下着のお洒落は死の緊張感?
子どもの頃、母親に「外出した先で事故にあったりしたときに下着が汚いと恥ずかしいから、常に下着はきれいな物を身に着けろ」と言われたので、オレが着用しているのはエブリディ“勝負下着”なんだ。
──とは言っても勝負する気はないんですもんね(笑)。でも素敵ですね。
母親の遺言を守ってるんだよね……ってまだ生きてるんだけど。(在宅での介護を経て現在は施設に→詳しくは前回の記事にて)
やっぱり下着がお洒落じゃない奴は、「きょう死ぬかもしれない」って緊張感がないと思うんだよ。
フランスの作家のジョルジョ・バタイユが著書で述べているように、「死」と「エロティシズム」は直結している。つまり「死を意識している人」こそが最高にセクシーな存在なんだ。
映画の中のトム・クルーズが魅力的なのは、命懸けのスタントを自身でやっているからだし、極道の方々に色気があるのも、つねに自分が死ぬことを覚悟しているからじゃないかな。
きっと、毛皮やレザーのファッションに色気を感じるのだって、それらが「動物の死骸」だから。そもそも革ジャン自体、戦闘機のパイロットのために作られたのが始まりらしいから、それこそ強烈な「死の匂い」がムンムン……。
んっ? もしかして、レースの下着と革ジャンどちらも愛用しているオレって最高にセクシーなんじゃ!? 常に股間は濡れているしね。
──加齢による尿漏れでしょうか。早めに泌尿器科を受診してくださいね。
え~っと、鋭い指摘(?)があったのでまとめに入ります。
お店を訪れて感じたのは、男性の下着も日々進化してるとはいえ、女性向けの圧倒的なバリエーションの豊富さに比べたら、まだ発展途上だということ。
攻めたデザインが増えているのは確かなんだけど、やっぱり白とか黒とかベーシックな色が多くて全体的にジミなのよ。個人的にはもっとカラバリを増やしてもらって、さらに柄モノの展開なんかあると気分が上がるよね。ロックTシャツみたいな主張の激しいデザインの下着もあったらいいな。
見えないところにこだわる男性も増えているし、伸びしろのあるマーケットだから、こういうところにビジネスチャンスがありそうだよね。まだ手を出してない下着メーカーの皆さん、DOなのYO!! それでは次回も楽しみに。
(聞き手・箕浦恵理/コクハク編集部)
【プロ童貞のつぶやき(おまけトーク)】
今回は下着に関する書籍を紹介。アーティストの秋山あいさんの「パンティオロジー」(集英社インターナショナル)です。
いろいろな国籍、年齢、職業を持つ33人の女性の「お気に入りのパンティ」をドローイングとテキストでまとめた現代アートな1冊。今の社会や文化を「下着を観察する」という行為を通して考察した学術的な本でもあります。童貞戦線、本日も異状なし。
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