そんなえりのボスのもとにはウワサを聞きつけ、彼氏との性交渉に悩みを抱えた女性が、ふらりと立ち寄ったようですよ。もしかしたら彼氏はEDかも…⁉
1. ED(勃起不全・勃起障害)とは
今回のご相談は、夏希さん(35歳/仮名)からです。
「最近、彼とはうまくいってるの?」
なんだか浮かない顔をしている夏希さんに、えりのボスが尋ねました。
「それが、ここ1カ月くらい彼とSEXできていないんです。なんか勃たないみたいで」
「ええ? どうしたのかしらね?」
えりのボスも心配になってきました。
「とくにどこかが悪いっていう感じじゃないんですけど、何が原因なのかよくわからなくて。私に魅力を感じなくなっちゃったのかなぁ」
夏希さんは、不安で今にも泣き出しそうです。
「それ、もしかしたらEDかもしれないわよ」
さらに泣き出しそうな顔になる夏希さん。
これは放っておけません!
1-1. EDのメカニズム
「EDってなんですか?」
「EDっていうのは、勃起不全とか勃起障害のことよ。それを説明するには、まずどうやって勃起するのかっていうメカニズムを知ることが必要ね」
「ええ、実はよく知らないんです。教えてください!」
えりのボスは夏希さんに、EDについて説明を始めました。
「男の人の陰茎の中には、海綿体という血液をたくさん含んだスポンジのようなものがあるの。女性に性的な興奮を覚えると、この海綿体に血液が充満して固くなるのよ。これが勃起ね。
EDっていうのは、なんらかの原因で神経や血液がうまく働かなくなって、この海綿体が固くならない状態なのよ」
夏希さんは真剣に聞いています。
「EDの原因は、大きく分けて4つあるといわれてるの。1つだけじゃなくて、2つ以上の原因が組み合わさっていることもあるのよ。じゃあ、今からそれぞれの原因について説明していくわね」
「はい、お願いします!」
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1-2. EDの原因その①「器質性ED」
50代に多いといわれているのが、器質性EDです。神経や血管に問題があり、勃起できないあるいは勃起を維持できないという症状です。
神経に障害が起きると、脳から陰茎へ正しく信号が伝わらなくなり勃起できなくなります。たとえば、脳腫瘍やアルツハイマー病、パーキンソン病などに罹っている人は、EDにもなる可能性が高いということです。
また、高血圧や糖尿病などの血管の病気に罹患している人は、血管への負担が大きくなるため、動脈硬化を発症しやすくなります。動脈硬化で血管が固くなると陰茎の海綿体への血流が妨げられて、EDになりやすいといわれています。
1-3. EDの原因②「混合型ED」
一番多いのが混合型EDで、50~60代の中高年に多いといわれています。50代に多い脳疾患や動脈硬化などによる身体的な原因と、ストレスなどの心理的な原因が混在して、EDを引き起こしているのです。
ストレスにもさまざまなタイプがありますが、仕事や人間関係などの社会的なストレスだけでなく、パートナーとの関係にストレスを感じているものや、過去にSEXで失敗したことによるストレスなども原因となります。
こうした原因は、早ければ40代からみられるようになり、年齢が上がれば上がるほど増えていくことになります。
1-4. EDの原因③「薬剤性ED」
病気の治療薬のなかには、EDを引き起こす可能性のある薬剤というものがあり、これが原因のEDを薬剤性EDといいます。何の薬剤が原因になるのかは、日本性機能学会が監修している【ED診療ガイドライン】に記載されています。
降圧剤、精神神経薬やホルモン剤など、多くの薬剤がEDを引き起こす可能性があるといわれています。こうした薬剤を漢方薬に変えることによって、薬剤の影響が徐々に減っていき、EDが改善していく場合があります。
薬剤性EDの場合は、薬を減らしたり代替えしたりできるよう、主治医や薬剤師に相談してみましょう。
元々の疾患に影響が出てしまう可能性があるため、勝手に薬を止めないようにしてください。
1-5. EDの原因④「心因性ED」
30~40代に多いといわれているのが心因性EDです。仕事や人間関係が原因のストレスだけでなく、パートナーとのSEXでの失敗やプレッシャーによるトラウマが原因です。
心因性の場合には、軽度から重度まで、ストレスの度合いによってできることが変わってきます。こうしたストレスが軽減されればEDも改善してくるため、自分ひとりで悩まずにパートナーと一緒になって工夫をしてみることが大切です。
あまりストレスを感じていない場合でも、深層心理を調べてみると原因が見つかる場合があります。そのような場合には、病院でストレスチェックを受けてみましょう。心療治療が必要になるレベルのストレスが見つかるかもしれません。
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