「TELASA」でフィーチャーされた撮影裏
また、龍河とカフェで対峙した際は、葵が龍河に「法律を超えた存在ってことですよね!」「あ~カッコいい! ヤバイ!」と無邪気に褒めちぎり調子に乗らせたところで、過去の悪事を自白させ、録音する。
きゃっきゃとしたミーハーな笑顔から一転、新の父親の仇である龍河に対し座りきった感情の無い目。そして潔く振り切った手から放たれたコーヒーは、龍河の顔面にクリーンヒットする。
あまりの直撃ぶりに、ドラマの舞台裏を明かす動画配信サイト「TELASA」内の「ウラ六本木クラス」では、カット後に平手が早乙女に慌てて謝罪していたが、カットがかかるまでは完全に役に入り切って葵に憑依していたのだろう。
ドラマのクライマックスで、龍河に自身が拉致され、新が銃撃されるなど追い詰められた場面でも、葵は龍河に奇襲し棒で頭を殴打したり、トドメを刺そうとする。迷いのない憎悪から醸し出されるプッツンぶりが清々しい。
葵は物語の最初から最後まで、精神的にも物理的にも、力のある者に甘えず自ら立ち向かう、勇敢で自立した人間だった。
ラストシーンで驚いた細い指、小さな手
ただし、新と結ばれた葵が2人で話すシーンの一瞬に、葵の、あるいは平手のとんでもないか弱さを垣間見た。
想いを伝えてくれたたはずなのに、なぜ手を繋ごうとしないのか新に尋ね、自分から新の手に自身の手を重ねた葵。2人の恋愛をリードしているのは葵なのだが、そのあまりの細い指、小さな手に、最終盤でビックリさせられたのだ(相手が平手より20㎝以上大柄の竹内だったとしても、だ)。
葵の自信に満ち溢れた言動や、平手の存在感と顔面の強さに、彼女がとても華奢であることをすっかり忘れさせられていた。
そのか細い身体で、欅坂46のセンターを張り続け、「六本木クラス」でも物語の“中心”として盛り立て続けていたと思うと、彼女が放ってきたエネルギーに感服させられる。
女優・平手友梨奈に期待したいこと
今後、演者としての平手に期待したいことが2つある。ひとつは「六本木クラス」終盤で少しだけ見せた、激しいバトルシーンを含むアクション作品への出演だ。平手の表情の凄みはもちろん、身体能力の高さだけでも極めて適性が高いはずだ。
もうひとつは、これまで世間一般に“天才”、“エキセントリック”といった特異な役が多いと思われている平手が、“普通の女の子”を演じられるということも今一度知らしめてほしい。
普通の女の子、等身大を基盤に…
今年はじめに、平手がCM出演するハーゲンダッツのミニドラマ「メゾンハーゲンダッツ ~8つのしあわせストーリー~」がYouTubeで公開された。
平手演じる主人公・湊川七海は、特殊な才能を持たず、ごく普通の日常から些細な幸せを発見していく。全8話のストーリーの中で、平手はとても自然に、チャーミングに、“等身大の大学生”を演じていた。いや、演じていたのか素だったのか分からないほどだ。
こうした“等身大の役”を基盤に、奇才だったりぶりっ子だったりととんでもない振り幅で、これからも見る者を魅了し続けて欲しい。
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