主夫とは名ばかり…ヒモ夫に嫌悪感を抱いた30代女性のケース

並木まき ライター・エディター
更新日:2021-05-28 06:00
投稿日:2021-05-28 06:00
 長引くコロナ禍では、「コロナ離婚」と呼ばれる不測の離婚に至った夫婦も珍しくなくなっています。これまで水面下に問題を抱えていた男女ほど、コロナ禍によって問題があぶり出され、その結果として別々の道を歩む選択を迎えているのも現実です。
 魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とするメンタル心理カウンセラーの並木まきが、コロナ離婚を経験した人たちにその実態を聞くこの連載。今回は、結婚からわずか2年で終止符を打った30代女性のコロナ離婚に迫ります。

コロナ禍で見えた夫の本性

 Uさんは、30代後半のバリキャリ女性。コロナ禍でテレワークになり、基本的には出社不要な毎日が続いています。離婚した夫は5歳年下で、コロナ禍に入ってしばらくして仕事を失い「主夫」になりました。

「今思えば、もともとそんなに好きでもなかった男と結婚した自分がいけなかったと思います。

 だけど私は当時30代後半になったばかりで、そろそろ結婚しないとヤバイ!って本気で思っていました。

 だから、飲み会で知り合った元夫のEと結婚前提で交際をスタートさせ、いわゆるスピード婚とも言える展開で、交際半年を迎えたときに入籍したんです」

 身内だけの結婚式を海外リゾートで挙げ、コロナ禍に入るまでは「そこそこ順調」な結婚生活を送っていたと言うUさん。

 しかしコロナ禍になり、夫の本当の姿を知るにつれて嫌悪感しか生まれなかったと、ため息まじりに語ります。

家事もせず、ゲーム三昧のヒモ状態に

「ひとことで言うと、ヒモ体質!? それも三流のヒモですね。私はバリキャリだっていう自負もあるから、夫が主夫をやりたいなら、それはそれでオッケーなタイプなんですけど、元夫の場合は、単なるヒモ。

 コロナが拡大してきたとき、『怖いから、満員電車で通勤したくない』って理由だけで会社に行かなくなって事実上のクビになり、それからずっと家にいる生活でした。

 主夫なら家のことをしてくれたらいいものの、ただただゲームをして昼寝をしているだけ。料理や掃除も、口では『練習する』って言いながら、家庭に協力する雰囲気もゼロ。

 そんな夫を見ているうちに、だんだんと自分が情けなくなりましたし、夫に対して嫌悪感を覚えるようになりました」

「感染症が怖いから、家にいたい」という夫の気持ちを尊重したのに、それを踏みにじられた気になったと怒りを抱いているUさん。せめて家事を覚えようとする態度だけでも示してくれれば、結婚生活は壊れなかったんじゃないかと感じています。

「性格ですかね……。何度も話し合ったんですけど、改善はされませんでした。それどころか、私のテレワークのお給料で生活していることに『お前はいいよな。家で稼げるし』とかって言い出して、感謝の気持ちも感じられなかったです。

 パソコンがあれば家でできる求人とかも増えているし、そういうのをやれば?って勧めたんですけど、『俺にはスキルがない』って言って、やる気すら見せてもらえませんでした」

コロナがなければ離婚はしていなかったかも

 そうこうしているうちに限界を迎え、Uさんから離婚を切り出し、協議離婚が成立。離婚時には、少々多めの「新生活支度金」をUさんから元夫に渡す条件を出したので、話し合いはスムーズだったそうです。

「コロナがなかったら、どうなっていたのかって? うーん。多分、離婚していなかったとは思いますね。コロナ禍になって元夫と過ごす時間が増えたことで、相手の本性を知って『あ、違う』って思っちゃったから。

 離れている時間が多かった従来の生活なら、嫌悪感を抱くまで元夫をイヤになることはなかったかもです。

 一緒に過ごす時間が増えたぶん、愛を深められたらよかったんですけど、焦りで結婚したような関係だったから、乗り越えられなかったですね」

  ◇  ◇  ◇

 コロナ禍は、潜在的に存在していた男女の問題を、残酷とも言えるまでにあぶり出しています。異常事態でありながらも、ニューノーマルでもある今のご時世には、これまでとはまったく異なる男女模様も散見されます。コロナ禍によって、男女の恋愛観や結婚観も大きく揺らいでいるのが現実なのではないでしょうか。

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

ラブ 新着一覧


「熱い愛情表現がクセに…」脱いだら全身タトゥー!40代女性が“元ヤン男子”を手懐けた3つのコツ
 ヤンキーばかりが共同生活を送るNetflixの恋愛リアリティー番組『ラヴ上等』が大きな話題を呼んでいます。  マ...
内藤みか 2025-12-19 11:45 ラブ
「どちらも捨てられない」恋に溺れた男の苦渋の選択。恋人は“脳検査”まで…56歳が土下座に追い込まれた理由
 世の中、不倫の話題で持ちきりだ。2024年に実施された調査によると、既婚男性の約2人に1人、既婚女性の約3人に1人が婚...
蒼井凜花 2025-12-19 11:45 ラブ
6割の女性が「オープンマリッジ」にNo、でも1割は賛成! “円満成立”するためのカギは?
 最近、「オープンマリッジ」という言葉を耳にする機会が増えています。結婚していても、パートナー以外と恋愛をしてもよいとい...
恋バナ調査隊 2025-12-17 08:00 ラブ
う、羨ましい~! 2025年、最高の恋愛エピソード6選♡ 10歳年下彼と交際、推しの連絡先をゲット
 他人の恋の自慢話なんて聞きたくない! 羨ましくなるだけ! という領域を超え、他人の恋バナでいいから聞きたい! きゅんを...
恋バナ調査隊 2025-12-16 08:00 ラブ
【2025年】私史上最大の“恋愛”失敗談を大告白!貢ぎすぎて借金、既婚者に騙された…
 2025年、恋が実った幸せな人もいれば、失敗に終わってしまった人もいるでしょう。今回は後者のエピソードを募集しました。...
恋バナ調査隊 2025-12-15 08:00 ラブ
「無駄が多すぎる!」だらしない妻に限界寸前の38歳夫。つけっぱなし、出しっぱなし…貯まらないお金にため息
「冷酷と激情のあいだvol.276〜女性編〜」では、日々の出費に細かく指示を出す夫が、その裏では自分だけマッサージやサプ...
並木まき 2025-12-13 11:45 ラブ
「夫の節約は間違ってる!」“おつとめ品”は買いたくない39歳パート妻の不満。働いているのは何のため?
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2025-12-13 11:45 ラブ
「ホテル集合で」って舐めてんの? クリぼっち女の心をエグるLINE3つ。父の優しさが逆にツラい!
 恋人がほしいシングル女子にとってのクリスマスは、独り身を強く実感する日ではないでしょうか? そうした中こんなLINEが...
恋バナ調査隊 2025-12-13 08:00 ラブ
「女の“賞味期限”が気になって…」幸せな一夜が地獄へ。37歳女性を襲った“残酷すぎる”言葉
 世の中、不倫の話題で持ちきりだ。2024年に実施された調査によると、既婚男性の約2人に1人、既婚女性の約3人に1人が婚...
蒼井凜花 2025-12-12 13:21 ラブ
不安なのはわかるけど!恋愛でやっちまう悪い癖4つ。ネトストでプチ探偵化、スマホチェックは止められない
 悪気はないけど、後で思い返して自己嫌悪になるような“恋愛の悪い癖”。今回はそんな「無意識にやってしまう恋愛のこじらせ行...
恋バナ調査隊 2025-12-12 08:00 ラブ
妹が原因で“2回連続”破談に…。もう結婚は諦めるべき?(34歳、会社員)
 私は最近、彼氏と別れました。理由は私の家族です。私の妹は身体が不自由で病院にもかかっています。しかし、障害者雇用をして...
植草美幸 2025-12-11 11:45 ラブ
「お母さんに会いたい」イブの夜、SNSでの切ない願い。ぼっち女性の“自虐”投稿が生んだ小さな奇跡
 今年もクリスマスが近づいてきました。一緒に過ごす人がいない、と寂しく思っている人のために、ギリギリセーフで素敵な聖夜を...
内藤みか 2025-12-11 11:45 ラブ
なんであの子が!? 高収入男性が「最後に選ぶ女性」意外な4つの共通点。女子力はもう古い?
「絶世の美人というわけでもないのに、なぜ彼女が玉の輿に?」と思ったことはありませんか? 周囲でリサーチを行ったところ、“...
恋バナ調査隊 2025-12-11 08:00 ラブ
トホホ…全部ハズレ!喜ばれなかったプレゼント6選。ブレスレットで夫婦の危機、食料品は“オカンみたい”って!?
 男性に刺さるプレゼントを贈るのって難しいですよね。相手の好みを外してしまうだけならまだしも、場合によっては「もらっても...
恋バナ調査隊 2025-12-10 08:00 ラブ
「とりあえず付き合う」は古い? 恋愛経験ゼロの20代が増えた現代、私たちが見直すべき“たった一つ”のこと
 恋愛未経験の若者が増えているのに、社会だけが“古い常識”のまま止まってはいないだろうか。「まだ?」という何気ない一言が...
おがわん 2025-12-09 11:45 ラブ
プレゼントは自作ラブソング!? 心底がっかりした「クリスマス」事件簿5つ。元カノとLINEはやめてくれ…
 彼氏との素敵な思い出として、クリスマスを思い浮かべる女性もいるでしょう。しかし、その逆パターンもあるもの。「がっかりし...
恋バナ調査隊 2025-12-09 08:00 ラブ