このコロナ禍で一変…簡略化した「知人の葬儀」への対処方法

斑目茂美 開運花師
更新日:2021-11-03 06:00
投稿日:2021-11-03 06:00

コロナ禍の冠婚葬祭事業

 コロナ禍になる前から、冠婚葬祭事業は少しずつ規模の縮小化が進んでおりました。冠婚葬祭事業とは主にブライダル事業と葬祭事業でございますが、例えばブライダル事業だと、結婚年齢の上昇により1件あたりの単価は上がってはいるものの、人口減少で婚姻件数も減り、挙式・披露宴を行わない方も増える傾向にございます。

 また、葬儀事業では、故人と関わり合いのある方がたくさん集うといった、いわゆる「大きなお葬式」から、家族葬など故人の家族や親戚のみで執り行う「小さなお葬式」へと、少しずつ日本のお葬式スタイルの多様化が進んでおりました。

 そこに、コロナ禍という特殊な状況が拍車をかけ、一気に冠婚葬祭は規模縮小へと変化してしまいました。

 結婚式から披露宴が消え、「リモート結婚式」なんてものも登場し、現地へ赴くことなく自宅で結婚式に出席できるなんて夢のような方式を選択なさるカップルも。

葬儀は小規模方向に

 ご葬儀関係に至ってはお通夜がなくなり、告別式のみの「一日葬儀」を選択なさる方も多く、家族葬は故人の親戚も参列しない、ほぼ一等親血族での葬儀や、告別式すらない直葬(火葬場の窯前でのお別れ)というような、「小さなお葬式」が大半を占めていたのが、この2年間でございます。

 裕福か否かの問題や価値観の多様性の問題云々ではなく、「コロナ禍だから」という大義名分が完全に成立していた2年間というわけでございます。

 ですが、緊急事態宣言が解除されるとそれも少しずつ変化し、以前のような冠婚葬祭の形を選択する人が少しずつ増え始めた……とのこと。

 コロナ禍でできなかった結婚式の披露宴の代わりのささやかな食事会や、同じくできなかったご葬儀の代わりのお別れの会など、以前の状態を取り戻すかのような風潮になんとなくなってきたみたいだねぇ、なんて冠婚葬祭関係の業者さんからのお話でございます。

 とはいえ、猫店長「さぶ」率いる我が花屋のような、いわゆる「町のお花屋さん」が感じていることは、ちょっと違っております。

 端的に申し上げると、冠婚葬祭の執り行う方法や規模が二極化し、その格差は大きくなり、しかも“小規模方向”へと裾野が広がっているような気が致します。

 裕福な方とそうではない方との格差が広がったこともそうですが、冠婚葬祭、特にご葬儀にいたっては地域でのコミュニティの希薄化も手伝って“従来通りのやり方は選ばない”という方もやはり根強く、世の中アフターコロナになったとしても、すべてが元に戻るというわけではなさそうなのね、ということを感じているのでございます。

毎日やってくる相談者

 寒くなり始めた季節ということもあり、毎日亡くなった方へと手向けられる「お悔みの花」のご注文をいただきます。

 我が花屋は店長が猫というユルいお花屋さんなので、手向けの花をお買い求めにいらしたお客様の口もついつい緩んで、今まで考えられなかったような“いまどきのご葬儀”のお話をしてくださるお客様も多く、毎日が驚きのワタクシでございます。

 もしもアナタのお知り合いがお亡くなりになった場合、故人に向けてアナタのお気持ちをお届けしたいと思っていても、どういった形で贈ることがふさわしいのかお困りではございませんか?

 従来のご葬儀であれば単に参列すればよかったことが、あまりにも簡略化したご葬儀だった場合、どこまでを対処すればよいのか迷う……というご相談を、ワタクシのような「町のお花屋さん」は毎日のように承るのでございます。

 お花を手向けたほうが良いのか、香典のほうが良いのか、あるいは、何もしないほうが良いのか。

 そこで、お客様のご相談とワタクシが通常お答えさせていただくことをご紹介させていただきます。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


大谷の“一平ちゃん騒動”で不安 友人との金銭トラブルQ&A~弁護士解説
 ドジャースの大谷翔平(29)の専属通訳を務めていた水原一平氏(39)が、違法賭博に関与したとして球団から今月20日、電...
【スナック超入門編】どんな場所?若葉印のホステスが実感する5大特徴
 みなさんは、そもそも「スナック」がどんなところかご存知でしょうか?  キャバクラやガールズバーとは何が違うの?...
高級クラブのホステス→ギャラ飲み嬢に 面識なしで突然10万円ギフトが…
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
「正しくないこと」が「美しくない」とは限らないと知った
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
松田聖子まさかの中大法学部を卒業! 通信制の学び直しで成功する人は?
 先日、歌手の松田聖子さん(62)が中央大学法学部の通信教育過程を卒業したことが話題になりました。近頃、通信制大学で学び...
瞬き厳禁! 春到来の歓びを表現する黒“たまたま”を見逃すな
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
スタレビの名曲が聞きたい!仏教と深い関係のある「木蓮」とその仲間たち
 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋は、ただいま卒業式や送別など春特有のイベント仕事で、いつにも増して花まみれの毎日...
“炎上常連”麻生さん級の「ルッキズム失言」していませんか?
 最近、よく耳にするのが「ルッキズム」という言葉です。政治家や芸能人が、何気なく言った一言で「ルッキズム発言だ」と叩かれ...
女の敵は女だから?忘れた頃にぼっ発する「専業主婦論争」をガチで考える
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。  X(旧Twi...
職場の同僚ランチが苦痛すぎる…一人の時間を確保する4つの冴えた処世術
 業務内容へのストレスより、職場でのランチタイムが苦痛という人は多いですよね。正直、仕事で疲れているのに、休憩時間まで同...
離婚→シンママになり、心底よかったこと4つ 我慢は美徳っていつの話?
 世間では、離婚してシンママになった女性に対して「かわいそう」「大変そう」といったイメージがあるかもしれません。  で...
春まであと少し?
 残雪の甲斐駒ヶ岳を背にすっかり葉も落ちた葡萄畑  春まであと少しが意外と長い
春のお花と記念撮影にゃ! ウサギみたいなしっぽの“たまたま”
 きょうは、ウサギ君みたい! しっぽの短いにゃんたま君に出逢いました。  しっぽが短い猫は長い猫と比べると、臆病で...
ほっこり癒し漫画/第70回「すぷりんぐファミリー」
【連載第70回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
男と女の物語、だからこそ「娚」の当て字が使われた
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
「場所代は200円いただくわ」堅実というかケチ!名目別に徴収するママ友
 ママ友と仲が良いといっても、子どもありきの関係。価値観や金銭感覚など、すべてが合うとは限りませんよね。  中には、マ...