソロウェディング」をご存知ですか? ソロウェディングは、一人で結婚式を挙げたり、ドレスを着たウェディ...
中途入社ちゃん「ご迷惑では ご都合は ご連絡は」接客AIか?気遣いすぎ
 人への気遣いは大切。まったく気を遣わなければ、ギクシャクしたり口論になったりするため、最低限の気遣いは必要でしょう。 ...
新しいことに挑戦してみよう! 40代からのおすすめ習い事6選
 40代になって、「何か新しいことに挑戦したい」と感じる人は多いようです。でも、いざ習い事を探してみると、たくさん種類が...
眼内コンタクトレンズ「ICL」装着で視力0.1→2.0!最も感動した景色は
 小学生から分厚いメガネをかけていたド近眼人生ですが、37歳で思い切ってICL(眼内コンタクトレンズ)の治療を受け視力が...
【失敗談】人とモメないために重要なのは我慢よりも確認!
 みなさんは人と意見が違ったら、「まあ私が我慢すればいいか」と思うタイプですか?  私はずっと我慢するスタイルで生き...
今すぐやめたい40代のやばい口癖 ネガティブな言葉で人生ダメになる?
 口癖は、なかなか自分では気がつかないものですよね。ポジティブで前向きな口癖ならいいのですが、中にはネガティブすぎてやば...
「空」と「海」と「風」と…すべてが揃った特別な場所
「空」と「海」と「風」と…すべてが揃った特別な場所。  あの電車から、あのヨットからはどんな景色が見えるんだろう?...
セクシーウインクに悩殺寸前! “たまたま”を拝んで正気を保つ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
海外旅行前に確認を!体力・モチベ温存、飛行機内で便利だったアイテム
 コロナ禍が収まりつつあり、海外旅行に出かける人も増えてきました。  ハワイ、NY、パリなどへ向かう長距離フライトに「...
春節に欠かせない「柑橘類」は金運アップの鉄板アイテム!
 まもなく中国圏の方々にとってのお正月「春節」がやってまいります。中国のお正月はワタクシの旦那様がシンガポール駐在時に現...
菜の花を食べると「いけないこと」をしている気分がする
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。  動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシ...
添い寝&ストレス監視!ガーミンのスマートウォッチ「Lily 2」その腕前は
 ストレスや疲れが貯まってくると、口唇ヘルペスができて黄信号を発する我が身体。よくできたヤツめ、と感心しますが、そもそも...
後輩社員の「大丈夫かと」「可能性高いかと」“かとかと”語尾にもやもや!
 誰かと会話している時に、語尾にイライラもやもやしてしまうことはありませんか?  流行り言葉は目まぐるしく移り変...
2024-01-30 06:00 ライフスタイル
遠いあの子を思い出す…センチメンタルな“たまたま”にホロリ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
こんな言葉を聴きたくて、僕らは旅に出るのかもしれない
 兵庫県神河町のサイクリングコース「越知川名水街道」にやってきた。  壮大な景色をバックに、あたたかいメッセージに...
P活、頂き女子…「パパ活」のことばも進化し続けている
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...