夢みたいな新婚生活に落ちた黒い影… 志穂さんのケース#1

神田つばき 作家・コラムニスト
更新日:2019-07-05 19:31
投稿日:2019-06-26 06:00
「あれって結婚だったのかなと、今でもよくわかりません。ただ、当時の日常を思い出すとムカムカして、吐いてしまうこともあるんです…」同業のフリーライター・志穂さん(30代・仮名)から、「モラハラ男、読んでいます」と連絡があり二人で飲みに行くことに。志穂さんに離婚歴があることは知っていましたが、このとき初めて彼女の結婚時代の話を聞いたのです。

息子以上に嫁が可愛いと言う姑のバックアップでスピード婚

実の母娘のように仲のいい関係だった(写真:iStock)
実の母娘のように仲のいい関係だった (写真:iStock)

郊外の1Rから高級住宅街の3DKへ

 地方出身の志穂さん(当時30歳)は、奨学金を返済しながら政治経済のライターとして活躍していました。ビジネス誌の経営者インタビューに行った志穂さんは、取材相手の勇太さん(当時33歳・仮名)と意気投合し食事に誘われました。

 わずか3ヶ月で二人は婚約し、半年後に挙式。そんなに早く結婚の話が進んだのは、勇太さんの母親が志穂さんを気に入ったからでした。

「都心まで1時間以上もかかるワンルームに住んでいるなんて、志穂さんがかわいそう。早く結婚して二人で住みなさい」

 お義母さんの後押しで、婚約と同時に、世田谷の実家近くの3DKマンションに住むことになったのです。

実の親以上に親身に助けてくれる義母

「お袋は息子じゃなくて、女の子がほしかったんだよな」

「そうよ、男の子には興味ないの。志穂さん、うちはマザコンじゃないから安心してね。娘ができて嬉しくてしかたないわ」

 その言葉どおり、勇太さんの母親は志穂さんを可愛がり、自分の服や化粧品を買うときは必ず志穂さんのものも買ってくれるほど、実の母娘のようでした。

 志穂さんの実家は山陰地方で、両親にはなかなか会えません。

「家事から親戚づきあいまで、何もかも世田谷のお義母さんに教えてもらい、歌舞伎やホテルランチにも連れて行ってもらいました」

 異変が起きたのは結婚式から半年後、志穂さんが最初の里帰りから戻ったときのことでした。

淋しさに耐えてきた姑と夫の間に入って

 実家へのお土産まで持たされての里帰りだったのに、婚家で待っていたのは不機嫌そうなお義母さんの視線でした。

「なんだか、いやねえ。お茶の入れ方や言葉使いまで実家風になっちゃって。あなたの家はここなのよ?」

 お義母さんが何に対して怒っているのかわからず、困った志穂さんは彼に理由を聞きました。

「淋しかっただけじゃない?里帰りはほどほどで切り上げてくれよな。志穂がいないと俺に干渉してきてイヤなんだよ」

 勇太さんのお義父さんは若いころから海外赴任が多く、お義母さんはいつも淋しい思いを強いられていました。愛する夫とお義母さんの関係が楽になるのなら、と志穂さんはますますお義母さんと親しくするように心がけたのです。

人もうらやむ幸せな結婚生活に突如落ちてきた黒い影

不倫相手からの卑猥なLINEに愕然(写真:iStock)
不倫相手からの卑猥なLINEに愕然 (写真:iStock)

夫のスマホ画面に流れ続ける浮気の証拠

「結婚生活がおかしくなったのは、夫の不倫がきっかけでした。結婚して半年ほど経ったある日、夫はスマホを忘れて出勤したんです」

 何度も着信バイブが鳴るので画面を見ると、ロックはかかっているけれど、同じ人からのLINE通知が次々と届いている最中。志穂さんの目に飛び込んできたのは、卑猥な言葉の羅列でした。

「『スゴイ下着つけてきちゃった』とか『恥ずかしいこと、いっぱいしたい』とか。極めつけは『勇太さんのおち○ちんの奴隷です』と……心臓がバクバクして、手に持っているスマホが汚染されているみたいに感じ、床に落としてしまいました」

 ショックで家事もライター仕事も手につかないまま一日が過ぎました。帰宅した夫は、朝の食器も洗わずにソファに座っている志穂さんと床に落ちたスマホを目にし、何が起きたかを察したようでした。

 おもむろにスマホを拾った夫は志穂さんの顔をのぞき込みます。志穂さんの背筋に緊張が走りました。

(次回に続きます)

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