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女性の敬称を表す英単語
「ことば」は年代によっても捉え方が違ったり、新しい意味の方が主流になっている状況を紹介してきました。
ウン十年前に学んだときはそのことば自体がなかったのに、いまや当たり前に使われているものもありますよね。今回は、英語で女性の敬称を表すことばをみてみましょう。
英語の授業で習った、女性を敬称することばといえば…
□Miss(ミス)…未婚の女性の敬称。ミス・コンテストの優勝者を指すケースも。
□Mrs.(ミセス)…既婚の女性のこと。
□Ms.(ミズ)…未婚、既婚を問わず、女性の敬称。女性解放運動から生まれてきた造語。特にキャリアウーマンに好まれる。
(参照:「日常の類似語使い分け辞典(第1版)」)
ノンバイナリーとXジェンダー
婚姻の有無にかかわらない「ミズ」はすっかり定着していますが、性自認が男性や女といった、いわゆる男女の典型的な二分論(バイナリー)に当てはまらない人を総称する呼び方「ノンバイナリー」をご存じでしょうか。日本では「Xジェンダー」ともいわれているようです。
2021年に、歌手の宇多田ヒカルさんが、自分はノンバイナリーだと告白し話題になりました。また、英歌手のサム・スミスさんや、ネットフリックスのリアリティー番組「クィア・アイ」で人気のジョナサン・ヴァン・ネスさんがノンバイナリーだと公表しています。
その際の敬称は「Mx.(ミクス)」や「X」と表記される場合があり、米カリフォルニア州では2019年から運転免許証や身分証明書などで、ノンバイナリーを自分の性別として選択できる法律が施行されています。
パスポートなどで法的にノンバイナリーを選べる国は、カナダ、ドイツ、インド、ネパール、バングラデシュ、パキスタン、オーストラリア、ニュージーランド、オーストリア、アイスランドなどなど。
日本では、2021年、厚労省が履歴書の「性別欄」に男女の選択肢を設けず、「記載は任意または未記載も可能」とする様式例を発表。文具メーカーのコクヨではその1年前の2020年から「性別欄」を削除した履歴書も販売しています。
学生のころに習ってなんとなーく使っていることばも、時代の変化によって変わり、もう世の中についていけないわ~、と嘆く前に、その変化の歴史に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
(日刊現代校閲/タダ美)
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