入院前にしっかり準備してスムーズな職場復帰を
短期間の入院なら有給休暇を使えばいいと思いますが、日数が長くなりそうな入院の場合は不安です。生命保険会社のサイトから、おもな女性特有の病気の平均入院日数を調べてみました。
・子宮内膜症……8.1日
・子宮筋腫……8.6日
・卵巣がん……11.3日
・乳がん……11.8日
・子宮体がん……12.2日
・子宮頸がん……17.8日
退院した翌日からすぐ通勤できるとは限らないので、プラス数日の自宅療養期間が必要かも知れません。また、予定より入院が長引くこともあります。病気を告げられたら、事故に遭ったら、怪我をしたら、まずやることは「何日ぐらい仕事ができないかを把握すること」です。
安心して職場復帰するために必要な準備
入院より前に、主治医から治療計画を説明される日があると思います。病気で気持ちが動転しがちですが、このときが医師にいろいろ質問できるチャンスです。仕事を持っていることを伝え、「何日ぐらいで職場に復帰できるか予定を立てたい」と聞きましょう。また、必ずメモを取り、内容を職場に伝えられるよう準備します。
とても残念なことですが、病欠や入院が長引いたことで職場に戻りづらくなったり、人間関係が悪化する例もあります。
治療計画をきちんと伝えておくことで、補充の人を入れるか入れないか、退院後の勤務時間を短くするかどうか、など会社も適切な対処ができます。入院前に上司に治療計画を見せて相談し、スムーズに職場復帰できるよう協力してもらいましょう。
すでに有給は使い果たしてゼロ!そんな人も安心して療養を
勤める人を救済する「傷病手当金」制度
休む日数が有給休暇の残日数を超えると、給与が出なくなる可能性があると思います。でも、入院している間も家賃や水道光熱費の基本料金は発生するし、自己負担限度額を超える治療費や差額ベッド代などの支払いもあります。
そんなとき、あなたの健康保険が国民健康保険ではなく「全国健康保険協会○○支部」「○○健康保険組合」「○○共済組合」などで、なおかつ「本人」であれば傷病手当金が支給されます。企業等に勤務して、なおかつ世帯の生計を立てている人(一人世帯でも、共働きでも)が病気や怪我で無収入にならないように、と考えられた救済制度です。
支給金額の算定は標準報酬月額から
もらえる金額は月収の3分の2です。月収は毎月変動があると思いますが、年金や健康保険料を計算するために毎年4月から6月の3ヶ月間の給与額の平均を31段階のグループに分けた「標準報酬月額」を月収とします。
「3分の2しかもらえないのか……」と不安になりそうですが、傷病手当金からは税金が引かれませんし、ボーナスや各種手当も加算して計算されるので、思ったより多くもらえたと感じる人が多いようです。
国民健康保険の加入者にも支給される例
国民健康保険には、残念ながら傷病手当金がありません。
しかし、2020年8月現在、新型コロナウイルスの感染者については、国民健康保険加入者であっても傷病手当金が支払われる可能性があります。これは厚生労働省から都道府県に対して支給を検討するよう、3月からアナウンスしているためです。
国民健康保険加入者で、新型コロナに感染して仕事ができなくなった人は、住んでいる自治体の健康保険課が対応しているか、ぜひ問合わせしてみてください。
傷病手当金をもらうには手続きが必要です。手続きの方法や注意点、「こんな場合はもらえるの?」といった疑問、国民健康保険の人はどんな備えをしたらいいかについて、次回に続きます。
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