お酒に合うよう鷹の爪を入れて
分厚い油揚げがたっぷりとツユを吸っています。具はもちろんですが、このちょっとピリ辛なツユが実はお酒のアテになります。温かいツユには辛口の冷酒がちょうどいいんです。
「福井の油揚げは独特で、分厚いのが特徴です。地鶏の福地鶏を使いましたが、スーパーで売っている鶏肉でも構いません」
車麩(くるまぶ)は福井名物ではなく東北地方のもの。
「炊くことで素材が味を吸い、味を出していきます。だから白だしだけで十分です。お酒のつまみならばこれぐらい味が濃くてもいいです」
野菜や鶏のだしがまろやかに出ています。
「ちょっとおでんぽいですが、関東風おでんとの違いは昆布がそんなに効いていないところ。これは煮物なので炊き込んで味をつけていきます。お酒のつまみに合うように鷹の爪を入れました」
関東風おでんでもカラシをつけますが、ピリ辛はおつまみの王道なのです。
【材料】
・車麩(乾燥) 3個
・油揚げ 4分の1
・鶏もも肉 150グラム
・マイタケ 1パック
・鷹の爪 3本
・ダイコン 20グラム
・ニンジン 20グラム
・小松菜 茹でて30グラム(2束)
・白だし 100㏄
・水 100㏄
【レシピ】
(1)車麩を水につけて1時間ほど戻す。戻ったら水を絞る。
(2)油揚げは茹でこぼして油抜きをする。
(3)マイタケを適当に割き、ダイコン、ニンジンは乱切りに。
(4)小松菜をそのまま茹でる。
(5)鶏もも肉は皮目を下にしてフライパンで焦げるまで焼く。焦げが大事。
(6)焦げ目がついたら裏返して火を止め10分間放置。余熱を入れたあと、8等分に切る。
(7)白だしと水を鍋に張り、下ごしらえしたすべての材料を入れて3~5分ほど強火で炊く。
(8)器に盛って出来上がり。
本日のダンツマ達人…長内宝生さん
▽長内宝生(おさない・ほうせい)
1983年、熊本県生まれ。高校卒業後に上京し、なだ万で5年間修業。四谷荒木町・鈴なりの立ち上げに関わり、浦和の高砂、パークホテル東京の花山椒などの懐石料理、牡蠣専門店などで日本料理の経験を重ね、九頭龍蕎麦3店の料理長に。
▽九頭龍蕎麦本店
飯田橋駅から神楽坂を上り徒歩5分。大根おろしをのせて汁をかけて食べる名物・越前おろし蕎麦と郷土料理のお店。福井が位置する北緯36度地帯は蕎麦栽培に適しており、玄蕎麦の希少な在来種がある。塩ウニやへしこ、味噌豆腐など福井のこだわり料理や地酒が豊富。越前おろし蕎麦を広めた老舗「うるしや」(福井県越前市)を買い取り復活させ、田町店も開業した。
東京都新宿区神楽坂3-3
(日刊ゲンダイ2020年9月11日付記事を再編集)
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