【2024年人気記事】独占・いきなり“ヤリマン願望”宣言した漫画家のモヤモヤと裸への価値観

河合桃子 ライター、ジャーナリスト
更新日:2025-01-03 06:00
投稿日:2025-01-03 06:00
 あけましておめでとうございます。2024年は「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記事を再掲載します。こちらの記事初公開日は同年4月26日。年齢や固有名詞等は公開時のままとなります。
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ド直球すぎるタイトル、その作者の正体は?

 青年コミック誌「ビッグコミックスペリオール」(小学館)で連載されていた『ヤリマンになりたい。』。そのド直球すぎるタイトルを描いているのは初々しい女性でした。自身も「ヤリマンになりたい」と話す著者、まおいつかさんの独占インタビューです。

【インタビュー後編はこちら

ヤリマンになりたい。』の主人公は抑圧された環境から恋愛や性に奥手で、32歳までセカンドバージンだった市川もも。そこに楽しいセックスライフを過ごしている池田ひまわりが現れ、彼女の生き方は一転。「自分もヤリマンになって自由に生きたい」と考えるようになる成長ストーリーです。

 一見ギョッするようなタイトルの本作ですが、実は女性の「性の解放」「自己の解放」をテーマとした意欲作なのです。そんな漫画をまおいつかさんが描く理由とは。

「私、ヤリマンになりたいんですよね」

――第7回ヤングスペリオール新人賞佳作受賞後、初のデビュー作ですよね。この漫画の構想は元々あったのでしょうか?

 いえ、まったくありませんでした。編集担当さんから「“エロ”のジャンルで漫画を描いてみないか」というお話をいただいたことがきっかけです。エロとは無縁でこれまで過ごしてきた私はヤリマンという正反対の生き方に憧れがあったので、編集さんに「私、ヤリマンになりたいんですよね」と伝えたら「それで行こう!」となりまして(笑)。

――なぜヤリマンになりたいと思ったんですか?

 主人公のももほどじゃないですが、私もシングルの母に育てられ父の悪口をよく聞いていたので男性に対しどこか信用できない気持ちがあったんです。それが関係しているのか恋愛感情がそもそもよくわからず、付き合ってもすぐ別れちゃう。私に欠落したところがあるのかもってモヤモヤした思いもあって。

 そんななか、ヤリマンの友人を見ていると、とても軽やかで楽しく生きてるなって羨ましく感じることがあるんです。

 私はセックスに至るまでたくさんの工程が必要だと思っていたし、そもそも裸を見られるのが恥ずかしいからセックスするのに大変な精神力と労力がかかるんです。でも友人を始めとしたヤリマンの方々は、良いと思った男性と「とりあえずしてみるか!」とチャレンジする。そんな軽やかで自信のある姿勢に憧れたんですよね…。

――ももちゃんには、ご自身が投影されているんですね。

 そうなんです。ももが漫画の中で変わりたいと願うように、私の気持ちも漫画を書いて変わっていけたらいいなと思いました。

「エッチなんだね」の言葉にゾワッ…

――「恋愛感情がわからない」ということですが、これまでの交際経験は?

 20代のとき付き合った人が変わった人で…真面目でいい人そうという理由で付き合ったんですが、映画館デート中に、私の顔をジロジロ見てくるのが耐えられなくて。手の甲に水をぺちゃぺちゃ付けてくるし…「キモッ」って思っちゃったんですよ。

 せっかく付き合ったのに、気持ちの距離が縮まらず、友人に相談したら「お泊まりに行ってみれば?」とアドバイスを受けて。「家に行きたい」と伝えた私に、「いつかちゃんって、エッチなんだね」と返す彼にゾワ~ッと…。その後、すぐにお別れしました(笑)。

――その人はやや特殊なケースですね(笑)。

 その人はともかく、男性の容姿ではなく内面に惹かれるとか、心の底から湧き上がる「好きっ!」みたいな気持ちがわからない。だからこそ「この人とやりたい」みたいな感覚もわからなくて。ヤリマンの子たちは男性と楽しく関わっていて、セックス以外の部分でもヤリマンに興味があったんです。

――実際のヤリマンの方々に取材をして、作品に反映したと聞きました。

 はい、彼女たちの性に対する思いやエピソードを聞けたことは非常にいい勉強になりました。

 プライベートでも“ヤリマン道”を突き進むセクシー女優さんや、昼はOLしながら夜は裏垢女子として性的な遊びを楽しむ方とか。その方たちはみんな自分なりのポリシーと言葉を持っていました。ももの活動記録でありながら私もたくさん学ばせていただきました。

河合桃子
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ライター、ジャーナリスト
1977年生まれ、週刊誌を中心に執筆。大分県の椎茸農家から都内のハプニングバー摘発事件まで幅広く取材。ライフワークはママ友の家庭のいざこざや性愛事情を聞くこと。

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