コロナ対策に成功した台湾の事情から学ぶこと…現地リポート

インリン タレント、表現者
更新日:2020-07-09 06:00
投稿日:2020-07-09 06:00
 皆さん、コロナ禍の中いかがお過ごしでしょうか? 世界でコロナによる感染者や死者が爆発的に増えている中、私が住んでいる台湾では、帰国者を除いて2カ月以上新規感染者が出ていません(2020年7月8日現在)。そんな台湾の新型コロナウイルスの防疫対策について、今回は皆さんにシェアしたいと思います。

台湾政府がとった迅速な対応

 2019年12月31日、世界が希望と期待を抱いて新たな年を迎えようとしていた時、台湾は注意喚起の発表をしました。中国の武漢市で未知のウイルス感染者が出ているとの情報を得て、直ちにWHOへ連絡、武漢からの入境者への検疫も開始しました。

 100人近くの犠牲者を出した04年のSARSを経験した台湾だからこそ、このように迅速に対応ができたのかもしれません。この日を境に、台湾では多くの医師や専門家が集まり、再びやってくるかもしれない戦いに備えて準備を始めていたのです。

■1月20日

 中央感染症指揮センター設置

■1月23日

 新型コロナウイルスの流行地・武漢からの旅行者は全面入境禁止。さらに中国からの入境者には14日の自宅待機が設けられました。

■1月24日

 政府は台湾の人民を守ることを最優先し、医療用マスクの輸出を禁止しました。

■1月31日

 1月中旬の時点で、店頭からマスクが消えました。SARSの悪夢が再び到来することを恐れ、台湾市民が買い溜めをしたことが理由の一つです。

 政府はマスク不足に陥ることを予測していたようで、すぐに医療用マスクを買い上げ、実名制マスク購入制度を取り入れて流通を管理しました。健康保険証のICチップ認証で、最初は1週間に2枚購入しかできませんでしたが、その後は在庫状況に合わせ1週間に3枚、2週間に9枚と増やしていきました。

■2月2日

 感染者か1桁の時点で、高校以下の学校の3週間休校を決定。

■2月7日

 携帯の警告アラームで、感染者が通過した場所を全台湾在住者に伝える。

■その他の対策

・入境者や濃厚接触者による14日間の隔離対策は外へ一歩でたら高額な罰金を科す。
・全ての公共施設にサーモグラフィーや検温制度を設け、MRTなど公共交通期間ではマスク着用を義務化。未着用者には罰金が科された。学校、スーパー、デパート、カフェでもマスク+検温+アルコール手指消毒を実施。

インリン
記事一覧
タレント、表現者
日本育ちの台湾人。過去にエロテロリストとして日本社会を賑わせていた。その後日本人男性と国際結婚し、現在台湾在住。3児の母として奮闘する傍ら、台湾の中華料理資格、美容資格を取得。主にブログで台湾情報、美容情報を発信するほか、2019年よりフォトグラファーとしても表現の場を広げている。(撮影:Куратано)
Instagram

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


「なんで私が異動なの?」業務違反を報告→なぜか地方赴任に…恐怖の人事エピソード6選
「この状況でなんで私が異動させられるの?」「人事評価が腑に落ちない!」会社員として働いていると、こんなこともしばしば。 ...
忙しいのはお前だけじゃねえ! 家事をしない夫、自己中な友達…“多忙アピ”にイラついた話5選
 自分だけ忙しいと思ってる人に対してイラッとした経験はありませんか? 「こっちだって忙しいんだよ!」「そっちに合わせなき...
空に映える“にゃんたま”の尻尾、誇り高き騎士のよう…! 視線もハートも奪われちゃう♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
猛暑でも“元気すぎる”青い花。「アムロ、行きまーす!」ばりのタフな優秀選手、玄関に飾るのがオススメな理由
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋には、お庭や玄関まわりに植物を植え込む「植栽」なんてお仕事もございます。  店長が...
大好きなテレビ鑑賞中、ふと襲われた「不安感」はなんだ? 更年期、不調の新フェーズに突入か
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
土屋太鳳の“裏アカ”疑惑は他人事じゃない? いまや約3割が所有…恐怖の「誤爆ケース」4連発
 女優の土屋太鳳(30)の“裏アカ”流出疑惑が波紋を呼んでいます。いまや芸能人だけではなく、一般人も“裏アカ”を持つのが...
言いすぎー! 思春期な“我が子”のトンデモ暴言集。「うるせえ、スメアゴル」に笑っちゃったよ
 子どもから大人へと移行する時期と言われる思春期は、子育ての修羅場。私たち親も「反発したい年頃よね」と分かっているけれど...
元タレントが見た過酷な現実。芸能界で“誰かのお気に入り”になった女と拒んだ女の分かれ道
 世間を揺るがす芸能界の黒い噂。ニュースとして報じられ、真実が明らかになることも増えました。現在は清浄化が行われている芸...
ありえない“パワハラ職場”経験談6選。「先輩の指示で話せないの」って小学生かよ!?
 パワハラが問題視される時代ですが、今もなおパワハラが原因で退職に追い込まれている人が少なくないようです。今回はパワハラ...
43歳、推し活でお金は減った。でも後悔はない。“推し”と過ごしたあの頃の私を誇りに思う
 アラフィフに差しかかる少し前、私はK-POPの“推し”と出会いました。これまでも長くオタ活を続けてきましたが、その出会...
芸能人も公表…パニックに陥ったら「ダメな人間だ」と責めないで“怖い”と思っていい。今の自分を受け入れる大切さ【専門家監修】
 2012年に59歳で亡くなったロック歌手・桑名正博さんとアン・ルイス(68)の長男でミュージシャンの美勇士さんや、タレ...
魅惑の“にゃんたま”ツーショット♡ 2匹の背比べ、真の勝者は意外なところに?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
【動物&飼い主ほっこり漫画】連載特別編「春山先生 幼少期の思い出」
【連載特別編】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場!  11月下旬発...
【女名の植物クイズ】夏の花で「あの有名映画の主人公」と同じ名前の品種があるのは?(難易度★★★☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
理解不能すぎ!義実家の謎ルール6選。「トイレの水は3回分ためて流す」ってありえる?
 家事のやり方、生活の仕方、人付き合い……それぞれの家庭ごとに存在する「謎ルール」ってありますよね。それが義実家の謎ルー...
花火大会の“有料化”が増えた背景。3万円の高級席も…若者世代は「お金を払って見る」が当たり前?
 今夏も花火大会が大盛り上がり。特に日本三大花火大会の長岡花火は、開催直後のSNSでは観客が撮ってアップした写真や動画が...