長谷川博己「アンチヒーロー」は「VIVANT」超えの予感…リアタイ視聴者も“考察班”も掴むヒットの仕掛け

更新日:2024-04-22 17:03
投稿日:2024-04-22 17:00
長谷川博己(C)日刊ゲンダイ
長谷川博己(C)日刊ゲンダイ

「光と影の使い方も凝っているなと思いましたね」(テレビ誌ライター)という声もある。14日にスタートした長谷川博己(47)主演のTBS日曜劇場「アンチヒーロー」。長谷川が“殺人犯をも無罪にしてしまう”ダークな弁護士を演じる完全オリジナルストーリーということ以外、ほとんど内容が明かされないまま迎えた初回の世帯視聴率は、11.5%の好発進だった(関東地区=ビデオリサーチ調べ)。

「偶然にも昨年7月期の日曜劇場『VIVANT』の初回と同じ数字です。やはり事前情報がないままスタートし、回を追うごとに“考察”が活発になり、視聴率も上げて大ヒットした。『アンチヒーロー』の初回は『VIVANT』よりも話の内容が掴みやすかったので、リアタイ視聴者を取り込みやすく、最終的には『VIVANT』が届かなかった20%超えもあるかもしれません」(前出のテレビ誌ライター)

 初回放送後、ネット上では《冒頭の長谷川博己の長ゼリフから圧巻だった》《テンポもいいし、続きが気になる理想的な第1話》《キャラクターも話の流れもわかりやすく、それでいて予定調和を感じさせない、司法を扱ったエンタメとして見ごたえあり》《長谷川博己の代表作になる予感》などなど、リアタイ視聴者からの評判も上々だ。

 同時に《主要な登場人物の名前に“色”が入っていて意味深》《ラスボスくさい検事の野村萬斎はラスボスではない》《堀田真由は中盤あたりで裏切りそう》……“考察班”の動きも活発になっている。

 テレビコラムニストの亀井徳明氏は「来週が待ち遠しくなる連続ドラマの魅力をなんとか視聴者に届けようという、作り手の思いや工夫が感じられた」と、こう続ける。

「あまり深く考えずにストーリー展開を追うリアタイ視聴者層と、あれこれ考察して楽しむ“考察班”の、最大公約数的なところを狙ったバランスが絶妙なんですよね。とっつきやすいけど、一筋縄ではいかないという感じ。第1話で長谷川さんとスマホでやり取りする女の子、獄中の緒形直人さんが出てきましたが、この2人が最後までカギになるのかな。ただ、タイトルからしてもっと主人公が憎らしい感じかなと思っていたのに、そうでもなかったのはちょっと残念。ダークな雰囲気を漂わせつつも、初回から“優しさ”や“正義”がチラチラ見えて、その要素はもうちょっと話が進んでからでもよかったのに、と……」

 番組公式サイトには《新たなヒーローがあなたの常識を覆す 逆転パラドックスエンターテインメント》とある。つまり、タイトルで“アンチ”をうたいながら、描くのは“ヒーローからのメッセージ”ということか。

 前出の亀井徳明氏は「そう言うと、木村拓哉さんが“型破りな検事”を演じた『HERO』(フジテレビ)が浮かんじゃいますよね。だったら『アンチヒーロー』の最終回は、木村さんは無理でも『HERO』で検事を演じた誰かがラスボスで出て対決するのを見てみたいと、ふと思いました。たぶんないですけど」と笑う。

 ながら見でも凝視でも楽しめる「アンチヒーロー」。25分拡大した第1話に続き、21日の第2話も15分拡大。「VIVANT」と同じプロデューサーがドラマファンに向ける仕掛けはどんなものになるのか?

エンタメ 新着一覧


“電撃婚”大谷翔平の心を射止めた妻はプロ中のプロ彼女。目標はダル夫婦?
 2月29日16時42分のことでした。NHKで衆院政治倫理審査会(政倫審)の中継を見ていたら、<大リーグ・大谷翔平選手 ...
【台湾ルポ】台湾人の祈り方「拜拜」が酔狂的でエキセントリックすぎる!
 日本からのアクセスも良く、週末や連休を利用して旅行が楽しめる海外として人気の「台湾」。台湾グルメを満喫したり、観光スポ...
2024-03-07 18:24 エンタメ
「買い物ブギ」圧巻のステージ!“キングカズ長男”覚醒、スズ子の虜に
 ワンマンショーに向けて稽古や衣装合わせが続く中、スズ子(趣里)は新しいマネージャーのタケシ(三浦獠太)の様子を見て不安...
桧山珠美 2024-03-01 14:30 エンタメ
タナケン「業界」発言に違和感 喜劇界でも演劇界でもないワードチョイス
 タナケン(生瀬勝久)が入院したと聞き、山下(近藤芳正)とスズ子(趣里)は、タナケンの見舞いに行くことにする。  ...
桧山珠美 2024-02-27 15:05 エンタメ
NHKさん、スーパー家政婦・大野さんのレシピ本出版のご予定は?
 大野(木野花)が家政婦としてスズ子(趣里)の家に来て半年、愛子(小野美音)はニンジンを食べられずにスズ子を困らせていた...
桧山珠美 2024-02-26 16:00 エンタメ
芦田愛菜が少し嫌いになりそう…「さよならマエストロ」本筋以外が楽しみ
 イケメンの息子はやっぱりイケメンです。TBS日曜劇場「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」を見ながら、確信...
恐るべし、大野さん! おてんば愛子を“瞬殺教育”、白い割烹着は信頼の証
 茨田りつ子(菊地凛子)の紹介で、大野晶子(木野花)がスズ子(趣里)の家政婦として働くことになる。  この日のスズ...
桧山珠美 2024-02-24 13:55 エンタメ
錦戸亮“主演抹消過去”もバネに復活!山ピー、平野ら民放地上波で続々躍動
 2月23日、「不適切にもほどがある!」(TBS系、以下「ふてほど」)に錦戸亮(39)がゲストで登場し、大反響を巻き起こ...
こじらぶ 2024-02-24 16:04 エンタメ
痛快すぎるりつ子のひと言、“眼鏡会計ババア”でざわつかせた女優登場!
 スズ子(趣里)は、羽鳥善一(草彅剛)に新曲にはブギの歌を書いてほしいとお願いする。  はじめは、ブギが続けば面白...
桧山珠美 2024-02-22 15:05 エンタメ
デカッ!急成長を遂げた2歳の愛子にびっくり、愛助さん似?
「東京ブギウギ」に続き、「ジャングル・ブギー」もヒットさせたスズ子(趣里)は、仕事に育児に大忙しの日々を送っている。 ...
桧山珠美 2024-02-19 17:00 エンタメ
「ふてほど」磯村隼斗の白ブリ姿がマッチ! 錦戸亮出演にアノ人も続く?
 あれからムッチ先輩の白ブリーフ姿が頭から離れません(笑)。ほどよく均整の取れたムッチ先輩の細マッチョな肉体に清潔感あふ...
中島健人まさかの大炎上 熱愛報道時の“友人の1人”発言が矛盾ではない訳
 Sexy Zoneからの卒業を発表している中島健人に熱愛スキャンダルが発覚し、彼の発言の矛盾を指摘する声が相次いでいま...
堺屋大地 2024-02-24 14:24 エンタメ
「キターーーー!」で思い出す目薬のCM、趣里の細体型が映えたヒョウ柄
 スズ子(趣里)は、タイ子(藤間爽子)と語り合う。夢を叶えたスズ子と、どん底にいる自分を比べると惨めで恥ずかしいというタ...
桧山珠美 2024-02-16 15:43 エンタメ
“昨日の敵は今日の友”というけれど…NHKさん、展開についていけません
 スズ子(趣里)は靴磨きの少年・達彦(蒼昴)に会いに行く。達彦にタイ子(藤間爽子)との思い出話をし、達彦からは、タイ子の...
桧山珠美 2024-02-15 16:25 エンタメ
偶然が過ぎる親友との再会、「やさぐれタイ子の8年間の謎」が気になる
 昭和23年、羽鳥善一(草彅剛)がスズ子(趣里)に送った「東京ブギウギ」は、明るいブギのリズムが人々の心をつかみ、空前の...
桧山珠美 2024-02-12 14:30 エンタメ
ムロツヨシは「男の顔は履歴書」を地で行く 伸びしろだらけのイケメン説
 先週のテレビはさながらムロツヨシ・ウィークでした。フジテレビ系「だれかtoなかい」、TBS系「日曜日の初耳学」「櫻井・...