妊娠、卵子凍結…コロナが女性のライフスタイルに与える影響

西史織 卵子凍結コンシェルジュ
更新日:2023-01-26 21:12
投稿日:2020-09-05 06:00

コロナで妊活はどう変わった?

 一方、妊活の面でいうと、特に不妊治療において新型コロナウイルス感染症は治療中の方々を不安にさせたのではないでしょうか?

 というのも、コロナが最初に日本でも広まり出した段階で、日本産科婦人科学会は「治療(特に移植)は控えるように」との声明を出したのです。

 不妊治療は、時間との勝負でもあります。

 採卵をして受精させて移植となると、通常だと年に12回あるといわれる妊娠のチャンスはより難しくなります。

 しかも年齢が上がれば上がるほど体外受精をしても妊娠確率が低くなることはデータとして出ているので、患者側も医療者側も焦りがあったのではないでしょうか。

 とはいえ、ただ黙って時が過ぎるのを待つわけにはいかないので、クリニック側も移植は控えるけれど「採卵・受精・培養」までは行う対応をしていたところが多いようです。

 未知のウイルスが妊娠や胎児へ与える影響はまだわかりませんが、妊娠を希望する方にとってはやはり1日も早い妊娠を望んでいたのではないでしょうか。

 コロナの影響は妊娠だけでなく、出産の場面にも出ていました。

 出産時の感染を防ぐため、また医療者を守るために、ほとんどの産院では立ち合い出産は原則として禁止しており、今もまだ禁止しているところも多いようです。

 産む前も、産む時も、そして産んでからも、コロナの影響は非常に大きいです。

ポストコロナの妊活を予想

 コロナウイルスは絶滅させることは難しく、ワクチンができ、インフルエンザのように季節風邪といった認識になるまで待つしかないのかもしれません。

 となると、妊活も今までのやり方からアップデートされていくのではないでしょうか?

 不妊治療はどうしても通院が発生するもので、クリニックによっては採卵周期では2、3日に1回や、確認のためにほぼ毎日来てくださいといったところもあります。

 今後、このフローがオンライン化されることも夢ではないと思っています。

 実際、すでに自宅でエコーを自分でとり、医者に転送する技術なども開発されてきています。

 このようなものが一般化されれば、採卵手術の日以外は通院をしなくても良いといったことが可能になるのではないでしょうか。

 コロナは私たちのライフスタイルや価値観を大きく変えました。これを良い機会と捉えて、私たち自身が能動的にポジティブに変化していきたいですね。

西史織
記事一覧
卵子凍結コンシェルジュ
金融業界で営業、IT業界で事業開発に従事後、27歳のときに将来のことを考え卵子凍結をする。その経験から、女性のライフステージと仕事の両立についてをライフテーマに活動。妊活をしている方や卵子凍結をしたい方へ向けたクリニック検索サイト「婦人科ラボ
」を運営。Xでの情報発信や、日刊ゲンダイ、日経xWOMANでの執筆も行う。

ライフスタイル 新着一覧


【漢字部首クイズ】「勉(ベン)」と同じ部首を持つ漢字はどれだ? (難易度★★★★☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
保護者が喫煙→校庭にポイッ! 非常識なトンデモ親に“ドン引き”した5つの場面。クレームで地獄の空気に
 子をもつ親でも非常識な人は一定数いるもの。そんな保護者に周りが迷惑を被ることも少なくありません。今回は“運動会”をテー...
陰謀論にハマった母のトンデモ主張。娘の離婚は“闇の組織”のせい!?
「あの震災は人工地震だった」「戦争はフェイクで本当は起こっていない」「芸能人や政治家はゴムマスクを被っていて、本物はすで...
夏休みも物価が高いよ!「お金をかけずに楽しむ」方法8つ。インドア派もアウトドア派もこれでOK♡
「夏休み、できるだけ出費を抑えたい…」「お金をかけずに遊びたい!」こんな風に考えている人も多いのでは?  今回は...
ここで既読スルーする!? 驚いた「未返信LINE」3選。いい大人が“仲間外れ”って!
 相手に“既読スルー”されて戸惑った経験は多くの人がしているはず。内容によっては「え? なんかまずいこと言ったかな…」と...
もっと早く買っておけば…! ダイソーの「夏グッズ」大当たりを発見。灼熱の季節はコスパ良く乗り切るぞ
 蒸し暑い夏が始まりました。今年の夏も無事乗り越えられるようにと、ダイソーで「夏に使えるアイテム」を購入してきました! ...
『あんぱん』の方言、実際どう? 高知県民からの評価を聞いた。「あの俳優の声質と土佐弁が相性抜群」
 現在NHKにて絶賛放送中の連続テレビ小説「あんぱん」。今田美桜が演じる主人公・のぶと北村拓海演じる嵩の二人が、どのよう...
ジメジメ湿度が憎たらしい! 梅雨の「嫌~な思い出」エピソード集。白いスカートが一瞬でビシャッ
 毎年ゆううつな、ジメジメとした梅雨の季節。髪はうねるし、メイクは崩れるし、傘があっても結局びしょ濡れ…なんてこと、あり...
休日がない(涙)私のストレス発散法。祝日ゼロな“魔の6月”はこう乗り越えた!
 祝日がない6月を乗り切った同士の皆さま、お疲れ様です! ただ、残念なことに7月と8月の祝日もたった1日だけ(涙)。休み...
お兄ニャン、そんな無防備スタイルで大丈夫? “たまたま”を心配する妹猫の優しさにキュン♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ゲフッ…炭酸でむせるのは“老い”のせいか。ついに来た「更年期の地雷」はそこかしこに。麺のむせはどうする?
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
世話めんどくせっ!ズボラでも枯らさない「タフネス植物」たち。NASAが認めたスタイリッシュなツワモノも
 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋さんに今年も恐怖の季節がやってまいりました。  いやはや最近の日本の夏は、...
「社会人としての責任ですよー」休日に勘弁して! 私が“退職”を決意したLINE3つ
 仕事を辞めるのにはさまざまな理由がありますが、中には「あるLINEがきっかけで退職を決めた」なんて人もいるようです。い...
夫がイクメン=家庭円満とは限らない。妻でも母でもない“私”を取り戻すのは悪いこと?
「おしゃれは自分のため」と言いつつも、パートナーから「きれいだね」なんて一言があれば、それだけで1日中気分がよくなるもの...
「大阪万博」開幕から2カ月、どうなった? 変化した5つの常識。インパク、わんぱく…ファン専門用語も解説
 4月13日に大阪・夢洲で開幕し、連日にぎわいを見せている大阪・関西万博。累計入場者数も900万人を突破し(6月23日現...
美猫が勢ぞろい! 天才モデルに令和の王者まで♡ 癒しの“にゃんたま”の9連発
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 2025年6月にご紹介したもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかし...