大切にしてきたラジオ 久しぶりで緊張
今月8日、元欅坂46の長濱ねる(22)が「ACTION」(TBSラジオ、月曜~金曜15時30分~)に、平手友梨奈(19)が「TOKYO SPEAKEASY」(TOKYO FM、月曜~木曜深夜1時~)にそれぞれ生出演。長濱はクリープハイプのボーカルで小説家でもある尾崎世界観(35)と、平手はRADWINPSの野田洋次郎(35)とトークを繰り広げた。
欅坂46では平手はダークで孤高なセンター、長濱はキラキラ可愛らしく優等生といった真逆なイメージを持たれていたが、グループ結成当初にお互い最初に心を開き合い、「根底が一緒」で“ソウルメイト”のような関係にあった(「BUBUKA」2016年8月号、長濱インタビューより)。そして、今回のそれぞれのラジオ出演でも、世間からは意外と思われるような7つの共通点が見えてきた。
平手と長濱は欅坂46時代にそれぞれメインパーソナリティーを務めたり、レギュラーコーナーを持つなどラジオという媒体をとても大切にしてきた。だが今回は見知らぬ環境、年上で尊敬する男性アーティストとの対談、久しぶりのラジオ出演で双方ともに緊張を隠せない様子だった。
ラジオ出演自体は平手が欅坂46脱退後の今年3月、自身のレギュラーコーナーを卒業して以来の約半年ぶり、長濱は欅坂46卒業日の昨年7月末以来の約1年1カ月ぶり。自分たちがメインで進行を務めていた当時に比べると恐る恐る委縮した声色から会話がスタートし、徐々に慣れていったようだった。
“今の環境”から出たくてアイドルを目指す
長濱は尾崎から「アイドルになろうと思ったきっかけはなんだったんですか」と問われ、「今の環境から出たい」と思ったことがきっかけでオーディションを受けたと明かした。平手も全く同様のことを「ROCKIN'ON JAPAN」(2019年6月号)で語っている。どちらもキラキラしたアイドルになってチヤホヤされたかったわけではなく、地元から、その時の環境から飛び出したかったのだ。
見えない声に悩まされた
平手は野田との対談の中で「(ファン・世間一般から)プロ意識が無いとすごく言われた。(そういう声を)聞きたくなくても届いてきたりしちゃったので、そのときはやっぱり凄く悩んだりしてはいたんですけど」と明かした(これについては、「途中からプロ意識ってなんだろう? 人それぞれ違うんじゃないか? と思うことで気にしないようにしていた」とも語った)。
このことに限らず、平手は以前からネット上での誹謗中傷に苦しみながら、避けようとしてもどうしても目に付いてしまうことを打ち明けてきた。
一方、優等生のように見えた長濱も、人気者がゆえに小さな言動の揚げ足を取られ猛烈なバッシングに遭い続けた。自身の卒業イベントではファンへの手紙で感謝を述べつつも「見えない言葉に眠れないこともあった」とし、「人前に立つことから距離を取りたい」と一旦芸能界の仕事から身を引く趣旨を伝えていた。
壮絶な叩きに遭いながらもステージに上がる恐怖と闘い続けてきた2人は、互いに共感できるところも多いのではないだろうか。
できないことはできない
平手は今回の対談で「歌詞が自分とリンクしていないとなかなか表現が難しかった」と、その時の心情に合わない楽曲には入り込めないことを素直に認めていた。これまでに幾度かライブ構成自体に納得ができず、100%のパフォーマンスが出せなかったこともある。前述の「プロ意識」とは何かという問題にも通じることだが、自分に嘘をついてまでファンの期待に応えるよりは、納得していないことを正直に伝えたり、届けたいと思うことを120%の力で表現することが彼女にとっての「プロ意識」なのではないだろうか。
一方の長濱は「クランクイン!」(2020年9月8日配信)のインタビューで「最近ようやく『できないことはできない』と、素直に言える大切さを実感するようになった」と言い、「任せていただいたのに100%の力を出せないのは申し訳ないという気持ちからで、反面、自分でやると決めたからには精一杯打ち込もうと考えている」と仕事への責任感について語っていた。
実際、長濱は今年7月に芸能界復帰以降、自身が本当にやりたいことに絞って仕事を引き受けているように見える。欅坂46の宣伝隊長ともいわれ、グループ内外のあらゆる仕事を全方位にニコニコとこなして放電しきってしまった過去の経験も生かしつつ、平手の仕事に対する愚直なまでの「プロ意識」に感化された部分もあるかもしれない。
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