私たちはなぜ「恋愛リアリティーショー」に夢中になるのか?

内藤みか 作家
更新日:2020-09-03 06:00
投稿日:2020-09-03 06:00

時には怒りを感じることも

 けれど、あまりに親身になりすぎるゆえに、応援している出演者がつらい思いを味わった時には、その原因となった相手に怒りを感じてしまう人もいます。例えば親友の彼氏が二股をして親友を泣かせていたら、その彼氏に文句を言ってやりたくなりますが、それとかなり近い感情です。

 とある恋愛リアリティーショーでは、女性が告白した際にそれを断った男性の態度がひどいとSNSで炎上したことがありました。フラれた彼女に「ごめんね」の言葉がなかったというのが主な抗議内容でした。その彼は「ちゃんと謝っています」とSNSで説明していました。謝っているシーンは番組で放送されなかったようなのです。

 けれど、親戚感覚で観ているファンは、番組内容のみが真実だと感じ、自分の大事な親友に失礼なことをしないで! と口を挟みたくなってしまったのでしょう。

これは「ショー」だと割り切る必要も

 毎週放送される番組は、彼らの恋愛模様のダイジェスト版。流れているのは彼らの恋愛生活のほんの一部分なのです。番組では放送しきれないシーンもたくさんあるのでしょう。私たちはドラマティックに盛り上がる部分だけが抽出された、ショーアップされたものを観ているのです。あくまでも、恋愛リアリティー「ショー」なのだということを忘れてはいけないのです。

 こうした番組では、相手に対して煮え切らない態度や思いやりのない態度をしている人は非難される傾向があるようです。また、他の人が見ていないところで自分だけが抜けがけをするなどのズルいと感じる行動も、批判されることがあります。けれどテレビに映った部分だけで判断するのは危険です。テレビに映っていないところでは思いやりある言動をしているかもしれないのですから。

 番組が長期化したこと、そしてSNSの発達により、出演者をより身近に感じるようになったこと、これが私たちを恋愛リアリティーショーにのめり込ませている一因だと思っています。

 けれど、私たちもSNSに晒しているのは自分のほんの一部分のはず。恋愛は成功することもあれば、時には涙を流すこともあります。番組が納得いかない結末になっても、そういうこともあるよね、と受け止める寛大な心を持っていたいものです。

内藤みか
記事一覧
作家
著書80冊以上。大学時代に作家デビューし、一貫して年下男性との恋愛小説を書き綴る。ケータイ小説でも話題に。近年は電子媒体を中心に活動。著書に「あなたに抱かれたいだけなのに」など。イケメン評論家として、ホストや出張ホストなどにも詳しい。
XInstagram

ラブ 新着一覧


彼とはほぼプラトニックなのに「床上手」と吹聴される37歳女
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2022-12-24 06:00 ラブ
「彼女は床上手」と誇張…後悔先に立たず、勘違い男の言い分
「冷酷と激情のあいだvol.122〜女性編〜」では、交際中の恋人・シュンスケさん(仮名)が、自分との夜の生活について「僕...
並木まき 2022-12-24 06:00 ラブ
「夢の国」でゲームするの!? “くだらない夫婦喧嘩”の理由
 夫婦喧嘩の理由は人によってさまざまですが、中には「なんであんなことで喧嘩したんだろう」と笑ってしまうようなくだらない理...
恋バナ調査隊 2022-12-22 06:00 ラブ
年下男性が警戒&ガッカリする 年上女の自己紹介欄3つの法則
 年齢が進んでくるにつれて、減っていくのが恋のチャンス。「もうチャンスなんて来ないのかも」と心配になる人も……。  そ...
内藤みか 2022-12-22 06:00 ラブ
浮気されたくない女子必見! ガマンしない賢い浮気防止法
 せっかくお互いに良いパートナーになれたのに、浮気が発覚すると一気に関係性が崩れてしまいます。一緒に過ごした時間や経験、...
若林杏樹 2022-12-21 06:00 ラブ
人生100年時代の夫婦、一生涯かけて1人に添い遂げるべき?
 女性の社会進出も進んできて、家庭を取り巻く環境は変化しているというのに「夫婦関係」は昔のまま変化していないよな……と感...
豆木メイ 2022-12-20 06:00 ラブ
やっぱり脈なし?年上男性の「娘みたい」に隠された本音とは
 芸能界のニュースでは、20歳も年齢が離れた年の差結婚が珍しくありませんよね。実際に、好きな男性がかなり年上という人も多...
恋バナ調査隊 2022-12-19 06:00 ラブ
「男として見て」にキュン♡ 大人女子に刺さった告白セリフ
 大人女子はそれなりに恋愛を経験しているもの。そのため、ちょっとやそっとではキュンとしないかもしれませんね。  で...
恋バナ調査隊 2022-12-18 06:00 ラブ
イクメンを気取る「育児のいいとこどり夫」への超イライラ話
 昭和の家庭では、「男性は仕事に行き、女性は家庭を守る」のが常識でしたが、令和では、SNSで「自称イクメンパパ」が子育て...
恋バナ調査隊 2022-12-17 06:00 ラブ
彼氏の婚活アプリ利用が発覚!34歳女「私との結婚話は何?」
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2022-12-17 06:00 ラブ
「決め手に欠ける」妻候補をキープして婚活アプリに励む男
「冷酷と激情のあいだvol.121〜女性編〜」では、交際中の恋人・ハヤトさん(仮名)を婚活アプリで発見してしまい、憤りを...
並木まき 2022-12-17 06:00 ラブ
恋愛対象外ってこと?「妹みたい」と言う男性のホンネと下心
 好意を抱いている年上の男性から「妹みたい」と言われたら、 まるで「恋愛対象外だよ」と言われたようで、ショックを受ける人...
恋バナ調査隊 2022-12-16 06:00 ラブ
天然記念物級!? 妻をとことん大事にする「愛され夫」の特徴
 離婚率が高い日本。でも、中には世間の女性がこぞって嫉妬するほど妻を大事にし、妻にも大切にされる「愛され夫」が存在するよ...
恋バナ調査隊 2022-12-15 06:00 ラブ
占いジプシーにならないために…上手なオンライン占い活用法
 冬の寒い頃になると目立つのが、オンライン占いや電話占いを利用する人たち。なかには自分が納得する鑑定結果になるまで、何人...
内藤みか 2022-12-15 06:00 ラブ
理想的な結婚相手とは? 後悔しないために見るべきポイント
 飲み会時の話題でもよく出てくる「結婚相手に求めるもの」ですが、皆さんはどんな理想をお持ちでしょうか? ちょっと前だと「...
若林杏樹 2022-12-14 06:00 ラブ
彼の髪&頭皮は大丈夫?特徴4つでわかるハゲる男性の見抜き方
 男性は、女性に比べてハゲる確率が高いですよね。女性としても、彼が将来ハゲるかどうかは気になるところ……。でも実は、4つ...
恋バナ調査隊 2022-12-14 06:00 ラブ