夏のランといえばコレ!「グラマトフィラム」
グラマトフィラムは東南アジア原産の、暑い地域の植物でございます。およそ12種の原種の洋蘭の一種で、熱帯からヨーロッパ、おもにイギリスに渡って栽培されたようでございます。ランの中でも大型に属し、背丈が3メートル以上になる品種もございます。
黄色系ベースの花弁に茶色や紫、黒の斑点があるため、東南アジア英語圏ではタイガーオーキッドとも呼ばれております。
ワタクシが思うに、なんか、カッコいいランの印象でござんす。平たく言うと、「ヒョウ柄の服を着たシュッとしたお兄さん」というイメージと申しましょうか……。
日本に普及したのは最近のことで、近年では開花した株が流通するようになってまいりました。特に夏にお花屋さんや大型量販店などで見かけるようになったグラマトフィラムの種類は、ビッチリと可愛らしい、小さな無地で黄緑色のお花のタイプ。
グラマトフィラムの長く柔らかい茎の特徴を生かして、ハート型や波型、トルネード型に形成されております。
そのくせ、一本の茎から100個ほどのお花を付ける強者までございます。見た目も涼しいお色で、夏にぴったり。まさに、お得感満載なランでございます。贈答用としても、自分のご褒美用としても最適。
同じサイズの胡蝶蘭と比べても、お手頃価格でお財布にも優しい( ´艸`) しかも、ゴージャスで日持ちも最高!……でも、じつはそのためには、チョイと気を付けていただきたいことがございますのよ。
花持ちを良くする3つのポイントとは
グラマトフィラムは“着生植物”という形態で、本来は樹木などに根を張る植物でございます。いわゆる熱帯雨林のような、蒸し暑い薄暗いジャングルみたいな場所にある大木や岩に引っ付いて生きている、そんなランなんだとご理解くださいませ。
まさかアナタのご自宅を熱帯ジャングルにするわけにはまいりませんが、グラマトフィラムをアナタのおうちにお迎えした場合の長持ちポイントがございます。
1. 直射日光は避けてくださいませ
日当たりは必要ですが、直射日光に当てると葉が焼けちゃいます。レースのカーテン越しが最適でしょう。あるいは、日陰であれば外でも夏場は問題ございませんよ。
2. ラッピング包装は外してくださいませ
プレゼントラッピングで包装されたラン鉢はたしかに美しく、外してしまうのはもったいない気がいたしますが、こちらは決してお花には良い状態ではございません。早い段階で取り外してくださいますよう、お願いいたします。
3. とにかく水を飲ませて
これがもっとも重要なポイント! 実はワタクシ、高知のグラマトフィラム産地見学の折、その農家のオッちゃんにめっちゃ諭されました。
「オネーちゃんさ、グラマトフィラム長持ちしないって苦情がよく来るんだけど、そんなこと絶対無いから! グラマトフィラムはとにかく水なのよ! 冬はほっぽらかしでいいけど、花が咲いている間はすごく水を飲むの。これが、あまり水を飲まない胡蝶蘭と違うところ。みんな胡蝶蘭と同じように水を切っちゃうけど、本当は毎日飲ませてあげれば、すごく日持ちするランなんだけどな~!」
と、ドえらく興奮気味におっしゃっていたのを思えております。
そうなんです。グラマトフィラムは一度でも水枯れを起こすと、花がたちまち落下いたします。ご多分にもれず、ワタクシも胡蝶蘭と同じ管理をしており、花が枯れてしまう経験が多々……。
アナタのお家にお迎えした折には、毎日アナタがお水を飲むついでにでも大きなコップで一杯の水をあげてくださいませ。それで問題ございませんのよ。
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