Netflixの“性欲を1カ月ガマンする”番組が自粛期間にフィット

内藤みか 作家
更新日:2020-04-30 06:43
投稿日:2020-04-30 06:00

妙に共感出来る彼らの苦しみ

 目の前に好みの異性が何人も並んでいるのに、1カ月エッチしてはならないと知った時の彼らの落胆っぷりは見ていて気の毒になるほどでした。唇を噛み締めたり、頭を抱えたり、天を仰いだり。でも1カ月頑張り抜いたらなんと賞金10万ドル(約1000万円)を受け取ることができるのです。お金のために彼らは耐久生活を決意します。

 かくして苦行の1カ月がスタートするのですが、とにかく異性に触れたくて、みんなつらそう……。でもルール違反をしたら、賞金がどんどん減らされてしまうので、必死に耐えます。このつらくジリジリとした番組がなぜ日本でランクインしているかというと、まさに今、自分たちが自粛でガマンの連続だから共感出来るからなのではないでしょうか。

ヤれるのに、ヤっちゃダメ。

 コロナ拡大防止のための自粛生活も、相当つらいものがあります。おいしいお酒を飲みに夜の街に寄り道したい。でもお店も開いていない……。今、こんな苦しさをかなり大勢の人が味わっているのではないでしょうか。「ザ・ジレンマ」の男女も、魅力的な異性を味見したいのです。でも、ルールを破る勇気が出てきません。彼らがヤりたくて苦悶する姿は、私たちが遊びたくてモヤモヤする気持ちに近い気がします。

 10人の男女が性欲を自粛し、リアクション豊かに苦しみもがくその姿は、まるで共に苦しんでいる仲間のよう。「ガマンしているのは自分だけじゃない」と励まされる思いです。彼らの1カ月の性欲自粛生活を眺めながら、私たちも粛々と外出自粛生活を送るしかありません。

 番組とリアルとの違いは「耐え抜いたらご褒美があるかどうか」かもしれません。彼らは耐え抜けば1000万円(ひとり100万円ほど)があるのです。私たちにも国から10万円が支給されますが、それはガマンしなくてもいただけるもの。ではご褒美はなんでしょうか。自粛を頑張った先に待っているもの、それは健康で平和な社会であるはずです。そして、それこそが皆が望んでいることなのですから……。

(参考:番組サイト)
https://www.netflix.com/title/80241027

内藤みか
記事一覧
作家
著書80冊以上。大学時代に作家デビューし、一貫して年下男性との恋愛小説を書き綴る。ケータイ小説でも話題に。近年は電子媒体を中心に活動。著書に「あなたに抱かれたいだけなのに」など。イケメン評論家として、ホストや出張ホストなどにも詳しい。
XInstagram

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


【独自】ホスト嫌いのラッパーが歌舞伎町に喝!「ポンコツどもを俺が鍛える」RYKEY DADDY DIRTYインタ
 東京・八王子に生まれ、中学生の頃から暴走族やギャングといったアウトローの世界を生きてきたラッパー、RYKEY DADD...
【独自】全身タトゥーや元受刑者も!? 歌舞伎町に誕生したラッパーだらけのホストクラブが異次元だった
 なにかと悪評が絶えないホストクラブ業界の聖地、新宿・歌舞伎町に斬新すぎるお店が誕生。人気ラッパーで発信力も持ち、インフ...
大バズり流行語5選、理解してる?40代でも話についていけるように解説
 2024年も半分が過ぎ、振り返ると今年の上半期もさまざまな流行語が登場しました。40代の皆さんが聞き馴染みのない言葉も...
330円って本気? 職人が作る高見えグッズ、ダイソー姉妹店で見つけた!
 ダイソーが提案する新しいブランド「スタンダードプロダクツ」で、日本が誇る職人技の商品をコスパ良くゲットしてきました。 ...
現金より危険な面も…「電子マネートラブル」よくある事例と3つの対策法
 近年、現金を持ち歩かず、電子マネーを利用する人が増えていますが、それに伴って急増しているのが、電子マネートラブルです。...
親子でしっぽシマシマ隊! チビ“たまたま”がすくすく育ちますように
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
命がけで庭の雑草駆除、今年もやるの?ローメンテを叶える夏の雑草対策
 雑草が気になる季節になりました。「雑草」という植物なんて無いねえ~と言われちゃえばそれまでですが、道端はまぁいいとして...
トレンド入り「猫ミーム」インフルエンサーの投稿じゃないのになぜバズる
 2024年春、突如日本のSNSシーンで流行し始めた「猫ミーム」というカルチャー。日本だけでなく、今世界で流行し、そして...
え、ハブられてる? ママ友に嫌われる言動ランキング&上手に付き合う術
 子育て中の女性が必ず直面する「ママ友との付き合い」。気の合う人に出会えれば、情報交換や悩みごとを共有できる仲間として心...
カスハラとクレームの違い 料理が30分経っても出ないから文句言ったら?
 パワハラ、セクハラ、モラハラ…。最近何かと「ハラスメント」という言葉を耳にしますよね。その中でもここ数年でよく見聞きす...
「風呂キャンセル界隈」失敗談 足の臭いでバレ!自分を奮い立たせる方法
 ネットスラングで「風呂キャンセル界隈」というワードが話題になっています。読者の皆さんの中にも、その日の入浴をキャンセル...
丸見え族、参上! うさぎシッポの“たまたま”君にロックオン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
何をそんなに怒っているのだ?
 何をそんなに怒っているのだ?  東京都庁近くにて。
ほっこり癒し漫画/第75回「ヘルプみーこ」(後編)
【連載第75回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
【難解女ことば】「小女子」ってなんて読む? ヒントはご飯が進むもの。
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
最新「グダグダなLINEやり取りの終わらせ方」知らないのは無防備すぎる
 仕事からプライベートまで、コミュニケーションツールとして使えるLINE。便利かつ気軽ではありますが、それゆえにダラダラ...