シンママになって“甘え”を覚えた私…認めてもらえる幸せ

孔井嘉乃 作詞作曲家・ライター
更新日:2021-12-07 06:00
投稿日:2021-12-07 06:00
 はじめまして。シングルマザー3年目の孔井嘉乃です。私には、6歳になる息子がいます。
 家庭の事情はそれぞれあって、離婚に至った経緯なんて誰とも分かり合えません。でも、「シングルマザー」になった女性に共通する思いは、きっとあると思います。
 まだまだシンママ歴が浅い私ですが、日々の中で感じていること、自分の中で消化したこと、解決していないこと、そんなことをこの連載「シングルマザーもいいじゃない」で、綴りたいと思います。

離婚の際に市役所の職員さんに聞かれた時のこと

 離婚前後に何度も通ったのが市役所です。離婚届を取りに行くところからはじまり、息子の入籍届や児童手当などの手続きまで、なにかとお世話になった場所。

 その際、親身になってくれたのが職員さんたちでした。私がシングルマザーになるとわかると相談室のようなところに案内され、「助けてくれる人はいますか?」「養育費はもらえますか?」「お仕事はしていますか?」と、たくさんのことを聞いてもらえました。

 シングルマザーになりたての私。少なからず不安はあったものの、変な見栄っ張りが発動してしまって「ぜんぜん大丈夫です! どうにかなります!」と、元気に答えてしまった次第。

 これって、母子手帳の「保護者の記録」の中にある「子育てに関して、不安や困難を感じることはありますか?」という問いに少し似ています。「はい」と思っていたとして、素直にそう答えられるママって、そういないんじゃないかな、と。だって「いいえ」と書くことがベターなのはわかっているんですから。どうでしょうか。

そもそも「甘え下手」の私

 そもそも、「甘え上手」か「甘え下手」かと聞かれたら、私は間違いなく「甘え下手」です。長女だからなのか、甘え下手の母を見てきたからなのか、どうしてこんなふうに育ってきたのかはわかりません。

 小さなころに喧嘩をした際、泣いて周囲を味方をつけ、その場をおさめた女友達に対して「泣くなんてずるい!」と言い放ったことがありますが、基本的にはずっとそんなふうに思って生きてきた気がします。

「できない」「お願い」と言える相手がいなかったわけではありません。でも「言ったところで、どうなるの?」と、どうしても思ってしまうのです。「頼ったらカッコ悪い」のような、そんな気持ちもありました。

 SOSを伝えられない人は多いと聞きますが、その気持ちは少しわかります。実の親や将来を誓った元夫、20年来の親友にも素直に甘えられずにきた自分の概念、価値観を変えるのは、なかなか難しいことです。

誰かに甘えないとやっていけない現実

 そんな、甘え下手代表(!?)の私ですが、シングルマザーになってからは、どうしたって誰かに甘えないとやっていけない部分が出てきてしまいました。

 たとえば「家事」。実家住まいの今、仕事が立て込んでいる時などには洗濯や掃除を母がこなしてくれることが多く、「甘えすぎている!」と思うこともたくさん。できる限りかかわるようにしているものの、ワンオペだったころと比べたら、その労力は天と地の差。

「あとでやろうと思っていたのに」「放っておいてくれたらよかったのに」なんて言葉がつい出てしまうことも。助かっているのは事実なのに。

 ほかにも、音楽活動をするうえで友人に迷惑をかけたり、仕事先では母子家庭を考慮した労働時間を与えてもらったり。さらには、小さな息子にすら甘えているという……。

 それまで「甘えない」と堪えて、年のぶんだけがんばって培ってきたはずのポリシーや価値観は、ガラガラと崩壊しました。

孔井嘉乃
記事一覧
作詞作曲家・ライター
3歳からピアノを始め、現在は作詞作曲家&シンガーソングライターとして活動中。2014年からウェブライターとしての活動を開始。得意ジャンルは美容、恋愛、ライフスタイル。コスメコンシェルジュ、日本化粧品検定1級、ベビーマッサージ資格、乳児心理+児童心理資格取得。
2016年、ママユニット「mamakanon」を結成。活動5年目にして、YouTube再生回数1,200万回達成。2020年、フレンチシンガーバイオリニストソングライターとのDuo「ellipsis」を結成。両者の絶対音感を活かしてカバー演奏などを行う。
1児のママ。特技は早起き。ウィスキーが好き。

◇孔井嘉乃公式サイトmamakanon公式 YouTubeチャンネルellipsis公式 YouTubeチャンネル

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


LINEグループを自然な言い訳で退会するテク⇒「一旦」の前置きは使える
 付き合いや流れでメンバーに加わることのあるLINEグループ。  通知がうざかったり、会話の内容が嫌だったりすると...
お財布に優しい「ド根性植物」8選 ほっぽらかしでも毎年咲いてくれて感謝
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋の店先に、一体どこから生えているのか分からない「羽衣ジャスミン」が咲いています。勝手に土...
台湾の聖子ちゃん?女神「媽祖」の人気が凄まじい…カオスな宗教お祭り記
 ガヤガヤとうごめく人混みの頭上に降りそそぐ、どう考えてもヤケドしそうな熱々の花火! 街全体が熱狂に包まれ、路上はさなが...
2024-04-24 06:00 ライフスタイル
後妻つらいよ。“子の運動会にパチンコした男”⇒前妻の嫌がらせは茶飯事
 バツイチ男性と再婚した場合、時々運の悪いことに「前妻からの嫌がらせ」を受けてしまう人がいます。女性は、愛や嫉妬が絡むと...
甲斐駒ヶ岳(春)のごほうび
 峠を登り振り返ると一面雲で覆われていた空が割れ甲斐駒ヶ岳が顔を出した。  春を待ちわびて眺める景色もまたごほうび...
“たまたま”を下から見上げる背徳感…やんちゃ坊主も困り顔
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
惚れてまうやろー♡そのへんの男よりカッコいい同性にキュン
 今回は「同性にキュンとした話」を集めてみました。中には、女性同士で恋愛感情に似た好意が湧いた人もいるようですよ! どん...
女坂と男坂の違いって? 山道・寺社仏閣の参道どっちを選ぶと楽チンか
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
産休クッキー炎上 善意でも地雷的気遣いとは?心理学・マナー講師に聞く
「産休クッキー」がXのトレンドワード入りし、大炎上した件。発端は、4月15日に一般女性が投稿した《職場の人に配るクッキー...
彼優先しドタキャン⇒「まさみの親指」は勘弁…友達だから通じるルール
 気の合う友達や同じ趣味の友達とグループLINEでやりとりするのは楽しいですよね! 毎日やりとりを続けているうちに、グル...
ルポ:ギャラ飲み額はトップ級の30分1.35万円!看護師の夢と新たな野望
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
これが330円? 3COINSジェルネイルの凄さよ!物価高の今にありがたい
 3COINS(スリーコインズ)で「UV LEDネイルライト」が330円で買えると知り、おうちでジェルネイルデビューをし...
甘えっこ“たまたま”の「マズル、シッポ、にゃんたま」3点セット♪
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ハーブ育てるなら一択!虫よけ・若返りにローズマリー、ほっぽらかしで◎
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋は、神奈川の片田舎にあります。4月とはいえ1日の寒暖差はすさまじく、朝晩はストーブ、日中...
不倫バレ。“妻の奈津と申します”に戦慄→“なに無視してんだよ”で眠れない
 あなたはこれまでに、緊張感がハンパないLINEのやりとりをした経験があるでしょうか?  今回は、不倫相手の妻や先...
「フェロモン診断」調香師が選ぶ GW旅行の疲れを癒すおすすめの香り
 もうすぐゴールデンウィーク、今年は旅行や帰省の予定を立てている人も多いのでは?  飛行機や電車での移動、長時間の...