高校時代のトラウマ、姉の笑顔に恋人は…
――続けてください。
「恋愛はそこそこしました。高校時代から彼もいたし、短大時代、モデルの時も『遊び相手』には事欠かなかったかしら。というのも、私は『この人』と思ったら積極的にアタックするので(笑)。
でも、大きなトラウマがあるんです。
高校時代、初めての彼を実家に招いたんです。ちょうど実家の両親は親戚宅に泊まりでしたし、親密になるには最高のタイミングだと思って。
でも、思わぬハプニングがあったんです。
玄関先で、当時、音大生だった姉と鉢合わせたんです。
姉が、『いらっしゃいませ、H子の姉です』と彼に優美な笑みを向けたんですね。
とっさに彼を見ると、みるみる頬を赤らめて、ぼーっと見とれていたんですよ。それだけでもショックなのに、外出しようと家をあとにする姉の後ろ姿をあからさまに振り向いて見入ってしまって――。
私の困惑など気にかける様子もなく、開口一番、『キレイで清楚なお姉さんだね』ですって。失礼しちゃうと思った瞬間、恋心が一気に冷めましたね。
このあと、家で楽しむはずが、『ごめん、急に頭が痛くなったから、今日は帰って』と、冷たく帰しちゃいました。
どうして姉妹に? 姉の優しさと正義感にまた追い詰められ
私も子供だったんですが、彼が姉に心奪われていると思うと、無性に腹が立って……でも、そんな彼以上に姉を憎みましたね。
いや、憎むという表現は違うかな。どうして、姉妹に生まれちゃったんだろうという気持ちのほうが大きかった。
と言うのも、幼いころから比較される私がいじけた顔をするたび、姉は両親や親せきに『H子ちゃんだって、頑張ってるよ』『H子ちゃんを叱らないで』って、守ってくれたんです。
ええ、姉は心優しく、正義感が強いんです。
だから、よけい始末が悪い。姉が性格の悪い美人だったらどれほど楽だったかしれません。でも、姉が私を守る言動をするたび、周囲はさらに姉の優しさを褒め、両親も『H子も、お姉ちゃんを見習いなさい』と激励のつもりでしょうが、私は責められているようでした。
親の愛情を受けなかったわけじゃありませんが、やはり、苦しかったですね」
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