“母の日”にもらったカーネーション鉢を長持ちさせる6つの秘訣

斑目茂美 開運花師
更新日:2021-05-12 06:00
投稿日:2021-05-12 06:00
 毎年母の日が過ぎて1週間ほど経ったころ、花屋には電話やご来店などでご相談にやってくる方がポツポツいらっしゃいます。「花の名前がわからない」「長持ちさせるにはどうしたらいいの?」など、いずれもお母様がご家族からいただいた花を大切に思う内容でございますが、その中でも一番多いのが「カーネーション花鉢の管理方法」。

 大切なお子さん、ご主人様からせっかくいただいたお花を1日でも長く見ていたいと思うのは当然でございます。ワタクシ開運花師ではございますが、本業の花屋として、今回はそんなお悩みにお応えさせていただきたく存じます。

 ということで、今回は「間違いだらけのカーネーション鉢の管理」の解説でございます。

カーネーション鉢、本当は長期間楽しめます!アナタへのアドバイス

 母の日が1週間もすぎると、「すぐに萎(しお)れちゃうカーネーション鉢」についてのご相談が多くなってまいります。

 本来であれば、環境がよければ来年も楽しめるカーネーションの花鉢、現物を持ってご来店なさる方もボチボチいらして、お伺いすると管理方法にだいぶ問題がおありのご様子。

 ちょっとした勘違いが失敗の原因でございます。カーネーションに限らず、ほとんどの花鉢について言える内容も一部ございますので、ご参考になれば幸いでございます。

1. 包装ラッピングは外してくださいませ

 意外と多い間違いはこれ。「あまりに綺麗なのでもったいない」とおっしゃって、ラッピングをそのままにしておくこと。見栄えがよくなるように一生懸命ラッピングをがんばった花屋としては、そう思っていただくと大変に嬉しいです。

 ですが、蒸れてカビが生えれば腐る原因にもなり、お花のためにはあまりよろしくはないので、いただいてから2、3日程度でラッピングは取り外すことを、オススメいたします。

2. 置き所は絶対室外で!

 アナタが一番滞在している場所で、お花をいつも見ていたい気持ちはよくわかります。しかし、これがカーネーションに限らず、花鉢の寿命を短くするかしないかの大きな分かれ道なのでございます。

 カーネーションは本来、おひさまが大好き。太陽の光を好む植物はおひさまの光を浴びることで、蕾が次々と咲いていきます。おまけに高温多湿が苦手なカーネーションは、室外の心地よい風を浴びることも大好きでございます。

 萎れたカーネーションの鉢を持ってご相談にいらしたお客様の多くは、ご家族からせっかくいただいた感謝の気持ちを大事にしすぎて、室内にて管理をしていた方がほとんど。これは多くの花鉢に言えることでございますが、本来ならば室外が好ましいものは、やはり室外でなければ元気がなくなってしまうのでございます。

 もしも、アナタが「どうしよう……」と悩んでいらっしゃるのであれば、カーネーションに限らず、いただいた花鉢は萎れきってしまう前に、いったんお外に出してみてはいかがでしょうか。だいたいはこれだけで大復活してまいりますので、諦めてしまう前にやってみる価値はございますわよ。

3. 水やりはたっぷり!

 実はカーネーション、お水をガブガブ飲みます。西日の当たらない室外で管理する場合、毎朝、ジャンジャンお水をあげても大丈夫。

 室外であれば、大好きな太陽光と心地よい風が、水を飲んだカーネーションを大きく育ててくれるのでございます。

4. 肥料は夏までにあげて

 環境とお食事状況がよければ、秋まで咲き続けるカーネーション。お花が咲き続けるからには、当然ご飯が必要です。お花にとってのご飯は肥料でございますが、アナタがいただいたカーネーションにも肥料をあげれば、どんどん大きくなっていくはずでございます。

 肥料のタイミングは、固形や顆粒タイプの置肥を株元に1カ月に一度。浸透しやすい液体肥料なら、2週間ごとが目安。

 ですが、それも夏までのお話。夏場の肥料は逆効果でございます。夏は水を切らさず、肥料は切って日陰に避難でございます。

5. さわってフカフカの緑のツボミは咲きません

 実は、カーネーションの蕾のすべてが咲くというわけではございません。よく見てみると、カーネーションは咲いている花以外にも意外とたくさんの蕾が茎に付いております。

 母の日。花屋の店頭には、「お父さんと子供チーム」「カップルチーム」「お父さん単独プレー」など、さまざまなお客様がカーネーションをご購入にやってまいります。どれにしようか選んでいる時の会話の内容は、不思議と皆さま同じでございます。相談の結果、最後に選ばれるカーネーション鉢の決定要因は「ツボミがたくさんあるから」。

 ワタクシがご接客させていただきますと、「お姉さん、このツボミちゃんと全部咲くよね?」と、聞かれるのではございますが、そんなときは食い気味に「否!」とお答えさせていただいております。

 悲しいお知らせではございますが、触ってフカフカなツボミは中身が入っていないので、いくら待っても咲きません。そんなツボミは取りのぞいてしまったほうが見栄えもよく、咲く可能性のあるツボミも大きく育ちますので、取り除くことをオススメいたします。

6. 思い切ってバッサリ刈り込んで夏越しの準備

 5月によく咲いたカーネーションは、水やりや肥料などの管理がよければだいたい6月までは次々と咲き続けます。ですが、お花が終わったその後は、思い切ってバッサリ切ってくださいませ。これは、「夏越し」のための準備でございます。

「咲かないで萎れてきた」と、ご相談にいらっしゃるお客様に「どうせならバッサリ切ったほうがいいですよ」とご説明すると、大概「もったいない」とおっしゃる……。

 しかし、大胆にカットすることで株の中の風通しがよくなり、夏越しがしやすくなって、また再びツボミを持ち、秋に咲く可能性がございます。目安は上から3分の1くらい、あるいは半分いっちゃっても大丈夫。

 死にかけたカーネーションはバッサリ切ることで、みるみるうちに花芽が出てきて、秋になると笑っちゃうくらいに咲くので、お試しあれ。

おわりに

 2021年の「母の日」に、カーネーションをいただいたアナタ。

 実は、今年のカーネーションの切り花や鉢は、コロナの影響をまともに受けて全国的に大変な品不足のため高騰し、見たこともない金額での取引がされました。

 どこのお花屋さんも品不足で大苦戦した2021年に、ご家族からカーネーションをいただいたアナタはとてもラッキー! きっと、いいことありますわよ。

 カーネーションの花言葉「無垢で深い愛」の言葉通り、あなたの大切な家族の愛でアナタの心が満たされますことを……遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


ほっこり読み切り漫画/第58回「サクラ鳴く」
【連載第58回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 生きものたち、...
夏空が秋にかぶさる風景 季節がバトンタッチする時期がきた
 夏空が秋にかぶさる。そうだ、あしたはもう「秋分の日」。  ここまでくると「いよいよ今年も後半戦」という感じがして...
気づけば10年前のまま…大人のメイクは年単位で見直すべし!
 みなさんはぶっちゃけ、メイクの勉強をしていますか? 私はお恥ずかしながら、10代の時に雑誌を参考にして習得した以来、や...
妊娠5カ月、4畳のシェアハウスへの単身引越しに踏み切った話
 先日、夫の実家で親戚の子どもたちと上の子の5歳の誕生日を祝いながら、ふと「ってことは、自分も人の親という立場に置かれて...
気が付けば先輩社員の立場に…「職場で憧れられる存在」に5つの共通点
 仕事がバリバリできて見た目も完璧な女性は、職場の頼れる存在であり、憧れる存在でしょう。「私も少しは後輩から憧れられる女...
2023-09-21 06:00 ライフスタイル
「ほよよ顔」がたまらにゃい!プー太郎君の“たまたま”を激写
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ギャラ飲みは私の天職! 月収100万円、一度だけ恋人関係になった人も…
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
「必ず夢は叶う」は罪なアドバイス? どっちにしろ人生は続くのです
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
日持ち抜群「ジンジャー科のお花」の摩訶不思議、1週間過ぎても元気!
 ワタクシの大切なお花友達のAさんは、見た目は男性ですが、心は妄想が止まらない夢見る乙女。朝の精神統一は「花を触ること」...
子育てワンオペ問題…親頼みのママにモヤモヤ、男性の育児休暇は必要?
 先日友人と、子育てについての話になりました。  私の仲の良い友人たちは、自分の子どもが乳児の時に、実家の協力が得...
おなら、誤爆、カビパン…40年生きてたら、恥ずかしい思い出ぐらいね
 生きていれば、誰にでも一つや二つの恥ずかしい思い出があるものですよね。時間が経って忘れた頃に、ふと思い出してしまうと、...
親との距離感むずい…小言付き同居or孤独な別居、子連れで出した答え
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
遊びスイッチ全開にゃ! 猛ダッシュ“たまたま”の一瞬をパチリさせて~
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
死語説もあるけど便利な「OL」、海外では通用しない?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
私が稼ぐしかない!「月経ディスク」で起業、元居酒屋店員の猪突猛進人生
 パワフルの塊のようなアラサー女性がいます。「株式会社MONA company」代表取締役の向井桃子さん(35)。生理用...
月経ディスクにベットする女の覚悟「ストレスを減らす手伝いがしたい」
 生理用品の一種で使い捨て可能な「月経ディスク」を企画・販売する「MONA company」代表取締役の向井桃子さん(3...