恋人の不満は理解できるも
「ウチの親は、友だちの親に比べると口うるさいほうなんですよ。今まで付き合った彼女のことも、結婚するわけでもないのに、相手の家柄がどうだとか仕事が気に入らないだとかって、僕に文句ばかり言ってきて。母親だけでなく、父親もそんな感じなので、両親ともに口うるさいほうなんじゃないかなって思いますね。
だから俺は、実家を出てからは彼女がいても、実家には知られないように気を付けているんです。親に知られれば『どんな子なのかを見てあげるから、連れてきなさい』ってなりますからね」
かたくなに実家に対して恋人を紹介しようとしないケイタさんのスタイルに、歴代の彼女が不満や不安を抱いているであろうことも理解していると言うケイタさん。しかし「親がうるさいタイプで」と事情を説明したところで「共感してもらえないだろうし、共感してもらえたとしても、俺と結婚したいって女の子は、むしろそんな俺の親のスタンスを利用して短期間で結婚しようとハメてきそうで怖い」のだそうです。
今の恋人との結婚はないからなおさら…
「すでに結婚している友だちの話を聞くと、嫁姑問題とかって、意外と今の時代でもあるっぽいし、結婚前は双方の仲が良くても結婚して嫁と姑の関係になるとギクシャクする場合もあるみたいですからね。
ウチなんて、どんな女性が嫁いできても、あの両親じゃ嫁になった女性が苦労するのが目に見えていますから、俺が誰かと結婚するって決めるまでには、相当なハードルがありますよ。
まぁ、少なくとも今の彼女との結婚はないかなぁって、今のところは思っていますね。だから余計に、今の彼女の存在を親には知られたくないですね。
ていうか、もし俺が結婚したいなって心底思える女の子ができたときには、もしかしたら親にも言わずに入籍するかもしれません。そのくらい、ウチの親の口うるささは尋常じゃないんですよ……」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
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