――何度も質問されていると思いますが、タイトル『BASIC』の由来は?
町田啓太(以下、町田) 今日、初めて質問されました(笑)。僕が発案したので聞いていただけてうれしいです。作品には僕が普段考えていることや好きなこと、興味があるものが詰め込まれているので、“根本”や“基本”という意味を持つ『BASIC』と名づけました。編集部さんからは『WILL』や『SEARCH』、『NOSTALSIE』、『REBORN』……いろんな案をいただき、僕からも提案させていただきましたが、最後のほうに出てきたこのタイトルが一番、自分の中でしっくりきたんです。かなり考え抜きましたが、みなさんにも賛成していただき、決めました。
――写真集は二部構成で、一部は新宿・ゴールデン街で撮影したそうですね。
町田 プライベートでも数回、行ったことがあるのですが、僕はああいった外国映画に出てくるような風景が好きなんです。そもそも僕自身が赤ちょうちん系の店や、アングラで昭和テイストが残っているような飲み屋街が好きですし。打ち合わせで話が出て全員の合意を経て臨みましたが、ゴールデン街ならではの風景で撮影できたことは、貴重な経験でした。
――写真集にはお酒を飲むカットもありますが、普段もお酒は飲みますか?
町田 お酒は好きではありますが、年齢を重ねるごとに酔うのが早くなっています(苦笑)。最近は一杯で酔ってしまい、すぐに眠くなります……(笑)。
――まだ29歳という若さなのに?
町田 20代前半の頃のように、何杯も飲みながら大騒ぎをするスタイルが合わなくなってきているんです。今は食事をしながら適度にお酒を楽しんで、早く解散して家に帰って寝るほうが、カラダに合っているような気がします。
もともとはイケるクチだったんです。20歳で劇団EXILEに加入した当初は、朝まで飲む日もあったのですが、27歳頃から弱くなってきましたね(笑)。僕は自分の年齢を、“もう29歳”だととらえています。
時間が足りない
――“まだ”ではなく“もう”と感じている理由は。
町田 19歳の頃から今の事務所に所属しているので、そこから計算すると「もう10年経ったのか……」という感じなんです。過去を振り返ると、「もっといろいろできただろう」と思うと同時に、時間が足りないと感じてしまう自分がいます。僕が想像していた29歳には届いていないですし。
――以前はどんな29歳を想像していたのでしょうか。
町田 俳優としての作品の出演数と、海外へ行く回数がもっと増えているなど、幅広くお仕事をしているようなイメージを持っていました。性格も、今よりオトナになっているだろうと思っていたのに、小学生の頃からまったく変わっていません(笑)。残念でもあり、そういうものなのかなとも思いますが。
――その思いは、写真集に込められましたか?
町田 もちろんです。写真集という形にすることで、自分の人生の“点”を“線”に結びつけられたような気がしています。子どもの頃から乗り物が好きでパイロットに憧れて航空学校(現・日本航空高校石川)に入学し、その高校でダンス部に入部してキャプテンを務めました。
その後、教員になりたいと思って日本体育大学に入学したのに、なぜ今、自分は俳優をしているのか。写真やインタビューを通じて思い出すことで、原点に戻ることができました。地元の群馬で恩師や幼馴染みと再会し、座談会をしたことも影響していると思っています。
好きだった子に…
――その座談会での秘話を、少しだけ教えていただきたいのですが。
町田 僕が中学生の頃に好きだった子の話になったんです。その子のために僕がある行動をしたのですが、旧友たちの間では笑い話になっていてるらしく(笑)。自分では覚えていなかったので驚きました。
ほかには小学生時代の話もしました。「僕、そんなスポーツやっていましたっけ?」というエピソードでしたが(笑)。僕が覚えていない過去を、小学校時代の恩師と旧友たちが話していて最中は冷や汗をかきましたが(笑)、幼少期をみなさんに知っていただけるインタビューになっています。
――最後に、1万字インタビュー、プラス写真集の見どころもお願いします。
町田 インタビューでは過去や今の自分の心情を掲載させていただいていますが、写真集には20分ほどのDVDもついています。写真集をご覧になってからメイキングDVDをご鑑賞いただくと、より楽しめると思います。写真を先に、DVDは後でお願いします!(笑)
そして、ご覧くださった方々が内容をどなたかに話したくなったら、口コミしていただけたらうれしいですね。
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