女性アイドルのイベントなのに女子トイレに超長蛇の列!
今回の紅白に限らず、周りに何と言われようと欅じゃなきゃ、平手じゃなきゃダメなんだ! というファンやヲタクはとても多い。
なかでも平手友梨奈の推しには熱狂的な女ヲタが多くいることで知られる。それもキッズから中高生はもちろん、社会人となった20~30代、主婦層の40~50代、おばあちゃん世代の方々まで。
平手推しの比率は女74%・男26%
筆者がTwitter上で行った平手推しの性別を問うアンケートでは、投票数1373票のうち、男性は普通のファン19%、ガチ恋ヲタ(=アイドルに本気で恋しちゃってる系ヲタク)7%の計26%。
一方の女性は、普通のファン42%、ガチ恋ヲタ32%で計74%。女性アイドルのファンの男女比としては尋常じゃない数値である。
世代別では30代以上の大人女子率26%
また、女性限定で年齢層を問うアンケートでは、投票数2025票のうち10代が42%、20代が32%、30代が12%、40代以上(50代以上含む)が14%。最先端のJ-POPメインターゲット層が10~20代であること、そして、欅坂46と同世代であることを考えると10~20代からの支持が高いのは当然として、30代以上の大人女子&主婦層が26%もいるのは、女性アイドルとして驚異的な数字ではなかろうか。
筆者はジャニーズヲタク時代を経た後、長年さまざまな女性アイドルの現場に足を運んできた。女性アイドルの場合、対象者に関わらず、ファンは男性が8~9割と圧倒的に多いのが普通だったが、欅坂46の場合は違う。体感で男女比率は6:4~5:5くらい。女子トイレの行列の長さは女性アイドルイベント現場では類を見ないし、ステージに平手が登場すると、「ギャアアアアー!」と言う悲鳴にも似た黄色い歓声で耳がつんざかれそうになる。こんなことはジャニーズのライブ会場でしか体験したことが、無い。
ボーイッシュな見た目は関係ない!?
なぜ平手友梨奈はそこまで幅広く女性に、猛烈に愛されているのか。
単純な思考でいくと〈短髪でボーイッシュだから〉と思ってしまいがちだが、そうじゃない。前出同様、筆者はアンケートを行ってみた。平手友梨奈にガチ恋する女子たち(ガチ恋ヲタ)を対象に平手のどんな髪型が好きかを尋ねてみると、投票数810票のうち、「短髪」(14%)、「長い髪」(19%)、「どんな髪型の平手でも好き」(67%)。平手が長い髪の女の子であっても、ガチ恋に変わりないという。
では、ボーイッシュな髪型が理由でないとすれば、一体何なのか。他の男性アイドルや女性アイドルではなく欅坂46、平手友梨奈である理由を問うてみると、圧倒的に多いのが、〈独自の世界観を持つ力強いパフォーマンス、それを全身全霊で表現する彼女のひたむきな姿に胸を打たれて〉という声だ。
「私も苦しんでいる、でも、闘っている」
欅坂46は、特に平手友梨奈は、他の男性、女性アイドルのようにいつもニコニコなんてしていない。むしろ秋元氏が平手に当て書きしている歌詞の主人公に憑依している。その主人公は激しいパフォーマンスと共に、大人に、社会に、世の中の常識に反抗しもがき、人間関係に苦しみ、疑い、諦め、様々な感情で葛藤する姿ばかりだ。我々ファンに上から目線でも下から上目遣いでもなく、横に寄り添うように「私も苦しんでいる、でも、闘っている」と共鳴し、代弁してくれるような存在なのだ。
欅坂46の歌詞を全身全霊で表現する平手自身、“完全無欠のヒロイン”ではない。デビュー以来、想像を絶するネット上の誹謗中傷を浴び、16歳誕生日前日の握手会では殺意とナイフを持った男による襲撃事件で外傷こそなかったものの心へ相当な傷を受け、多くの困難や苦しみ痛みに苛まれながら結成から4年のキャリアを振り絞るように重ねてきた。彼女の叫びは、とてもリアルだ。
その後も心の問題だけでなく、センターだけに課せられた激しい振りやアクロバットなどで身体のあちこち負傷し、一時休業や一部活動見合わせを繰り返してきた平手友梨奈。
だが、そのたびに、床に倒れた状態から立ち上がり、高く拳を突き上げ鋭い眼光でカメラを睨みつけた紅白の冒頭のように、彼女は立ち上がることをやめない。何かにひれ伏し降参することはしない。
そんな彼女の姿に、同世代の女子たちは共感し、筆者含む大人世代は自分が10代だった時に持っていた何かを思い出させられる。
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