内助の功はダメ男を育成? 尽くし過ぎる女は実は愛されない

山崎世美子 男女問題研究家
更新日:2019-11-14 19:24
投稿日:2019-10-19 06:00
「枕に髪の毛がいっぱいついていて、『あれ?』というときがあった。ストレスからくるものかなと思いました」
 ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんの妻・久美子さんは夫婦そろっての会見で、そんなことを語っていました。妻の言葉を受けて「リチウムイオン電池の研究で一番苦しかった時期。迷惑をかけたこともある。苦労を踏まえて一緒に喜んでほしい」と感謝の気持ちを伝えると、「最高のプレゼントをありがとうございます」と久美子さん。
 報道によると、お二人とも71歳。25歳で夫婦になってから結婚46年目の栄誉の裏には、久美子さんの内助の功があったようです。

日本女性の中には内助の功のDNA

 昭和の時代、女性は男性を立てて一歩引くのがよしとされました。しかし、時代は昭和から平成、令和へと移り変わり、女性の立ち位置はずいぶんと変わっています。

 それでも、女性の中には潜在的に内助の功の要素がDNAに組み込まれているのでしょう。何かのタイミングで“内助の功スイッチ”が押され、尽くしモードに変わると、男女関係はよくない方向に進むことがあります。

美人は自分に振り向かない男に執着する

 かつて相談に来られた美容部員の女性(33)はバツ1ながら、色白でハーフのような顔立ち。かなりの美人で、常に彼氏候補が何人かいるとのことですが、気分次第でデートの相手を変える小悪魔タイプです。

 そんな彼女に変化をもたらしたのが、知人の紹介で知り合った外資系に勤める年上男性でした。その男性もバツ1で、10歳上。いつもなら彼女を何とか口説こうと、ラインなどでちょくちょく連絡が届くのに、そのときは違ったといいます。

「私がラインを送ってもすぐに返信がこないし、デートにも誘ってくれないんです」

 年上の外資系男性に少し興味を持ったのに、連絡がなかなかつかないことが、彼女の恋愛感情に火をつけたのでしょう。彼に嫌がられないように連絡を取り、なんとかデートにこぎつけたといいますが……。

「土曜日のデートに合わせて、ワンピースを買って、当日は美容院も予約して万全の準備で待ち合わせ場所に向かったのに、仕事を理由にドタキャンされちゃいました」

 仕事が事実なら仕方ないとはいえ、ドタキャンは気分が悪いはず。ところが、彼に会いたい気持ちが募ったそうです。そして彼女が取った行動は、とことん彼に尽くすことだったのです。「こんなに彼に尽くしているんですよ」と話し始めた内容がすごかったです。

好かれたくて尽くしてしまう女心

 彼の予定に全面的に合わせるのは序の口で、彼が風邪で寝込んだら有給休暇を取得して彼のマンションに看病へ。お泊まりの日は、髪をドライヤーで乾かしてあげたり、靴下をはかせたりすることもあるとか。自分の仕事が早く終わるときは、どちらかのマンションで夕食を作って待っていたり……。

 彼と出会う前は、男性の誘いと自分の好みを天秤にかけて贅沢三昧のデートの毎日でしたが、一変したのです。

「男性に尽くしたのは、初めてでした。出会ったころに比べると、ちょっと所帯やつれというか、疲れたように見え、陰りを感じるようになったのは気になりましたけど、彼と再婚したかったんです」

 尽くすといっても、二人とも仕事があるのですから、本来なら妥協点を見つけるはず。いくら仕事が早く終わるとしても、毎回彼女が食事を作って待っていると、まだ結婚したわけではないとウンザリする男性も少なくありません。「たまには外で食事でも」という機会があっていいはずです。ましてやドライヤーをかけたり、靴下をはかせたりというのは、度が過ぎます。こういう行動は母親が、幼稚園児の子供を世話するのと同じでしょう。

尽くした挙げ句の彼の裏切り

 そんな関係が続いた1年後、再婚を前提に同棲をスタート。そこで、彼のボロが見え始めたのです。お酒を飲んで深夜帰りはザラ。生活費もほとんど出さなくなって、自分の貯金を切り崩すハメに。「こんなはずじゃなかった」と思い始めたある日、酔って帰宅した彼のスマホから浮かび上がったラインを見て愕然としたそうです。

「楽しかった。大好き」

 尽くしてきっていただけに、怒りは半端じゃなかったでしょう。寝ていた彼を叩き起こし、スマホを突きつけて事実関係を問い詰めると、彼はあっさりと浮気を認め、「結婚はできない」と開き直ったといいます。

 内助の功は、決して悪いことではありません。しかし、それを勘違いして、度を越して男性に尽くす女性は、都合のいい女に格下げされる可能性があるということ。そんな尽くす行動を続けると、交際当初はステキな男性もダメ男になります。

良い加減はえー加減。少し手抜きが丁度良い加減。

 女性は、だれしも好きになった相手に嫌われたくない、好かれたいと願うものでしょう。そういう女性に覚えておいてほしいことがあります。男性は、女性にそれほど優しさを求めていません。男性が女性に求めるのは、一緒にいて楽しいかどうか。楽しい感覚を共有できれば、やがてその女性を守りたいと思うようになり、恋愛感情や結婚願望が芽生えるのです。

 世話をして優しくしてくれる女性は、母そのもの。尽くしてくれる女性に、男性は異性を感じなくなりがちです。彼に不安感を覚えたとき、しっくりこないことを認めたくなくても、その心のザワつきは結構な確率で当たっています。そんなときこそ、「良(よ)い加減は、いい加減」と心の中でつぶやいてみてください。少し手抜きくらいの接し方がちょうどいいのです。くれぐれも尽くしすぎないように気をつけましょう。

 男性は女性と一緒にいて楽しくて、頼られてこそ頑張ろうと思えるのです。

山崎世美子 YouTubeチャンネルのお知らせ

 2019年10月12日、公式YouTubeチャンネル「山崎世美子の恋愛大学」がオープンしました。“恋愛のお作法、学びましょう。”をコンセプトに、恋愛に関するさまざまな悩みや疑問に答えます。毎週土曜・日曜20時に更新。お楽しみに!

山崎世美子
記事一覧
男女問題研究家
「平成の駆け込み寺」として、人間関係、男と女をテーマとし、さまざまな悩みを抱える相談者に的確なアドバイスを送り、心のケア・親身なカウンセリングで一躍人気者となる。TV、ラジオ、雑誌、さらに講演会などからも依頼が多数。いま最も注目されている専門家である。YouTube「せみこの恋愛大学」毎週水曜配信中。
公式HPブログInstagramTikTok

ラブ 新着一覧


交際費たんまり? 友達いない彼氏が最高の彼氏になる可能性
 友達がいない男性を、あなたは「彼氏にしたい」と思いますか? 躊躇してしまう人は少なくないように思いますが、ちょっと待っ...
恋バナ調査隊 2022-09-11 06:00 ラブ
「他人に抱かれた方がマシ」大学院で豹変した夫に嫌悪する妻
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2022-09-10 06:00 ラブ
「連れ子も育ててるのに」感謝しないバツ1妻と離婚したい夫
「冷酷と激情のあいだvol.107〜女性編〜」では、モラハラ夫に変貌してしまったナオキさん(仮名)に対して不満を抱く妻・...
並木まき 2022-09-10 06:00 ラブ
「忙しい」の3文字? 彼からの冷めた“サインLINE”に涙腺崩壊
 カップルになる直前は、終わりが見えないくらいに盛り上がるLINE。しかし、カップルになると安心感を得るため、徐々に好き...
恋バナ調査隊 2022-09-10 06:00 ラブ
真面目夫の浮気バレ~背広のポケットから出てきた意外な証拠
 男女問題研究家の山崎世美子(せみこ)です。夫や彼の浮気を知ってしまった時のダメージは計り知れません。サレ妻さんたちは口...
山崎世美子 2022-09-10 06:00 ラブ
好みは千差万別!“イケメンが苦手”な女性の心理vs男性の本音
 あなたはイケメンをどう思いますか? 「イケメンと付き合いたい」「イケメンに出会いたい」と思う女性が大半でしょう。  ...
恋バナ調査隊 2022-09-09 06:00 ラブ
ダメ男とは違う? 愛すべき“ポンコツ彼氏”の笑撃エピソード
 ポンコツ彼氏は、頼りないのになぜか惹かれてしまう不思議な存在。おっちょこちょいな一面もあるため、女性から「可愛い」や「...
恋バナ調査隊 2022-09-09 06:00 ラブ
長文メール送って自爆するか愛深めるか 女に必要なクセは?
 彼に長文メッセージを送って自爆する女性が大勢います。今までのガマンがたまりにたまって長文メールという形で暴発してしまう...
内藤みか 2022-09-08 06:00 ラブ
なんでやねん!「性格悪いのにモテる女」8つの特徴あるある
 美人でスタイルが良く、性格が良い女性は当然モテますよね。「彼女はモテて当然」と同性から見ても納得です。しかし、「どうし...
恋バナ調査隊 2022-09-08 06:00 ラブ
不器用女子でも「男性がずっと一緒にいたい女性」になる方法
 好きな人に「ずっと一緒にいたいな」と思われたいですよね。せっかく付き合えたのに、数カ月付き合った後には飽きられ、挙句の...
若林杏樹 2022-09-07 06:00 ラブ
性欲お化けか!アラフォー妻たちが夫の嫌いなところを大告白
 情熱的な恋愛を経て結婚したはずの夫。結婚生活が長くなり「気づけば嫌いになっていた」なんて人も多いのではないでしょうか。...
恋バナ調査隊 2022-09-07 06:00 ラブ
料理教室よりバズレシピ!「男ウケ料理」の情報更新してる?
 花嫁修業の定番といえば、まずは料理。料理ができればモテるというのは、長く女子の中で定番の価値観となってきました。ですが...
ミクニシオリ 2022-09-06 06:00 ラブ
既読無視されてた彼氏から返信きたけど!喜ぶ? 疑うべき?
 彼氏に既読無視されると、不安になったりイライラしたりしますよね。その期間が長くなっていくにつれて「このまま終わり……?...
恋バナ調査隊 2022-09-06 06:00 ラブ
カップルの理想の身長差は何cm? 高さ別スキンシップを解説
 カップルの理想の身長差は、人によって違います。でも実際のところ、カップルの身長差は、お互いの心理や付き合う上でのスキン...
恋バナ調査隊 2022-09-05 06:00 ラブ
「不完全燃焼の恋」が忘れられない時、どうしたらいいの?
「気持ちを伝えられなかった」「突然、連絡が取れなくなった」など、不完全燃焼の恋が忘れられず、苦しんでいる人は多いようです...
恋バナ調査隊 2022-09-05 06:00 ラブ
「浮気したくせに私は抱けない?」夜の生活を拒む夫と憤る妻
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2022-09-03 06:00 ラブ