韓流に対抗?ジャニ公式Twitter開設も決定的に足りないこと

こじらぶ ライター
更新日:2021-06-05 06:00
投稿日:2021-06-05 06:00

「ついにジャニーズが本気で世界進出だ!」

 今月2日、ジャニーズ事務所が公式Twitterを「Johnny & Associates」名義で開設した。最初の投稿では、嵐らデビュー組グループやジャニーズJr.など所属タレントのライブ・舞台演出を紹介する2分20秒の動画をアップし、「Hello World!」と世界へ英語で挨拶した。それ以降も、V6やKinki Kidsの堂本光一(42)のリリース情報や、ジャニーズJr.の誕生日祝いなどを、画像やYouTubeリンク付きで、全て英語でツイートしている。

 これについて日本のジャニーズファンは「ついにジャニーズが本気で世界進出だ!」「国内だけじゃなく世界に向けて発信する時がきたんだな」と受け止めているようだ。

海外進出の韓流アイドルに"周回遅れ"

 これまでのジャニーズは長年に渡り、ネット上での所属タレントの画像・動画使用を厳しく規制してきた。しかし近年はYouTubeやSNSなどのネット戦略を解禁し始めた。"禁じ手"だったはずのネット進出に参入した背景には、ネット戦略に長け、世界中でムーブメントを巻き起こしているK-POPアイドルが日本国内でも大流行しているからで、全米ビルボードチャート1位も獲得したBTSが最たる例だ。

 ジャニーズもここ数年でようやく一部所属タレントのYouTubeチャンネル発足やTwitter、InstagramなどのSNS開設を展開するようになった。

 しかし依然として世界進出という点では、韓流アイドルに圧倒的に遅れをとっている。海外でジャニーズやJ-POPを応援するファンからは、「自分の周りではK-POPを聴く人は多いけどJ-POPはまだ一部の人だけ」とやや肩身が狭そうな発言もしばしば散見されてきた。

 こうした流れに対抗してか、2020年にデビューしたSnow Manは王道のジャニーズらしからぬ"韓流っぽさ"で歌やダンスにも特化し、既存のジャニーズファン以外からも注目され、国内で大ブレイクを果たした。

ジャニーズ色を薄めた韓流路線の痛し痒し

 一方、正統派キラキラ王子様のイメージが強かったKing & Princeも最新シングル曲「Magic Touch」では全編英語詞のヒップホップナンバーに挑戦。世界的ダンサーの振付けに合わせクールなMVを制作したが、「K-POP意識しすぎててキンプリに求めてるのはこれじゃない」という既存ファンと、これまでジャニーズには興味が無かったが「今回のシングルでファンになりました」という新規ファンの間で評価が二分された。

王道ジャニーズは本当に海外で通用しない?

 曲調やダンスを世界で流行りのK-POPに寄せるのはいいが、ジャニーズの良さは公式Twitterで自身が投稿した動画の方にこそ詰まっているように思う。荘厳なBGMに乗せて世界に公開されたのは、大掛かりなセットに、光や水、炎を駆使し、様々な形で魅せるフライングや、サーカスのようなアクロバティックなパフォーマンスなど、ド派手で華やかな演出にこだわった"総合エンターテインメントショー"だ。

 嵐の松本潤(37)が世界で初考案した「ムービングステージ」(透明なアクリル板でできた可動式ステージ)で、メンバーがファンの頭上を次々と通過し可能な限り全方位の観客のそばまで近づいてパフォーマンスするきめ細やかさもその中の一つだ。

 この動画はジャニーズが公式Twitterで最初に投稿したのだから、自分たちのオリジナルで世界に勝負をかけられる強みがそこにあるというプライドの表れでもあるだろう。

早急に1曲でも多くの配信解禁を!

 ただし、その投稿に公開1日で1000件以上つけられたコメントに着目すると、多くが世界各国の海外ファンからのものなのだが、ジャニーズの世界進出に決定的に足りていないものがはっきりと指摘されている。「Spotify」をはじめとするストリーミングサイトへの楽曲配信だ。

 ジャニーズはこれまでのところ、嵐以外はKAT-TUN、堂本剛(42)および堂本光一それぞれのソロ楽曲などを極めて限定的に配信サービスに提供してきた。しかし、世界進出を展望するなら、海外リスナーも気軽に楽曲に触れることができる配信サービスへ、より多くの楽曲を早急に解禁するべきだ。

ジャニーズソングが世界中で愛される日

 この点においては、曲調やダンス以上にK-POPから学ぶことがあるように思う。とにかく世界の人々に、たくさん聴いてもらうことを優先するべきだ。どんな優美な"総合エンタメショー"を見せることができても、その核となる楽曲をまず知ってもらわなければ始まらない。

 もしかしたらK-POPスタイルを模倣せずとも、日本人に馴染み深い、キャッチーで明るいコテコテのジャニーズソングのどれかが、昭和歌謡である坂本九の「上を向いて歩こう」のように世界中で受け入れられるかもしれない。とにかく数多く、放ってみなければ分からないのだ。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「アンパンマン」から山ちゃん降臨! あの挨拶が聞けたのは“子どもの日”のサプライズですか?
 東京高等芸術学校に入学した嵩(北村匠海)は、受験の際に出会った健太郎(高橋文哉)と再会する。担任の座間(山寺宏一)から...
桧山珠美 2025-05-05 12:06 エンタメ
「あんぱん」一瞬のヤムおんちゃんに嵩は気づいたか? 寛の名言が“友蔵の俳句”並みに楽しみな件
 東京高等芸術学校合格発表の日。嵩(北村匠海)は結果を見る勇気が出ず、ひとり座っていた。そこに寛(竹野内豊)が現れる。嵩...
桧山珠美 2025-05-03 16:00 エンタメ
田中圭の不倫疑惑にちょっと待った!「令和の価値観」で永野芽郁との騒動を見てみると…
「週刊文春」のスクープで永野芽郁との不倫疑惑が報じられた妻子持ちの田中圭。  恋愛コラムニストであり、恋愛カウンセ...
堺屋大地 2025-07-03 12:04 エンタメ
永野芽郁が「清純派」って誰が言った? 批判するのはお門違いなワケ。江頭2:50への“涙”も大正解!
 日曜劇場『キャスター』(TBS系)で共演中の韓国人俳優であるキム・ムジュンを自宅に連れ込みお泊りし、なんとその翌日に妻...
堺屋大地 2025-05-02 06:00 エンタメ
「あんぱん」蘭子と豪の秘めたる恋に“過去の名作”を思い出す。河合優実は百恵ちゃんによく似ている
 縁談の返事をしに出掛けた蘭子(河合優実)を連れ戻したのぶ(今田美桜)に、蘭子は本心を明かす。季節は巡って秋になり、うさ...
桧山珠美 2025-05-01 19:16 エンタメ
なにわ男子・道枝駿佑は“肉食女子”から守られたのか?「キャスター」男性俳優陣が気になるよ
 芸能界広しといえども清純派と呼べるのは芦田愛菜だけ。長年、そう訴えてきましたが、今回の一件が図らずともそれを証明したの...
共亜事件は「虎に翼」のオマージュか。あんぱん、ブギウギの3人が同時代を生きている
 昭和11年、家族や嵩(北村匠海)に見送られ、のぶ(今田美桜)は女子師範学校の寮に入る。軍国主義の担任・黒井雪子(瀧内公...
桧山珠美 2025-04-28 18:40 エンタメ
「あんぱん」最後まで毒親だった登美子(松嶋菜々子)。去っていく彼女に問うてみたいこと
 受験したのぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)の明暗が分かれる。静まり返った柳井家で、寛(竹野内豊)たちに頭を下げる嵩。そこ...
桧山珠美 2025-04-26 12:50 エンタメ
春ドラマの評判を調査!『最後から二番目の恋』は令和の鬼渡?『あんぱん』『対岸の家事』の感想は
 2025年4月期も話題のドラマが続々スタート! 多すぎてどれを見るのか迷ってしまう…。そんな人のために忖度なしでドラマ...
「あんぱん」千尋(中沢元紀)は本当に良い子…史実どおりの展開なのか。しょくぱんまんのようなイケメンだ
 けんかした嵩(北村匠海)と千尋(中沢元紀)に、寛(竹野内豊)は改めて後継ぎはいらないと告げる。そして、何をしながら生き...
桧山珠美 2025-04-23 17:51 エンタメ
こうでなくちゃ! 志尊淳の正解を「恋は闇」で見た。いい人よりも“妖しい姿”に妄想が駆り立てられる
 新ドラマ「恋は闇」(日本テレビ系)の志尊淳が良きです。  前クールの「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった...
「あんぱん」なんて贅沢!今が旬、河合優実の“目で語る”表現力と色気に驚く。俳優・ソニンのEE JUMP感を消した演技も見事
 なりたい夢を見つけたのぶ(今田美桜)は、女子師範学校合格に向けて猛勉強をし始めるが、成績が思わしくなく頭を抱える。同じ...
桧山珠美 2025-04-21 14:23 エンタメ
怪演・市原隼人に「ヤバい超大物」2人が熱烈ラブコール。迫真すぎる“ガンギマリ”の演技がモテる理由か
 大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)にて、盲目の大富豪にしてゾクッとする異様な雰囲気を放つ鳥山検校を怪演...
堺屋大地 2025-04-21 06:00 エンタメ
ラランド・サーヤは「名誉男性」なのか? お笑い界の“女すぎる”という悪口に思うこと
 ラランド・サーヤが参加するバンド「礼賛」が大阪で行ったライブで、痴漢行為が発生。被害女性がSNSで被害を訴えたことで発...
帽子田 2025-04-20 06:00 エンタメ
「あんぱん」松嶋菜々子の“毒”さえチャーミングにする厄介な美しさ。ドキンちゃんにも見えてしまった
 8年間音沙汰のなかった登美子(松嶋菜々子)が突然帰ってくる。登美子に対してわだかまりが残ってはいるものの、自分の漫画を...
桧山珠美 2025-04-19 06:00 エンタメ