助けになりたい! 認知症の初期対応で気を付けるべきこと3つ

東城ゆず ライター・エディター
更新日:2019-10-03 15:56
投稿日:2019-10-02 06:00
 親や身近な人が認知症だと診断されたら、多くの人が戸惑うでしょう。人によっては「本当に認知症なの?」と、疑いたくなるほど元気な人が診断されることもあり、周囲は接し方やこれからのことに大きな不安を持ってしまうことも。しかし実は、認知症は初期段階であれば、普段通りに生活できることも多いのです。認知症の初期の対応で気を付けるべき対応方法や、本人が望む支援を考えてみましょう。

認知症の初期対応で気を付けるべき3つのこと

 認知症と診断された人への対応として、原則は「特別扱いしないこと」が大切。その理由や、認知症の初期対応で気を付けるべきことを、お伝えしていきます。

過剰介護にならないように注意

 認知症と診断されるまでは、盆暮れ正月くらいしか顔を見せなかった親族が毎日のように訪問してくるようになり、家のことを手伝うようになった。このようなエピソードを、介護士をしていた筆者はよく耳にしました。さぞかし本人は喜んでいるかと思いきや、「ありがたいんだけどねぇ……」と、顔をしかめて言うのです。

 人は誰でも、自分のことは自分でやりたいという性質があります。それに、歩くこと、買い物や調理などは思考能力を高め、機能維持やリハビリにも繋がります。「認知症と診断されたから」という家族の思いやりは理解できますが、できることは本人にしてもらうのが認知症の初期対応では正しい判断でしょう。やることをなんでも取り上げられてしまうと、「こんなことも自らできなくなってしまったのか」と、本人が落ち込んでしまう可能性もあるのです。

ネガティブなワードは避ける

 認知症は日常生活で不便することがあっても、投薬をしていれば急激に進行する病気ではありません。しかし、認知症と診断された時点で、周囲に心無い発言をされてしまったり、特別扱いをされてしまうことでショックを受け、老齢性うつになってしまう人も多くいます。

「また忘れちゃったの?」という声かけは、本人の自信喪失になりますし、そう投げかけたところで現状は変わりません。相手をネガティブに考えさせてしまうようなワードには、細心の注意を払う必要があるといえるでしょう。

本人から病状を聞くのは避けること

 認知症と診断された後では、家族以上に本人の起伏が激しくなることがあります。たとえ「私は大丈夫」と言われても鵜呑みにしてはいけませんし、「最近元気?」と聞くことで、本人が弱気になってしまうケースもあるのです。

 このようなことが続くと、見栄で嘘をついたり病状の変化を隠したりしてしまい、受診の際に正しい情報が得られなくなってしまいます。認知症の症状は、日常の生活など些細なことでチェックすることができます。そのため、本人から病状を聞き出すことは避けた方が無難です。

東城ゆず
記事一覧
ライター・エディター
1994年生まれ。11歳の頃からブログを運営。ライターやエディターとして、女性誌メディアや地元新聞のコラム枠まで幅広く活躍中。恋愛やママ友問題、介護士であった経験からリアルな介護問題まで幅広い知見がある。年子兄弟を連れ離婚の経験があり、現在は再婚に至る。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


ごめん、私が悪かった…友達に嫌われたLINE3選。「彼氏のために迷惑かけるの?」ってごもっとも!
 今回ご紹介するのは、友達をなくすことになった原因のLINE。失いたくない友達がいる人こそ参考にしてみてください。
お客様は神様…じゃないよ! 地獄の“カスハラ”5連発。「400万払え」の脅しで転職に追い込まれ
 接客業をしているとお客さんから理不尽なクレームを受けたり、必要以上のに暴言を吐かれたりなど、カスタマーハラスメントを受...
一目惚れした“にゃんたま”様に会えるかな、美しい島で奇跡の出会い。ふと見上げた先に…いた!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「最後の命を燃やしてるみたい」海中カメラマンの話に植物の“終わり”を思う。花が教えてくれた“命”の使い方
 「やっぱり生態系が崩れていると実感する」  猫店長「さぶ」率いる我がお花屋に、沖縄の友人が数年振りに遊びにやって...
おばさんが目撃した「奇妙な痴漢」。若い女性を守るため、どうするのが正解だった?
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
令和の嫁は泣き寝入りしない! 姑への仕返し経験談4つ「私への暴言を録音して流しました」
 息子を奪われた気になって、嫁に嫌がらせをしたり嫌味を言ったりする姑は令和にもいるものです。  しかし嫁たちだって...
SNSの誹謗中傷、なぜするの? こじらせアンチ勢の心理8つ。冗談のつもりが攻撃に…
 SNSには匿名であることを利用して、批判や否定、誹謗中傷のコメントなどを繰り返す人がは一定数いるものです。そんな“アン...
ちょ…「パチンコ通ってそう」ってどういう意味!? 身近な女のイラつくLINE6選
 口調や仕草で可愛らしさをアピールする「痛い女」に、気遣いができない「自称サバサバ女」。女の敵はやっぱり女? あなたもこ...
にゃんたま総長、おやつをどうぞ! 猫族の頂点に君臨する風格はさすがです
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
【動物&飼い主ほっこり漫画】第102回「夏のバカンスだワン!」
【連載第102回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽの...
【漢字探し】「妍(ケン)」の中に隠れた一文字は?(難易度★★☆☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
夫の「相手」と直接対決した結果…妻が抱いた不思議な感情。ベッドでありえない“未来”を夢想する夜
 亜理紗は夫・慶士の不自然な泊り大阪出張の真相を探るべく、浮気相手である女のインスタを見て、大磯のプールリゾートへやって...
“清純系”女の視線にゾッ…地獄を見せるはずだったのに。29歳の妻が企んだ稚拙な復讐
 亜理紗は夫・慶士の不自然な泊り出張の真相を探るべく、浮気相手である女のインスタを見て、大磯のプールリゾートへやってくる...
「なめられてたまるか」出産直前、夫は女と沖縄へ…密会場所に乗り込む“元ギャル妻”の計画
「明日の本社への出張さ、やっぱ早朝に出て新幹線で行くわ」  1カ月前から予定されていた夫・慶士の大阪出張。 ...
「ウチは犬派だ」で険悪に…義両親との会話がハードモードすぎ! 帰省時のテッパン会話5つ
 お盆の帰省で、頭を悩ませるのが義実家との付き合いです。義実家とは年に数回、長い休みの時しかにしか会わないという方も多い...
65歳の男が「完璧な人間=幸せ」じゃないと気づいた瞬間。やっぱり人間は好きなことでしか頑張れない
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(65)。多忙な現役時代を経て、56歳...