キタノ映画「キッズ・リターン」で鮮烈デビュー
「マーちゃん、俺たちもう終わっちゃったのかな?」
「バカヤロー、まだ始まっちゃいねえよ」
北野武監督映画「キッズ・リターン」(1996年)ラストシーンの主人公、落ちこぼれ高校生マサルとシンジの台詞です。
私、これまでに見た映画やドラマでいいなあと思った台詞を密かに書き溜めているのですが、これはその中でもかなりお気に入りの台詞です。うまくいかなかったり、落ち込んだりした時、この台詞を想い出し、「まだ始まっちゃいねえよ」とマーちゃん口調で呟いてみたり……。
マサルを演じていたのは金子賢(45)。昨今はすっかり総合格闘技やボディビルダー、筋肉キレッキレのイメージしかありませんが、そこそこいい俳優さんだったのにもったいない。
安藤政信に惹かれてしまうのは自然の摂理…
ま、去る(マサル)もの追わずということで、注目はシンジ。「シンジ、エヴァに乗れ」(byハリウッドザコシショウ版碇ゲンドウ)のシンジではなく、こちらのシンジを演じていたのが、何を隠そう(別に隠してないけど)安藤政信(46)なのでした。
で、見た目ヤンチャな金子も悪くはないのですが、イケメン好きとしては甘いルックスの安藤に惹かれてしまうのは自然の摂理でしょう。安藤はシンジで数々の映画賞を総ナメにし、輝かしいデビューとなりました。
「金魚妻」でのDV夫も嫌いになれない…
あれから26年ーー。あの高校生がいまや美容サロン「hiraga TOKYO」の経営者。しかも住まいはタワマンの最上階。妻の誕生日にはタワマンのラウンジで高層階の住民を招いて盛大なパーティを開く愛妻家。金も名誉も地位もすべて彼のもとに集まる絵に描いたような成功者です。
ところが、裏の顔はといえば、妻を支配するDV夫で、タワマンの奥様や美容室の従業員まで、複数の女性と関係をもつ、とんでもない野郎なのでした。
でもね。嫌いにはなれないのですよ。だってイケメンなんだもん。甘いルックスは変わらず、それに渋みが増してなかなかよい塩梅です。
ちなみに、これ。NETFLIXで配信中の「金魚妻」の話です。やたらとおススメされてしまうので、見てみたらそういうことになっていました(編注:記事内にはドラマに関する多少のネタバレを含みます)。
篠原涼子のDV夫役
主人公は安藤演じる平賀卓弥の妻さくら(篠原涼子)です。夫の仕打ちに耐えかねて、タワマンの最上階妻というステイタスを捨て、金魚屋の年下男・春斗(岩田剛典)と恋に落ちる物語です。それをメインにサイドストーリーとして、タワマン妻たちの物語が進行します。
うちの近くにもタワマンがそびえ建っていて、高そうなワンちゃんを散歩させるセレブ妻を見かけますが、あの人たちもきっと不倫してるに違いない……。そう思わずにはいられない、そんなお話です。
引き締まったボディに眼福×3!
コンプライアンスっていうんですか、そのせいで地上波ドラマではすっかり見られなくなった濡れ場シーンも満載。あの頃のテレビはよかったなあと、「失楽園」の川島なお美と古谷一行の絡みを想い出してしまいました。「いやあ、官能って本当にいいもんですね」(水野晴郎口調で)。
「金魚妻」で多くのベッドシーンを担っているのが、安藤政信で、それはもうカラダを張っています。さすが、ボクシング(これは「キッズ・リターン」の話)をやっていただけのことはある。引き締まったボディに眼福×3を差し上げます。女性が露出少なめなぶん、カラダを張ってくれているのはありがたいことです。
妻が自分の元を去り、仕事も下半身も制御不能。DV夫からED夫になってしまうのも、ほかの俳優なら因果応報、ザマーミロなのですが、そうは言えません。イケメンだから。
というわけで、「金魚妻」でリターン・イケメン安藤政信を堪能すべし、というのが今回の結論でした。
【安藤政信(あんどう・まさのぶ)】
☆1975年5月19日生まれ。神奈川出身。O型牡牛座のブレない男。
☆22年1月期ドラマ「ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○」(フジテレビ系)ではラスボス感をプンプン漂わせている。
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