なぜ平手を守れなかった?櫻坂46新センター森田は守れるか?

こじらぶ ライター
更新日:2020-10-17 06:00
投稿日:2020-10-17 06:00

欅坂46ラスト無観客配信ライブを徹底総括!

 今月12日、13日に欅坂46として最後となった「THE LAST LIVE」が無観客配信ライブで行われた。“静”と“動”に分けた2日間のセットリスト。今はもう改名して「櫻坂46(さくらざかフォーティーシックス)」となったメンバーたちの、欅坂46としての集大成を見せつけられ、その凄さに強く心を動かされた。

 それと同時に、あれだけのパフォーマンスができるメンバーたちがいながら、また曲ごとにセンターを次々と変えて魅せるというスタイルも完成の域にもっていきながら、なぜ平手友梨奈(19)を欅坂46メンバーとして守れなかったのかと何とも行きどころの無い気持ちになった。

 2日目の最後にはサプライズで櫻坂46の1stシングル「Nobody’s fault」(12月9日発売)が2期生・森田ひかる(19)センターで初披露された。すでにグループトップクラスの人気がありパフォーマンスにも定評のある森田を櫻坂46ではセンターで推していく――。そんな大人の思惑もうかがえたが、欅坂46時代の過ちを繰り返してはならない。森田に全ての重圧をかけることなく守ることはできるだろうか。

“平手友梨奈のいた欅坂46”からの見事な脱却

 まずは欅坂46のラストライブ2日間を振り返りたい。“平手のいた欅坂46”と比較することはあっても優劣をつけるものではない。ただとにかく、平手脱退から約9カ月、平手依存から脱却したメンバーたちによるラストライブは秀逸だった。

 初日はグループのパブリックイメージ“笑わないアイドル”に添うような、“ザ・欅坂46”といった楽曲で固められていた。その中でもハイライトは菅井友香(24)センターの13曲目「不協和音」、小林由依(20)センターで初日ラストの17曲目「黒い羊」だろう。

「不協和音」は“魔曲”とも呼ばれ、平手にとって消耗度が高く、ライブではアンコールなど最終盤に組み込まれてきた。しかしこの日のセットリストでは17曲中13曲目と、あくまで全体の流れの中で披露の時を迎えた。

 菅井は力強く放ったセリフ“僕は嫌だ”について、ライブ後に休みなく駆け付けたラジオ生放送で、曲の主人公としてではなく、キャプテンとして自らの等身大の叫びだったことを打ち明けた。「不協和音」のオリジナルストーリーに入り込み過ぎず、彼女なりの解釈で放ったからこそ可能となった「特別扱いはされていないがラスボス感溢れる不協和音」という、欅坂46にとっても会心のパフォーマンスとなった。

黒い羊はメンバーが“僕”=小林に寄り添う

 同じく平手にあて書きされ彼女を飲み込むほど絶望感あふれる「黒い羊」は、主人公“僕”=平手が厄介者としてメンバーに何度も突き飛ばされ、最後は孤独なまま1人取り残されたり、どこかへ消えて行くという演出がほとんどだった。今回のライブでは冒頭からメンバー全員が“僕”=小林を寄り添うように抱きしめ、最後は理解者の渡邉理佐(22)に手を取られ皆と同じ方向へ歩んでいく結末となった。

 驚きなのは、初日2時間弱、シングル表題曲は上記2曲に「サイレントマジョリティー」を含めたわずか3曲だけだったことだ。それでも物足りなさは全く感じさせない、名曲、名フォーマンスばかりで、あらためてカップリングやアルバム曲も含め、欅坂46楽曲の質の高さを思い知らされた。

 そんな初日“ザ・欅坂46”の平手代理センターには、前述の安定感ある1期生たちの他、2期生からは櫻坂46新センターとなる森田、未来のエース候補・最年少の山﨑天(15)が入った。もう1人の2期生エース格の田村保乃(21)らも含め、その鋭い眼差しは“欅坂46の眼”であり、この日のパフォーマンスは“平手のいた欅坂46”ではないが、間違いなく“欅坂46”そのものだった。

森田ひかる「10月のプール――」で存在感

 ラストライブ2日目は欅坂46の中でも爽やかなアイドルソングや明るくアップテンポなナンバーが続いた。初日、まぎれもなく“欅の眼”をしていたメンバーたちとは思えない可愛らしい表情から、彼女達の持つ表現の幅を見せつけられた。

 この日も多くの楽曲で1期生たちが平手代理センターを務める中、2期生の森田が1曲を代理センターとして、平手不参加だった「10月のプールに飛び込んだ」ではオリジナルセンターとして存在感を放った(その素晴らしさは以前の記事「Wの衝撃!平手パリコレ出演&欅坂46新センター候補森田の躍動」でも記した)。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


ヤムおんちゃん草吉はあんぱん代をきっちり集金。ジャムおじさんとは違う“先導”に期待膨らむ
 草吉(阿部サダヲ)のあんぱんを食べて、生きる力をもらった朝田家。羽多子(江口のりこ)は内職の仕事を始め、釜次(吉田鋼太...
桧山珠美 2025-04-07 17:20 エンタメ
「あんぱん」ウラの見所~初週からブチかまし!細部に神経が行き届いた作品だと印象付けた中園脚本
 結太郎(加瀬亮)があの世に旅立ち、悲しみに暮れる朝田家。しかし、のぶ(永瀬ゆずな)は一粒の涙も流さなかった。そんなのぶ...
桧山珠美 2025-04-05 06:00 エンタメ
“百戦錬磨”香川照之ゆえの提案「全6話、スイッチを仕込んでいます」【主演ドラマ『災』インタビュー】
「連続ドラマW 災」(WOWOW、6日22時スタート)は、湿り気を帯びた陰鬱な雰囲気とぞわりとする劇伴が感情を揺さぶる不...
朝ドラ「あんぱん」の描写に25年前の“名台詞”が…CA役だった松嶋菜々子の変わらぬ美貌はさすが過ぎる
 ある日、のぶ(永瀬ゆずな)は千尋(平山正剛)とシーソーに乗る嵩(木村優来)を見かけるが、千尋が軽くて動かない。そこでの...
桧山珠美 2025-04-02 17:20 エンタメ
「あんぱん」ヒロインの着物がオレンジ色の納得。ドキンちゃんのモデルゆえの演出
 昭和初期、家族の愛情をたっぷり受けて育った少女が高知の町中を勢いよく駆けていく。「ハチキンおのぶ」こと朝田のぶ(永瀬ゆ...
桧山珠美 2025-03-31 17:20 エンタメ
朝ドラ「あんぱん」男性俳優陣がめちゃ豪華! 赤楚衛二路線で大ブレーク必須な最注目の若手は?
 31日(月)から新しい朝ドラが始まります。その名も連続テレビ小説「あんぱん」。あの「アンパンマン」の作者やなせたかしと...
【おむすびにモヤっと】伏線をまき散らして放送終了、そしてモヤモヤが残った。結はとんでもなくヤベ~やつ?
 歩(仲里依紗)から詩(大島美優)を引き取ろうとするのは甘かったかもしれないと聞いた結(橋本環奈)は、仮定の話を気にして...
桧山珠美 2025-03-29 06:00 エンタメ
【写真特集】倖田來未の美し過ぎるバスト♡ギリギリショット5連発
【この写真の本文に戻る⇒】40代の倖田來未が《全盛期と変わってない》と話題に…20年前と同系ファッションでも、なぜ痛くな...
2025年「冬ドラマ」を調査! 独走状態の『ホットスポット』、疲れた大人世代に『御上先生』は難しかったか
 2025年1月よりスタートした冬ドラマ。惜しまれつつ最終回を迎えたドラマがあった一方で、期待されていたものの視聴率が振...
【おむすびにモヤっと】一瞬の表情で孤独をにじませる歩。最後の最後でヒロイン逆転!?
 結(橋本環奈)は大腸がんで入院している患者・丸尾(細川岳)を担当し、食欲不振の対応に苦慮する。  一方、歩(仲里...
桧山珠美 2025-03-26 17:20 エンタメ
【おむすびにモヤっと】最終週は最後の顔見世? 糸島移住“言い出しっぺ”の愛子さん台詞を深読みすると…
 福岡・糸島に移住することが決まった聖人(北村有起哉)と愛子(麻生久美子)。ヘアサロンヨネダを翔也(佐野勇斗)が継ぐこと...
桧山珠美 2025-03-24 17:20 エンタメ
【募集】冬ドラマの感想は?面白かった&ガッカリを教えて!『御上先生』『ホットスポット』『べらぼう』etc
 コクハクでは2025年冬ドラマを対象としたアンケートを実施します。1月よりスタートした冬ドラマ、「面白かった」作品や「...
刮目! STARTO所属“歌うま”な佐野晶哉、ジェシー、田中樹以上に目が離せないアーティストは?
 田原俊彦(64)に初孫が誕生しました。おめでとうございます。「NINJIN娘」のトシちゃんも今やおじいちゃん…なんだか...
【おむすびにモヤっと】懐かしの風見先輩降臨でも願わくば…最終週はナベベ×詩のご対面?
 結(橋本環奈)は栄養失調の少女・詩(大島美優)になんとか食べてもらおうとラーメンを出してみるが、結局手をつけない。 ...
桧山珠美 2025-03-24 13:58 エンタメ
timeleszは一般人も加入、菊池風磨が逆風の中でタイプロを仕掛けた納得の理由と予想される快進撃
 一大ムーブメントを巻き起こした新メンバー募集オーディション「timelesz project -AUDITION-」(...
こじらぶ 2025-03-22 06:00 エンタメ