突然現れた第3の女性
――そんな……お互いおつらいですね。
「はい……A美はアパレル会社でバリバリ働いてキャリアを積んで、美人で、誰の目にもまぶしい存在だと思いますが、どんなに輝いて見える人でも心の闇はあるのだと感じました。
ただ、優しいときは思いっきり甘えさせてくれて、セックスだって『もう死んでもいい』と思えるほどの快感を与えてくれる――完全に、彼女無しでは生きていけない自分になっていました。
どんなに傷つけられても、出会った頃の楽しい思い出やセックスの快楽の瞬間があるから……。
もう完全に支配されていますよね。
頭で理解していても、感情はついていかない。もう這いあがれなくなったらどうしようと思いながら、睡眠薬を飲んで寝る日々が続きました」
――聞いていて苦しくなります。
「ある日、久しぶりに明るい声でA美が『新宿二丁目のレズバーに行こう』と誘ってきたんです。あまりにも明るい声だったので、ちょっと不思議に思いながらも『今度こそ改心してくれたのかしら』と心弾ませながらバーに向かったんです。
店に入るとすでにA美はカウンターに座っていました。二人で乾杯をして、『今日は酔わないから、安心して』と言ってきて――。
酔うと攻撃的になる性格はA美自身もよくわかっているようで、少しだけ安心しました。
しかし、またも愕然することが起きたんです。
30分後くらいだったでしょうか。
店のドアが開いて小柄でキュート系の子が入ってきたんですね。ロングヘアを丁寧に巻いて、メイクもばっちり。細身の体に白のワンピースが似合っていました。
あの子もレズビアン?と思っていたら、A美はその子に手を上げて『こっちだよー』って横に座らせたんです。
『初めまして』と頭を下げた女性は、同じアパレル関係の仕事をしているB子(32歳・独身)と名乗りました」
元カノを前に大人の対応をしたけれど
――なんと、お友達も呼んでいたんですか?
「はい、てっきり二人きりのデートだと思っていたのに、ちょっとショックでしたね。私も自己紹介をしましたが、ルックスでも若さでも明らかに私のほうが負けている。
でも、もっとショックなことが起きました。
A美が『実はB子は元カノなの』とあっけらかんと言ってきたんです」
――そんな……W子さんに許可も得ず、元カノを同席させるのは、ルール違反では?
「私も同じことを思いました。元カノが同席するなら、私は来たくなかった……一瞬にして表情を引きつらせた私を心配したのか、B子さんは私に『大丈夫ですよ。私は今、他の女性と付き合っていますし、A美とは単なる友人です』と笑みを向けてきました。
私も大人の対応をして、『はい……』と答えましたが、動揺する私を見て、A美は嬉しそうにしていましたね。
しかも、これ見よがしに『W子、大丈夫だよね。W子にはダンナもいるし、おあいこだよね』などと訳の分からないことを言って、一人で笑っているんです」
裸で抱き合う二人の画像を…
――そんな……ひどいです。
「気まずい空気を察したのでしょう。B子さんは30分ほどで『仕事の電話が入ったから、そろそろ帰ります』と席を立とうとしたんですね。
その時、A美は『そういえばB子と撮ったエッチな写真、まだ持ってるのよ』とスマホを操作し始めたんです。
信じられませんでした。
B子さんが『やめてよ!W子さんに対しても私に対しても失礼でしょう!』と、やや強い口調で止めたのですが、A美の耳にはまったく届いていないようで……。
で、A美が『あ、あった!』と私に差し出した画面には、裸で抱き合う二人の画像が次々に表示されたんです。
キスをしたり、抱き合うショットはもちろん、アップにした乳房、乳首を摘まむ姿、露出した性器、性器と性器を密着させた貝合わせ、大人のオモチャをハメた性器……もう、心臓がバクバク鳴って、悲鳴を上げたくなるような画像が、これでもかと私の眼前にさらされて……」
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