幻だったの? どうしようもない孤独に涙が
――続けてください。
「実家に帰宅した後、私は両親に何事もなかったようにふるまい、そして、客間に用意されていた布団にもぐり込むと、声を殺して泣きました。
先ほどまで彼と獣のようにまぐわっていたことなど、幻だったのかと思えるほど、どうしようもない孤独がこみ上げてきて……」
一方通行の恋だったら…切ない思いに苦悩する日々
――K君との連絡先の交換は……?
「はい……別れ際、彼とはLINEの交換をしましたが、正直『彼と抱き合うことは二度とないだろう』と、ぼんやりと感じました。
根拠はありませんが、女の勘というか……彼はこの広大な北海道で家族と暮らし、私も東京に戻って夫と娘とともに『良き妻、良き母』を演じながら生きていくんだと思うと、悲しくなりましたね。
夫も子供もいるのに何を贅沢な! とお怒りになる方もいると思いますが、人には人の数だけ悩みや苦しみがあるのだとしみじみ感じました。
一方通行の恋だったら、これほど切なく苦しい思いをせずに済んだはずです。
でも、私は知ってしまった。
K君に抱かれる幸せと、すっかり開発されてしまった体を持て余し、これから何十年も生きていくかと思うと恐ろしくなってしまって……まるで、禁断の果実を食べてしまったアダムとイブを思いました」
――知ってしまったがために、後戻りできないことってありますよね。
「はい……こうしている今もK君との一夜が忘れられず、息苦しいほどです。
LINEをしようかどうしようか迷っているうちにあっという間に時間が経って……もう彼の心には私の存在などないのでしょうね」
思いがけないLINE…嬉しいはずなのに
――E子さんからスマホに連絡があったのは、取材から1カ月後だ。
思いがけなくK君からLINEが来たという。
――彼から連絡が?
「はい、8月に仕事で3日間ほど上京するから、可能なら逢えないか? というものでした。もちろんOKしました。彼とまた目くるめく時間を過ごすことができるのかもと思うと、今からドキドキして……」
――それは嬉しいですね。
「はい、嬉しくて……でも、どこか怖くて……」
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