“攻める女”瀧内公美<後>「褒められると危険を感じてしまう」

内埜さくら 恋愛コラムニスト
更新日:2021-09-12 06:03
投稿日:2021-09-12 06:00

 女優、瀧内公美さん(31)の主演映画『由宇子の天秤』が、9月17日より渋谷ユーロスペースにてロードショー(ビターズ・エンド配給)。ドキュメンタリーディレクター、木下由宇子を演じた瀧内さんのインタビューを、前編に続いてお届けします。

責任感と正義感の“塊”のような役

 ――本作で演じた木下由宇子に対して、どんな印象を持ちましたか。

 瀧内公美(以下、瀧内) ドキュメンタリーディレクターをしている由宇子という人間は、発信することを仕事としています。取材対象者が持つ主観と彼女自身の主観には差異が生まれてしまうことはありますが、いずれにせよ「真実を伝えたい」という思いがとても強い女性です。

 自分が目にしたありのままの真実をメディアを通じて伝えることは、彼女にとっての正義なんです。作中ではある事実を知ってしまったあとからその正義が揺り動かされていきますが、責任感と正義感がすごく強い。よっぽど強い意志がないとこの仕事はできないだろうな、と脚本を読んで感じました。

 春本監督は、ドキュメンタリージャパンという番組制作会社などを取材しながら、脚本をお書きになっていったそうです。役づくりのため私もお話しを聞かせていただきました。「これだけ繊細に緻密に考えていかないと、1つの作品を完成させられないんだな」と。

「自分が目にしたものは絶対、視聴者に届けなければいけない」という熱量を感じました。身近な人々の日常を放送するのであれば、取材対象者にそっと寄り添う。その中でドラマをつくらなければいけませんが、ドラマティックな何かが起きるとは限らない。それでも5年や7年もかけて取材を続けるという心身的な体力に、衝撃を受けました。

私は誘惑に弱くて夜中にカップ焼きそばを…

 ――5年や7年も取材を続けるのはすごいですね。

 瀧内 作中で由宇子にも起きる出来事ですが、毎日同じ対象者を取材しているわけではないですし、「撮れ高が足りているのか、足りていないのか」と、制作側としても考慮しつつ取材をしなければいけないんです。

 精神的にタフではないと、務まらない仕事だと思いました。寄り添いながらも対象者から引き出せるような仕掛けを持っていくことも考えている。ある種のずる賢さも必要なのかな、と。あの絶妙な精神的バランスを、由宇子を演じるときに参考にさせてもらったので、お話しを伺うことができてありがたかったです。

 ――由宇子とご自身の相違点についてもお聞きしたいです。

 瀧内 諦めが悪く物事に対して猪突猛進する性格は、似ているかもしれません。由宇子と違うのは、誘惑に弱いところでしょうか。くだらないことですが私、夜中にジャンクフードを食べたい欲求を抑えられないんです(笑)。

 夜中に食べるカップラーメンとカップ焼きそばが大好きで、夜中であろうとカップ焼きそばにはマヨネーズをかけて食べちゃいます。

 夜中にジャンクフード食べると翌日、顔がむくんで困ることがわかっているんです。「食べなければいいのに」と自分に言い聞かせるのに我慢できなくて。しょうもない話なんですけれど、由宇子より揺らぎやすいと思います。

内埜さくら
記事一覧
恋愛コラムニスト
これまでのインタビュー人数は3500人以上。無料の恋愛相談は年間200人以上の男女が利用、リピーターも多い(現在休止中。準備中のため近日中にブログにて開始を告知予定)。恋愛コメンテーターとして「ZIP!」(日本テレビ系)、「スッキリ」(同)、「バラいろダンディ」(MX-TV)、「5時に夢中!」(同)などのテレビやラジオ、雑誌に多数出演。

URL: https://ameblo.jp/sakura-ment

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


「大谷翔平です」はアレンジOK!? 初対面から好印象を抱いたLINEの面白い挨拶3つ
 LINE交換をしてから最初に送る内容は、意外と大切かもしれません。だって、ただの挨拶よりも面白い挨拶を送れば好印象を抱...
自分の年齢を言いたくない時は「98歳になるよ!」もアリ。困った時のスマートなかわし方6選
 40代を超えると、年齢はあまり言いたくないものになりませんか?(苦笑)年齢を聞かれた時には、スマートなかわし方を身に付...
幹事は多めに払うべき? 同窓会で見たちょっと切ない「友情とお金」の話
 ずっと続く友情っていいものですよね。大人になっても昔の友だちと飲みにいけるなんて幸せなことだなと思います。だけどスナッ...
【ゼクシィ付録】結婚予定はないけど買ってみた!「アフタヌーンティー」ポーチの実力は?
 結婚の「け」の字すらない状況なのに、こんなことをしていいのでしょうか。付録目当てでゼクシィを購入してしまいました!(汗...
メルカリか永久引き出し奥か。女友達からのいらない誕生日プレゼント6選
「誕生日プレゼントってもらえるだけで嬉しい♡」と、どんなものにも感激していたかわいい時代は、遥か昔。アラサー・アラフォー...
男社会で出世する女性は何が違うの? 特徴&今すぐ身に付けたい3つの習慣
 女性の社会進出はかなり進んできましたが、まだまだ男社会で出世する女性になるのはたやすい話ではないでしょう。では、どのよ...
「鏡も見たくなかった」対人恐怖症の筋肉マッチョが自分を好きになるまで
 日本で唯一のコンテスト主催団体による“生涯現役で魅力ある存在を目指す”ミスターコンテスト「Mr. Phoenix(ミス...
出費額は100万円!? なぜ筋肉マッチョは「ミスターコンテスト」に挑むのか
 女性の外見や内面の美を競うミスコンテスト(以下、ミスコン)。ルッキズムの議論が広がる昨今、ミスコンの意義を問う議論が絶...
記憶鮮明な阪神・淡路大震災発生前夜の“異変”。冬眠モードのカメが突然大騒ぎして…
 8月8日16時42分ごろ、日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生。その後、気象庁が初めて「南海トラフ地震臨時情報(...
“たまたま”チェックに余念のない茶トラ君♡ 写真集の表紙になれるかな?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「妊娠アウティング」経験者たちのエピソード 悲劇はどうすれば防げたのか
 皆さんは、「妊娠アウティング」という言葉を知っていますか? もしかしたら、実際に被害を受けたことがある人もいるかもしれ...
あの人気観葉植物が地震を予知!? 植物の異変から事前兆候を察知する話
 テレビ画面に映し出される南海トラフの「巨大地震注意」の文字…。不安で心が押しつぶされそうになりますな。ワタクシが生...
アプローチ中のおんにゃの子は塩対応? “たまたま”の恋の行方にドキドキ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
盆地を見下ろす丘で
 盆地を見下ろす丘で。  くるくると回る風に吹かれ、空に風の交差点を観た。
ほっこり癒し漫画/第79回「来るかな? ニャー」
【連載第79回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
「女郎花と男郎花」読める? ヒント:ジョロウは間違い。初秋に愛でたい
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...