いつか息子の負担にならないように…私の居場所も大事にする

孔井嘉乃 作詞作曲家・ライター
更新日:2021-12-21 06:00
投稿日:2021-12-21 06:00
 はじめまして。シングルマザー3年目の孔井嘉乃です。私には、6歳になる息子がいます。
 家庭の事情はそれぞれあって、離婚に至った経緯なんて誰とも分かり合えません。でも、「シングルマザー」になった女性に共通する思いは、きっとあると思います。
 まだまだシンママ歴が浅い私ですが、日々の中で感じていること、自分の中で消化したこと、解決していないこと、そんなことをこの連載「シングルマザーもいいじゃない」で、綴りたいと思います。

「我が子」って本当にかわいいですよね!

 突然ですが。「我が子」って本当にかわいいですよね!

「なぜにこんなにかわいいの?」と、毎日フレッシュに感動してしまう私。しょっちゅう、「ママが世界で一番好きなのはだーれだ?」「◯◯でしょ?」「あたりー!」なんて、息子とバカップルのような会話を繰り広げています。

 存在まるごと愛おしく、幼稚園へのお迎え時には「やっと会える!」とウキウキとしてしまいますし、しみじみと見つめては「ほんと生まれてきてくれてよかった……」なんてつぶやいてしまい、母にも「あなたって幸せね」と、呆れられる始末。

「息子が彼氏」と思うママが多いのも、わかる気がします。計算も利害関係もなく、ただただ「ママが好き」という気持ちを見せてくれて、こんなに無償の愛情を与えてくれる存在もないですから。

「子離れできないんじゃない?」と言われるものの…

 そんな親バカな私の様子を見て、「子離れできないんじゃない?」と友達から苦笑混じりに言われることがあります。でも、それに対して「それが、できるのよ!」と、私は断言できます。

 出産した直後のこと。産まれたてのしわくちゃの息子を見て、嬉しさと安堵感だけではなく、「この子は18歳には親離れをして、家を出て行くんだなぁ」と、なぜか強く寂しさを感じたのです。

 当時、元夫は「まだまだ先の話すぎる」と言っていましたが、私はそれが「あっという間」だということもわかっていました。「時」って、きっとそういうものですよね。

 だから、息子が3歳の誕生日には「あぁ、一緒にいられる6分の1の期間が過ぎてしまった」と思いましたし、今年の6歳にも「3分の1が……」と、しゅんとした気持ちになったのでした。

 もちろん、そうならないかもしれません。でも、私の父、元夫をはじめ、周りの男友達たちの中には大学入学と同時に一人暮らしをはじめ、その後は1年に1回ほどしか母親と会っていないという人がざらにいます。

 突然そんなことになったらとてもやっていけそうにないので、その“いつか”のために心の準備をしながら、後悔しないように思い切り子育てをしようと誓って過ごしてきました。

いつか息子の負担にならないためにも居場所を大切にしている

 妊娠をした時に思い描いていた未来は、息子が18歳になって独り立ちをする時に「あー! やっとパパと夫婦水入らずでラブラブに過ごせるわ!」なんて言って送り出す、“お茶目なママ”である私の姿。

「そりゃよかったよ! 邪魔者は消えるとしますかね!」なんて皮肉を言って、後ろを振り向くことなく大きな第一歩を踏み出す息子……そんな光景。

 だけど、シングルマザーとして生きる道を選んだ私。再婚する気もないし、自分の老後の貯金はまだまだです。気づけば息子を心配させる要素ばっかりで、想像した未来とはほど遠い現実になってしまいました。

 だからこそ私は、いつか息子の負担にならないために、友達との交友関係はもちろん、仕事、音楽、趣味、すべてにおいて、自分の居場所を大切にすることにしています。

 そうしておけば、いつか来る旅立ちの日にも思い切って送り出せることでしょう。依存したり、すがることなく、成長した息子の自立心や冒険心を萎えさせることもないはずです。

息子との時間を割いてでも自分の好きなことに没頭してきた

 以前、コクハクで「ママは産後7年を育児に捧げるべき?仕事や夢との向き合い方」という記事を書いたことがあります。

 シングルマザーに限ったことではありませんが、ママになると育児、家事、仕事に追われて、自分のことはどうしても後回しになりがちです。もちろん、子育てがひと段落ついてからでも、チャレンジや自分の世界を広げることはできます。ただ、やっぱり“若さ”は戻ってきません。

 私は離婚前から、時に息子との時間を割いてでも、音楽や仕事など、自分の“好きなこと”に没頭してきました。来年、いよいよ“産後7年”を迎えますが「動き続けてきてよかった!」と、心から思っています。

 そして、離婚をした今、あらためて思うのは、子供が巣立ったあとの人生を真剣に考えておくことも、シングルマザーにとっては重要なポイントかな、と。私のように再婚願望のない人の場合は、特にそうでしょう。

 晩年は孤独死まっしぐら……ではなく、いろんなフィールドで居場所を持っていれば、はつらつと生きていけそうな気がするのです。

「仕事と◯◯、どっちが大事?」

 とはいえ、小さな息子にとってはそんなことはどうでも良い話。私が仕事や音楽、交友関係に勤しむことは、きっとただの「ママのわがまま」でしかありません。

 小さな頃は「ママ、今日出かけないでよ」と、泣かれたことも多々ありました。「仕事と私、どっちが大事?」という常套句のように、「仕事と◯◯、どっちが大事?」と聞かれたことも。

 そんな時には「絶対に◯◯が大事! でも、お仕事も音楽もママが大好きなことだから、比べられるものではないの」と、まるで大人の男性に話すように伝えてきました。

 ただ、その後は「埋め合わせ」を必ずすること、心ゆくまでベタベタと一緒にいる日を作ることも大切にしています。これは、息子のためでもありますし、私のためでもあります。単純に一緒にいたいですし、そして、自分のことを優先したという「罪悪感」は、育児中のママに必要な「愛情」と「根気」を強くしてくれるものだと思います。

 6歳になった今、息子は「がんばってきてね!」「稼いできてね!」なんて、一丁前なことを言うようになりました。お互いにたくましくなったものです。

「生きたいように生きる姿」を息子に見せたい

 専業主婦だった私の母のように、年がら年中、子供とべったりできるママと比べたら、私は我が子にぜんぜん寄り添えていないかもしれません。

 でも、私はわがままに「生きたいように生きる姿」を、息子に見せたいと思います。そうしたらきっと、息子がいつか私の元を離れる時、「うちのママは大丈夫だろう!」「ママも自由な人だしな」と、絶対的な安心感を持って踏み出してくれると思うのです。

 ……と、将来のことばかり話してきましたが、つい思いを馳せてしまいますね。

 考えすぎと言われるかもしれませんが、そのくらいの心づもりでいないと、やっぱりやっていけそうにないのです。かけがえのない、かわいいかわいい息子ですから。と、大げさでしょうかね(笑)!

(文;孔井嘉乃/作詞作曲家 イラスト:こばやしまー/漫画家)

孔井嘉乃
記事一覧
作詞作曲家・ライター
3歳からピアノを始め、現在は作詞作曲家&シンガーソングライターとして活動中。2014年からウェブライターとしての活動を開始。得意ジャンルは美容、恋愛、ライフスタイル。コスメコンシェルジュ、日本化粧品検定1級、ベビーマッサージ資格、乳児心理+児童心理資格取得。
2016年、ママユニット「mamakanon」を結成。活動5年目にして、YouTube再生回数1,200万回達成。2020年、フレンチシンガーバイオリニストソングライターとのDuo「ellipsis」を結成。両者の絶対音感を活かしてカバー演奏などを行う。
1児のママ。特技は早起き。ウィスキーが好き。

◇孔井嘉乃公式サイトmamakanon公式 YouTubeチャンネルellipsis公式 YouTubeチャンネル

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


天使レベルの美にゃんから、やんちゃ盛りまで! 癒しの“たまたま”9連発
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 8月にご紹介したもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまた...
子ども同士のLINEトラブル。「私たち友達じゃない」「えっ」日常のやり取りに3つの地雷が潜んでいた!
 今や、スマホは中高生なら持っていて当たり前の時代になってきました。さらには、小学生のうちからスマホを持つ子どもも増えて...
だってイソップだよ! トイレの消臭芳香剤3,000円超えの買い物はアリかナシか
「売り切れ続出の人気商品が入荷しました!」そんな触れ込みに心惹かれ、買ってしまいました。  イソップ(Aesop)...
人間関係にモヤァ…「切るべき人」の特徴は? スナックママの有益な助言
 この夏は久しぶりに数カ月ほど、人間関係でモヤモヤしてしまいました。ただただ悩む日々が続き、ひとりで考えても答えが出ず…...
夫の連れ子と仲良くなるには? 妊娠するタイミングも考えておきたい
 結婚した夫に連れ子がいた場合、関係性に悩む人は多いですよね。特に思春期の子供は、実の親でさえ対応が難しい時期。では、夫...
BBQ、ビニールプール、公園、不審者…夏こそ気をつけたい子育て中のヒヤリハット
 子育て中の親御さんは、子供の安全にいつも気を配っているはず。とりわけ夏は身近なところに危険が多く、一瞬の隙に大怪我につ...
祝「ポッカレモン100」52周年! 超簡単レシピでチーズを作ってみたよ
 先日、「ポッカレモン100」のリニューアル発表会にお邪魔しました。「発売52年目の大改革」と銘打ち、ブランド初の<高め...
祈りの儀式かな? 肉球全見えのへそ天“たまたま”に手を合わせよう
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
子どもの夏休みの宿題が終わらない!まだ間に合う自由研究5選と“やる気スイッチ”体験談
 夏休みもそろそろ終わる頃…。もしかしたら、宿題がまだ終わっていない子どももいるかもしれませんね。特に自由研究は頭を悩ま...
2024-08-28 06:00 ライフスタイル
「秋植え植物」球根やポット苗はいつ植えるのが正解? 涼しくない、まだまだ暑いから迷う!
 暑かった8月が終わろうとしています。猫店長「さぶ」率いる我がお花屋は、古い建屋なので夏は暑くて冬は寒い。  酷使にも...
女性のパンツだって黄ばみます! 厄介な下着の黄ばみ原因と真っ白に戻す方法3つ
 女性のパンツにまつわる悩みの一つに「黄ばみ」があります。普段から清潔にしているのにどうしてパンツは黄ばんでしまうのでし...
なんてこと! レスポのポーチが980円で買えるなんて「マキア」史上最高級の満足度
 レスポートサックと集英社ファッション&ビューティ4誌とのコラボ第4弾の一環として、レスポートサックのポーチが「MAQU...
ゆらゆら尻尾がたまらにゃい! “たまたま”のほのぼのツーショット
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
暑い暑い東京の夏の思い出
 一緒に連れて来てもらったんだ。  いいね、こういうの。
ほっこり癒し漫画/第80回「るーるールルルー」
【連載第80回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...