保護猫ってなあに 譲渡条件がとても厳しい理由を知ってる?

コクリコ 編集者
更新日:2021-03-21 14:20
投稿日:2021-03-07 06:00

保護猫を飼ってよかったなと思うこと

 私が保護猫を飼うことになって1年半。見渡せば保護猫を飼っている人だらけです。自分が保護猫を飼い始めてから、周りがみんな保護猫を飼っているように錯覚してしまいます。インスタグラムでフォローする人も、買う本も、人との会話も保護猫の話になってしまっているからでしょうか。

 保護猫に限らず、猫はどの猫もみんなかわいいのですが、保護猫を飼ってよかったなと思うのは、ちょっとだけ社会の役に立った気持ちになれたときです。

 子を産み育むことでの社会貢献はできませんでしたが、野良猫を減らし、猫の殺処分を減らすためにほんのわずか協力できたかなと思っています。

アラフォーにして“猫なで声”を習得かっ!?

 猫を飼ってよかったと心から思っています。1日100回くらい、うちの猫のことをかわいいと思ってしまうし、スマホを開いて写真を眺めたり、ペットカメラでわが家の猫の様子をリアルタイムで観察したり。気持ち悪いねこおばさんになっている……! 猫なで声をどうやって出すのか、猫を飼ったらわかりました。

「猫には魔力がある」

 あるとき60代未亡人のお宅へ取材で伺ったのですが、その方も保護猫を飼っていたのです。「猫には魔力があるのよ。その魔力にとりつかれたら、どうやっても離れられないの」と話す未亡人さんの言葉を借りると、私はもう猫の魔力に取りつかれています。

 毎日のトイレの処理、夜鳴き、通院などお世話はそれなりにあって、気ままに旅行にも行けないし、面倒だなと思うときもあるのですが、猫がひざに乗っかってきたり、お布団に忍び込んできたら、その思いは忘却の彼方へ。

「かわいい」だけで人間から愛されている

 犬は盲導犬、警察犬、麻薬犬、狩猟犬、牧羊犬とさまざまな場面で人の役に立っているのに、猫はかわいいというだけでずっと人に愛されているんですよね。魔物です。

 今となっては猫おばさんの私ですが、飼う前は猫についてまるで知識がなく、友人たちが飼っている保護猫のこともよくわかっていませんでした。

 でも、実家の犬を買った17年前とは異なり、ペットショップでの生体販売はよしとされていないことはわかっていました。ですので、もし猫を飼うなら保護猫にしようと思い、ちょっと時間ができると保護猫の里親募集サイトをながめるようになりました。

保護猫の譲渡条件がとても厳しい理由

 ところが。保護猫の譲渡条件はとても厳しく、「一人暮らし・同棲カップルは禁止」「60歳以上の高齢者は禁止」「単身の男性はNG」や「留守番は4時間以内まで」「猫アレルギーがないこと」といったもので、そもそも条件的に私には無理だったのです。のちに知るところになるのですが、

・同棲カップルは別れる際に猫を引き取る、引き取らないでもめて保護団体に返されることがあること

・独身の女性の場合も、結婚や交際をする際にお相手に猫アレルギーがあるという理由で猫を返してくる人がいたということ

・完全室内飼育の猫は長いと20歳くらいまで生きることがあり、60歳を超えた高齢者は年齢的に猫より先に亡くなる可能性もあるということ

・子猫のうちは未熟で体調の変化が起こりやすく、また体力や好奇心にあふれているので留守中に思わぬ事故を引き起こすことがあるということ

コロナ禍が与える影響も…

 そして猫の好きな独身男性にはお気の毒ですが、猫の虐待のトラブルは男性が起こすことが多く、それを回避するために男性はNGということも多いのだそう。

 知人が保護団体に問い合わせところ、犯罪者のように扱われ、けんもほろろに断られたそうです。結果的に知人はペットショップで買ってしまったのですが……双方の思いがわかるので、苦しいです。

 そして、ここ1年では、コロナ禍で所得が下がったために猫を飼えなくなったと保護団体に返してくる人がいるそうです。所得についても今後は譲渡条件に含まれるかもしれませんね。

 ただ、譲渡条件が厳しい団体ほど1匹1匹を大切に思っているからこそなので、条件を安易に緩和できないことも今は理解しています。

 保護猫はもともと野良猫だったり、人によって遺棄された子猫だったり、飼っていた飼い主さんからなんらかの理由で飼育を放棄された猫。過酷な環境で育ってきたからこそ、幸せになってほしいという保護団体のお気持ちですね。

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


4割が「事故物件に住み続ける」と回答。それぞれの“ワケあり”事情とリアルな体験談
 夏といえば怪談。その中でも近年、特に目立って増えているのが「事故物件」をテーマにした話だ。  松原タニシの実話怪...
猫の「まなざし」に恋をした…“にゃんたま”には何が詰まっているの?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「お母さん、暇ー!」攻撃にヘトヘト…。夏休み、私は“宿題やる気スイッチ”をこれで押してます
 夏休みシーズン到来! お子さんの夏休みの過ごし方で悩む方も多いのでは。ことあるごとに「お母さん、暇ー」の訴えに、「暇な...
教師になってほしい有名人、第2位は天海祐希! 第1位は野球選手がランクイン。GTOやヤンクミは時代遅れ?
 ジブラルタ生命保険株式会社は、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校で働く教員2000名を対象に、アンケート「教員の意...
クッソ頑固な父親の「ひとりごと」が増えた謎。これは老化か、特性か?
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
「嫌だと言いたいの?」上司からの戦慄パワハラLINE6選。休日、早朝でもお構いなし…勘弁して~
 最近はプライベートだけでなく、仕事でもLINEを活用する会社が増えてきましたよね! しかし、今、ひそかに問題になってい...
アラフィフ独女、恋がしたくて何が悪い?「痛々しい」の声に振り回されないで
 アラフィフ独女ライターの私だって、恋をしたい。そんな思いがふと心に浮かんだのは、担当編集さんのおすすめで、Netfli...
これ言ってない? 自己肯定感が低い人、9つの口癖。「私なんか」「どうせ」はもう禁句にしよう
 あなたはありのままの自分を受け入れ、自分の存在を認めたり価値を感じたりできていますか? 自己肯定感が低いと、生きづらさ...
選ばれし“イケにゃん”2匹がご降臨!ゆくたまωくるたまω、2つの鐘にシャッターが止まらない♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ヒィッ! 職場で「敵にしてはいけない人」6つの特徴。シゴデキ人間に嫌われたら終わる…
 職場にはいろいろなタイプの人間が集まっているので、人間関係のトラブルはつきもの。そんななか「この人だけは絶対に敵に回し...
【女偏の難読地名クイズ】「姶良」って何て読む?(難易度★★★☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
実家で「1泊2食で1万円」はひどすぎん? 帰省して後悔した6つの切ない体験談
「盆休みに実家に帰省して楽しい時間を過ごそう」と考えていても、現実は“ガッカリ”が待っているかもしれません。今回は、実家...
「大阪芸大にピアノ科はない」ことが話題だが…“音楽はお金にならない”は本当か? 芸大卒の意外な稼ぎ口
 参議院選挙で注目を集める参政党の「さや」候補が、街頭演説で「大阪芸大でピアノ科の募集をしたら受験生ゼロ」と発言し物議を...
ま、眩しすぎる…“実家が太い人”6つの特徴「ミラコスタで結婚式なの」って言ってみたい!
「実家が太い」とは、親の経済的に余裕があり、金銭的にも精神的にもサポートを受けられることを意味する言葉。あなたの周りにも...
大変さをわかってよ~! 子持ち女性がモヤッとしたLINE集。無神経な発言しちゃってない?
 女性の交友関係は、結婚や出産を機に大きく変わっていくものです。特に大きな変化となるのが、出産。お互いに話題や興味関心の...
27歳女優が“猫”ブームに思うこと。保護猫活動を通して感じた「命」に対する決意
 配信ドラマ『全裸監督』やロングランヒットを記録した主演映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わ...