病気やケガは待ってくれない !「医療保険」の上手な利用法

神田つばき 女と性 専門ライター
更新日:2021-11-07 06:00
投稿日:2021-11-07 06:00
 病気と診断されてから「加入したい」と思っても遅いのが医療保険です。入院や手術で仕事を休まなければならなくなった時の備えは十分でしょうか?「あまり貯金がない」「傷病手当金が受給できない」などの不安がある人のために、生命保険会社や共済組合の医療保険や医療共済があります。

もしもの時に連絡する保険会社がどこかを把握しておく

 病気と診断されると誰でも心配で頭がいっぱいになり、お金の算段をしている余裕すらなくなります。だからこそ医療保険が役に立つのですが、保険金請求を忘れていたり、逆に請求できると思っていたらできなかったというケースもあります。

保険に加入していたと知らずに入院!?

 生命保険に医療特約や入院特約がついていたのを忘れていた、という人が意外に多いのです。生命保険料として引き落としされているので、医療特約分も納めていることに気づきにくいのです。

 親が保険を掛けてくれていたことを知らなかったという人もいます。結婚したり実家を離れて一人暮らしを始める時は、保険証書のコピーを取り手元に置くようにしましょう。

「あっ、これ請求できたのに!」と後から気づいた場合も、3年間は請求ができるので、うっかりしていた人もあきらめないでください。

加入している保険の内容を把握しよう!

 逆に、証書をよく読んでみたら「交通事故やケガの入院だけしか保障されない」「○日未満の入院は対象外」だったことがわかり、ガッカリする例もあります。保険会社からは年に一度、契約者全員に「契約内容のお知らせ」を郵送しています。引っ越しをした時は、保険会社や共済組合にも住所変更の手続きをしておきましょう。

知っておきたい保険請求のタイミングと必要書類

保険金の請求ができるのは退院してから

 実際に保険金の請求ができるのは、退院して入院費の清算を済ませてからです。入院が長期にわたりそうな場合は、事前に限度額適用認定証をもらっておき、療養中のお金の心配を少しでも少なくしておくことが必要です。

 給付金の請求をする時には、請求書といっしょに、

1. 入院はいつからいつまでか
2. 診断された病名は何か
3. 病気やケガの部位
4. 手術を受けた場合は手術名
5. 入院の前後、同じ病気で通院した全ての日付

 などを証明する書類の提出が求められます。多くの保険会社では2~4が記されている診断書の提出を求めます。

必要な証明書は保険会社によって異なる

 診断書の様式が決まっている保険会社の場合は、請求もしくはダウンロードしておき、治療完了後に病院の文書課に持っていって記入を頼みます。

 診断書は主治医が書くため日数がかかります。病院が遠方の場合は、返送用に着払いの宅配便伝票を貼った封筒やエクスパックなども提出しておけば、後日取りに行かなくて済みます。

 様式の指定がないところ、診断書のコピーでもOKとしているところもあります。診断書を1通書くだけで文書料がかかるため、複数の保険会社や共済組合に請求する場合はコピーで済めば助かります。

 また、診断書ではなく退院時の領収書と診断明細書で済む場合もあるので、これらの書類はしっかり保管しておきましょう。

治療の現場の進歩に対応して保険商品も変化する

 厚生労働省の調査によれば、病院・一般診療所ともに入院日数は年々短くなっています。それに対応して短期の入院や日帰り入院でも保険金が給付される保険商品が一般的になってきました。ただの通院とはちがい、領収書や診療明細書に「入院料」が記載されている場合に日帰り入院だと判断されます。

 保険は社会のニーズによって変わり、新しい商品が次々と登場します。「うっかり請求漏れ」や「要らない特約のムダ」をなくすために、3~5年に一度は新商品と比べる「保険の見直し」をしてみてください。

(参考文献:厚生労働省発表政府統計「平成29年 患者調査の概況」)

神田つばき
記事一覧
女と性 専門ライター
離婚と子宮ガンをきっかけに“目がさめて”女性に生まれたことの愉しみを取り戻すべく、緊縛写真のモデルとライターに。私小説「ゲスママ」、イベント「東京女子エロ画祭」「親であること、毒になること」などを企画。最近は女犯罪者や緊縛表現者に関するZINEの制作・販売を開始。Xnoteblog

ライフスタイル 新着一覧


絶景!ガラステーブルの下は“たまたま”も肉球も見放題の天国
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
天然=可愛いのあぁ勘違い…職場のぶりっ子アラフォーの痛すぎLINE3選
 口調や仕草で可愛らしさをアピールする「ぶりっ子」は、若い世代ならまだ可愛いなと思える範囲ですよね。でも中には、アラフォ...
なぜこんな男と結婚した!? 姉の旦那が嫌いだと感じた5つの瞬間と対処法
 大人になっても仲良しな姉妹って最高ですよね。でも、大好きなお姉さんが選んだ相手だからといって、旦那さんとまで気が合うと...
飛ぶためには一度なにかを手放す必要がある 2023.7.23(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
そんな格好…、恥ずかしくって無理!!
 ストリップの公演中、めでたく誕生日を迎えるお姐さんのために、幕間にお祝いの会が開かれることとなった。  その司会...
他人事じゃない! 厄介なご近所トラブル5つの“元凶”と賢い対処法
 暮らしている場所で揉め事が起きると、めちゃくちゃ厄介。日常生活がままならなくなってしまうこともあります。ややこしいご近...
湿度すら雨が洗い流した朝 2023.7.21(金)
 大きく深呼吸をして新しい空気を取り込んだら、冷たい水でのどを潤す。  この水もきっとすぐに汗になって出ていくのだ...
ノー天気に生きてるわけじゃない! アラサー独身女性“不安あるある”5選
 独身を謳歌していてもアラサーになるとふとした瞬間に不安を感じること、増えますよね。周りが既婚者だらけになって、「このま...
美徳だけど危険度高め⁉︎ 優しすぎる人、自分の心がグッタリしてませんか
 優しい人でいたい――。きっと誰もがそう思って生きていますよね。私もいつも思いますし、なるべく優しい気持ちを忘れずに過ご...
ハラハラドキドキ☆ “たまたま”の恋のバトルの瞬間をパチリ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
困ったら、焼肉のたれ! 夏休みの学童でも使える“手抜き”お弁当術5つ
 小学生の子供がいるワーママにとって、夏休みの最大の問題が「学童に持っていく弁当作り」です。子供は夏休みでも、親は通常営...
「ザ・ノース・フェイス」のPCケースがセールに…! 2023.7.20(木)
 アウトドアブランドの人気は高まるばかり。老若男女問わず、街中で“お馴染みのロゴ”を見かけますが、多分に漏れず、コクハク...
無理して付き合っていませんか?「離れた方がいい友達」5つの特徴
 仕事上の人付き合いなら合わない人がいても我慢せざるを得ないケースが多くありますが、プライベートでは極力無理したくないで...
灼熱の真夏「水やりのタイミング」正解は?間違いだらけの植物生活の答え
 暑いです、とても。シビれるくらい暑いので、我がお花屋さんもお客様の日中の来店はまばら……。さすがに猫店長「さぶ」の効力...
失ったものを数えているほど人生は長くない 2023.7.19(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
「10年使える」タオルを10年以上使ったら…2023.7.18(火)
 突然ですが、タオルってどのくらいのペースで買い替えていますか? 実は我が家には、気づいたら10年以上使っているタオルが...