マンション買うならどっち?キラキラの新築or価格の安い中古

日下部理絵 マンショントレンド評論家
更新日:2020-03-06 06:00
投稿日:2020-03-06 06:00

 尊敬するキャリアウーマンの先輩がマンションを購入した。理由を聞いたら「毎月、家賃を払い続けるのはもったいないし、私自身の将来のために購入したのよ」って。

 私も将来のために買った方がいいのかな。でも買うのは勇気がいるし。独身のうちにマンションって購入していいの? 購入したあとに結婚することになったらどうすればいいの? そもそもどんなマンションを買えばいいんだろう。

 そんなマンションのことをあれこれと知りたい欲張りなオトナ女子に、マンションを買ったり、売ったり、快適に住むためのマンション情報を、マンショントレンド評論家の日下部理絵が“あらかると”でお届けします。

 第1回目は、もしマンションを買うなら新築がいいのか。それとも価格が安そうな中古がいいのかについてです。まずは、新築と中古マンションの定義について確認しましょう。

「新築マンション」と「中古マンション」の定義を確かめよう

 中古というだけで古いような印象を受けるけど、新築マンションはいつから「中古」と呼ばれるようになるの? まずは定義を確かめておきましょう。

新築マンション

 新築マンションとは、竣工してから1年未満かつ未入居物件のことをいいます。つまり、竣工して1年未満であっても、一度でも誰かが入居した物件は、新築とはいえません。また、竣工して1年以上のものも新築とはいえないのです。これは、欠陥住宅に関する消費者を保護するために定めた「品確法」と「公正競争規約」において定められています。

中古マンション

 中古マンションとは、一度でも誰かが入居したことがある物件をいいます。また未入居物件については、不動産業界では「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」第3条第(10)号に基づいて、竣工後1年以上を中古としています。一部の金融機関などでは、2年以上で中古(住宅ローン上の線引き)とするなど、定義にバラツキが見られます。

新築でも中古でもない「新古マンション」という分類も

 そのほか新築と中古のあいだに、販売不振や営業政策上などの理由で、当初の売主から別の不動産会社などが買い取り再販される「再販物件」や「クリアランス物件」などと呼ばれる新古マンションもあります。

 つまり、竣工後1年未満であったとしても、一度入居したという経歴(極端にいうと1日でも入居)があれば、それは「中古」にカウントされますし、新築マンションとなんら変わりなくても不動産会社の再販によって「新古」マンションということになります。

 図表のように新築から時間の経過によって、呼び方が変わっていきます。

新築マンションと中古マンションの違いとは?

新築・新古・中古マンションのイメージ図

中古と新築、それぞれのメリットとデメリット

 次に「中古」と「新築」それぞれのメリットとデメリットをみていきましょう。

 一般的に、「再販物件」「クリアランス物件」「新古マンション」を含めた「中古マンション」は、新築マンションと比べて価格が安いことが大きなメリットとなります。特に、中古マンションを個人から購入する場合は、建物部分の消費税がかかりません。また、自分好みにリフォームしやすいこと、現物や管理状況を見て検討できること、近隣の居住者の様子を確認できるというメリットもあります。

 デメリットとしては、
・借入期間の制限や金利優遇の対象にならない場合がある
・公庫融資限度額に差がある
・築40年超(旧耐震基準)のマンションはローンが通りにくい

 など、住宅ローンを組む上で不利なことがあげられます。設備やデザインの陳腐化、耐震性やセキュリティへの不安、不動産会社に仲介手数料を支払うのもデメリットといえます。

 いっぽう、新築の一番のメリットは、最新の設備やデザインの新しい物件に最初に住めるということでしょう。しかし、立地が限られたり、高い価格や修繕積立基金を一括で支払うなど、とにかくお金がかかることが一番のデメリットです。

 新築と中古のメリットとデメリットを一覧表にすると図表の通りです。

自分の暮らしに合った選択を

 あなたは、新築マンションがいいですか? それとも中古マンションにしますか?

 私なら新築をターゲットに中古も視野にいれつつ、職場に通勤しやすい、駅近なコンパクトマンションを今の家賃と比較しながら購入を検討します。エリアやこれから何年住むマンションなのかによっても選択肢は変わってくるでしょう。あなたの今のライフスタイルや人生にとってベストなマンションを選んでくださいね。

日下部理絵
記事一覧
マンショントレンド評論家
2001年実施、第1回マンション管理士試験に合格。維持管理の側面から既存マンションの実態に精通する。テレビ・ラジオなどのメディア、講演会・セミナーでも活躍中。著書に『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)、『負動産マンションを富動産に変えるプロ技』(小学館)など多数。
日下部理絵オフィシャルサイトhttp://office-kusakabe.com/

ライフスタイル 新着一覧


義実家「長男の嫁ですよ?」がしんど! 帰省の圧を感じるLINE3つ。“親孝行したいときには親はなし”が重い…
 年末年始、帰省を楽しみにしている人もいれば、反対に「帰りたくない…」と思う人もいるはず。後者の人にとって親からの「帰省...
ひぇ~! 義父が「名付け親」に立候補してきた…ありがた迷惑な“孫フィーバー”エピソード7つ
 義理の両親が孫の誕生を祝うあまり、極端な言動に走ってしまう「孫フィーバー」。  あなたは心当たりがありますか? ...
プレゼントが売ってな~い!クリスマスに奮闘する“パパママ”のドタバタLINE3選
 我が子を笑顔にしようと奮闘するパパママの姿はステキですよね。とくにクリスマスはそんなパパママが増えるはずです。ただ、バ...
美味しくてヘルシー!「無印良品」の“罪悪感なし”おやつ3選。甘いお菓子の代わりにイイじゃん♪
 最近パーソナルトレーニングを受ける機会があって、トレーナーさんから食事指導をいただきました。  正直「自炊をして...
やっちゃった!忘年会の“大失敗”エピソード。上司にダル絡み、社内恋愛バレ…もう会社にいけないよ~
 忘年会の夜には、魔物が潜んでいるらしい。「今日は飲むぞ!」の解放感とアルコールの勢いが合体し、気づけばスマホの写真フォ...
神たま猫のご利益ください! 開運“にゃんたま”を擦って運気を爆上げ♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
義母の“下手な言い訳”が悔しい…「#ばぁばメロメロ」の投稿に衝撃。母親が家族への期待を諦めた日
 幸せなはずの結婚生活に影を落とす、姑との問題。令和の時代でも根強く残る嫁姑トラブルに直面したケースをご紹介します。
私、くさい? 居酒屋で “加齢臭”の恐怖と戦う。中年オンナの体臭対策はどうするべきか
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
ズボラ女にこそ威力を発揮!年末の強い味方「ドライフラワー」の底力を見よ。“風水的にNG”は勘違い?
 あっという間に今年も師走に突入でございます。猫店長「さぶ」率いる我がお花屋も、年末に向けて年末商品が店の外まで溢れてお...
「ウザいって言ってたよ」怖いのはネット? それとも…SNSなしでも“炎上”したあの頃。悪意が燃える瞬間
 SNSがコミュニケーションの重要なツールとなって久しい。速さに追われる時代に、言葉を選ぶ“間”の大切さを思い出させてく...
賃貸か購入か…40代からは住まいをどう選ぶ? “おひとりさま”の正解ポイント【資格保有者監修】
「賃貸か、購入か」。  住まいの話題になると必ず浮上するこのテーマは、避けて通れない話題です。特に子育ての必要がな...
恋する“にゃんたま”、全力ダッシュ! 気持ちがあふれて思わずピョン♪
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
口癖は「うちの血が濃い」…義母の“幻想”を崩壊させた息子の行動。愛情の深さはDNAで決まるの?
 幸せなはずの結婚生活に影を落とす、姑との問題。令和の時代でも根強く残る嫁姑トラブルに直面したケースをご紹介します。
「夫のスマホを監視してます」円満なのは表面だけ? 実は怖~い“我が家の闇”7つ
 一見仲良し家族だけど、実は…という他人からは見えない家庭の闇。今回は、皆さんから寄せられた「我が家の闇」エピソードを紹...
「スケジュール管理ができない人」は一体何だというのか。運だけで生きてきた私に浮上した、ある疑惑
 踊り子として全国各地の舞台に立つ新井見枝香さんの“こじらせ”エッセーです。いつでも、いついつまでも何かしら悩みは尽きな...
「住職おくって」に爆笑! 恥ずかしいLINEの“打ち間違い”3つ。欲しかったのはそれじゃない泣
 急いでLINEをしなければならないときや考え事をしている最中にLINEするときこそ、文面はよーく確認したほうがよいかも...