マナーとして知っておきたいこと
コロナ禍を経て、葬儀の概念が様変わりし、「家族葬」という名のミニマム式がめっきり多くなりました。葬儀に参列できない故人の知り合いが花をお届けするケースが増え、ますますご遺族の元に花が集まりやすい事態に突入しております。
切り花であっても、胡蝶蘭鉢であっても、差し上げるご予算はマナーとして、
・枕花や御霊前…香典ありは3000~5000円程度、香典なしは5000円~1万円程度
・ご葬儀…1万5000円~3万円程度
と、覚えていただければよろしいかと。
切り花も胡蝶蘭も、包装のリボンは一重で、白やグレー、紫など、簡単なラッピングでOK。花の色は白や淡い黄色、枕花には移動も考えて小さめの花や鉢で、ご葬儀には大きめの胡蝶蘭でも対応可能です。
表札や故人の名前は必要?
花に付ける表札は極力お付けになった方がいいかと思います。「持参するからいらない」と仰る方もいますが、いただいた側は数の多さや忙しさで、“どなたから?”なんて忘れてしまうのが大前提。
忘れちゃうのは仕方ないね、だからわかりやすく、と思うことがお相手への優しさだと思ってくださいませ。
落ち着いてからのお礼状などの手配にも、名札は必要。お祝いではないので、表札に故人の名前は必要ございません。差し上げる方の名前、会社名や役職も表記したら十分でございます。
旅立つ故人の幸せを願う
今年は暑い夏だったせいか、一日中「お悔やみの花しか作らない」というのが多くございました。それに比例し、お悔やみに胡蝶蘭の鉢物をチョイスなさる方も多いように感じます。
日持ちよく、手間もかからず、トゲもない。花言葉「幸福が飛んでくる」は、遺された者があの世へ旅立つ故人に願う「あの世で幸せ」でもございます。
胡蝶蘭はお祝いに使われるだけでなく、遺された者・旅立つ者へ心の幸せを届けるお花なのかな、とラッピングをするたび感じるワタクシでございます。
格別に暑かった今夏。まだまだ名残が残る9月ですが、身近な方を亡くしたアナタの心の平穏をお花が届けてくれますことを……遠いお空の向こうでお祈りしておりますよ~。
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