新しい門出と旅立ちを強力に応援する!春の花「フリージア」

斑目茂美 開運花師
更新日:2021-03-31 06:00
投稿日:2021-03-31 06:00

毎年一度だけやってくる無邪気な笑顔のお客様

「季節外れだということはわかっています」

 そう言いながら、愛する奥様のお誕生日のために「ある花」だけでまとめられた花束をご注文にやってくる男性のお客様がいらっしゃいました。

 鮮やかな黄色で無邪気な花姿、フルーツのような甘酸っぱい香りを放ちながらワクワクな季節の到来を告げてくれるその花の旬は“春”。ですが、そのお客様の奥様のお誕生日は、“初夏”でございます。

 遠距離トラックの運転手だというお客様。仕事が忙しく、ほとんど家には帰らないという彼は、毎年一度、奥様のお誕生日からはだいぶ早いこの花の本当の旬の時期に、奥様の大好きな花でまとめたこの花束の配達注文にご来店くださっておりました。

「お花屋さんお願い! 頑張って!」と、この花の仕入状況を何度も電話してくるお客様のお望みを叶えるため、猫店長「さぶ」率いる我が花屋は奔走し、毎年無事にご納品させていただいておりました。

 そんな毎年一度だけやってくるはずのこのお客様、ある年、いつもとは違う季節にご来店くださったのでございます。しかも、奥様に支えられてゲッソリととてもお痩せになったお姿で……。

ワタクシ 「あれ!お客様、時期が違うけど、どうしました?」
お客様  「今日はね、奥さんと墓参り行こうと思ってさ。お墓参りの花くれる?」
ワタクシ 「了解です。でもお客様、ごめんなさいね。ずいぶんお痩せになられたんで、ちょっとどなたかわからなかったわ」
お客様  「ちょっと病気してさ。それでだいぶ瘦せちゃったんだよね」

 そんな他愛無い世間話を、彼の奥様を交えてさせていただいたのを最後に、そのお客様はいらっしゃることはございませんでした。

 あれから随分経ちますが……ワタクシも大好きなこの黄色く無邪気なお花の香りを毎年嗅ぐたびに、あの優しく無邪気で人懐っこい笑顔のお客様を思い出すのでございます。

 ということで今回は、「強力パワーで応援します!旅立ちは フリージア」の解説でございます。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


夏の終わりはもうすぐか 去ろうとすると寂しくなる不思議
 早く過ごしやすい季節が来ないかと祈っていたけど、いざ夏が去ろうとすると寂しいもの。  自分は誰かの好意に気づかな...
看護婦さん? それとも看護士さん? 看護師さん??
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
おかずは最低3品!? うちの義母は連絡魔、LINEの通知来るたびにしんどい
 結婚するとほぼ漏れなくついてくるのが「義母問題」です。仲良くなれたら悩みはないのですが、そう簡単にうまくいくケースは少...
ほっこり読み切り漫画/第58回「サクラ鳴く」
【連載第58回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 生きものたち、...
KALDIサマサマ☆ALL500円以下! “プチプラ”ハロウィンおやつ5選
 暑い暑いと言っている間に、いつのまにか9月も終盤。秋の気配が色濃くなってきました。  となると、気になるのはハロウィ...
「卒業」ばりに花嫁略奪!事実は名画より奇なり、破天荒な友人がヤバすぎ
 破天荒とは、「誰もしなかった前代未聞の行動をする」ことを意味します。そして、世の中には、まさに「破天荒」の言葉にふさわ...
気づけば10年前のまま…大人のメイクは年単位で見直すべし!
 みなさんはぶっちゃけ、メイクの勉強をしていますか? 私はお恥ずかしながら、10代の時に雑誌を参考にして習得した以来、や...
夏空が秋にかぶさる風景 季節がバトンタッチする時期がきた
 夏空が秋にかぶさる。そうだ、あしたはもう「秋分の日」。  ここまでくると「いよいよ今年も後半戦」という感じがして...
気が付けば先輩社員の立場に…「職場で憧れられる存在」に5つの共通点
 仕事がバリバリできて見た目も完璧な女性は、職場の頼れる存在であり、憧れる存在でしょう。「私も少しは後輩から憧れられる女...
2023-09-21 06:00 ライフスタイル
妊娠5カ月、4畳のシェアハウスへの単身引越しに踏み切った話
 先日、夫の実家で親戚の子どもたちと上の子の5歳の誕生日を祝いながら、ふと「ってことは、自分も人の親という立場に置かれて...
「ほよよ顔」がたまらにゃい!プー太郎君の“たまたま”を激写
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
日持ち抜群「ジンジャー科のお花」の摩訶不思議、1週間過ぎても元気!
 ワタクシの大切なお花友達のAさんは、見た目は男性ですが、心は妄想が止まらない夢見る乙女。朝の精神統一は「花を触ること」...
ギャラ飲みは私の天職! 月収100万円、一度だけ恋人関係になった人も…
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
「必ず夢は叶う」は罪なアドバイス? どっちにしろ人生は続くのです
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
子育てワンオペ問題…親頼みのママにモヤモヤ、男性の育児休暇は必要?
 先日友人と、子育てについての話になりました。  私の仲の良い友人たちは、自分の子どもが乳児の時に、実家の協力が得...
おなら、誤爆、カビパン…40年生きてたら、恥ずかしい思い出ぐらいね
 生きていれば、誰にでも一つや二つの恥ずかしい思い出があるものですよね。時間が経って忘れた頃に、ふと思い出してしまうと、...