「私は、竜っていると思うわ」
お花屋さんになる前、思いっきり理系女だったワタクシの職場に、科学では説明できないスピリチュアルなものや超常現象を鼻で笑う「鉄の女」M先輩がおりました。
なぜか、ワタクシのようなおバカな後輩を可愛がってくださったM先輩。出張先でワタクシのバカさ加減のせいで2人でガッツリ叱られてしまった帰り道、なぜか突然そんな話をしてくださいました。
M先輩 「今みたいに情報伝達がスムーズにいかない時代から、世界中に残された『竜』の絵って、みんな同じような形してるでしょ? これって、世界中の空を竜が飛んでるってことじゃないかな」
ワタクシ 「先輩! どうしたんですか!」
M先輩 「私の友達がね、竜を見たっていうのよ。車の中で空を見上げたら2匹の竜が飛んでいて、体がぶつかるたびに金の鱗が降ってきたっていうの。その鱗が車のフロントガラスをすり抜けて、友達の手のひらに落ちてきたら、金の粉に変わったっていうんだよね」
ワタクシ 「先輩! ヤバイっす!」
M先輩 「その金の粉は、いつの間にか友達の手の中で消えていくんだって。竜ってさ、見たら幸せになれるのかなぁ……見てみたいな、竜。頑張ろうね」
普段叱られたことなんてない優秀なM先輩が、おバカなワタクシのためにガッツリ叱られておかしくなっちゃった!と、普段から叱られ慣れているワタクシは、不出来な自分の身の上をすっかり忘れて落ち込んだ先輩を心配した……という本末転倒な経験がございます。
この不思議な「竜」の話は、今も鮮やかに秋の気配を感じる「あの花」を見るたびに思い出され、ワタクシは雲がすっかり高い場所へ飛んでいった秋の空を思わず見上げてしまいます。
「見えないけど、飛んでるのかな、竜」
ということで、「元気を出して、立ち上がれ!リンドウ」の解説でございます。
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