違うオスの子どもも一度に身ごもれるにゃん♡~猫マメ知識#1

コクハク編集部
更新日:2023-03-10 06:00
投稿日:2023-03-10 06:00

【残念1】違うオスの子どもを一度に身ごもれる

 可愛くて、賢くて、気高くて、どこを見ても魅力的でしかない。そんな完璧などうぶつ・猫にも、残念な点がある。猫のここが残念! でもそこもまた、たまらなく魅力的なんだよなぁ。(文=鈴木美紀)

  ◇  ◇  ◇

 ノラ猫が産んだ子猫は4匹。3匹はお母さんによく似たキジトラだけど、1匹だけなぜか黒猫。「どうして?」と不思議に思ったこともあるのでは?

 猫の毛色の表れ方は複雑なため、色の違うきょうだいが生まれることはある。でも、それ、父親違いの可能性もあるのだ。

 猫の発情期は年に約10日間しかない。わずかなチャンス期間に、ノラのメスは何度もオスと交尾する。

 相手も1匹とは限らない。少しでも強いオスを見つけ、優れた遺伝子を残すのだ! と、恋の選択権は、常にメスにある。

 そして「多排卵動物」である猫は、一度に複数の卵子を排卵する。そのため複数のオスの精子が着床すれば、子宮の中で同時に、違うオスの子を身ごもれるわけである。

「父親違いの子を一度に産んで、大丈夫なの?」との心配は不要。基本的に猫の世界では、子育てをするのは母猫だけ。子猫にとって父親は「必要な存在」ではない。

■じつは残念ではない

 この機能、優れた子孫を残すための合理的なメカニズムともいえる。

【残念2】クールビューティーでも酔うとへベれけになる

 古代エジプトでは「神」と称えられたように、猫はどこか近寄り難い神秘性を秘めている。いわば「クールビューティー」だ。

 そんな猫が豹変することがある。「マタタビ」を差し出されたときである。

「猫にマタタビ」といわれるように、マタタビを前にした猫は、だらしない酔っぱらいよろしく、ベロベロ、グデングデンの酩酊(めいてい)状態になってしまう。

 マタタビには中枢神経をまひさせる効果があるらしい。そのため、与え過ぎるとヨダレをたらしたり、興奮して凶暴になったりすることもある。少量ならストレス解消などに効果的だが、与え過ぎるととんでもないことになる。

■じつは残念ではない

 最近、猫がマタタビの葉を噛むのは蚊よけの効果を高めるためでもあり、病気を運ぶ蚊から身を守る重要な行動だという研究結果が発表された。

【残念3】緊張すると手汗をかきまくる

 猫は汗を分泌する汗腺が少ない。汗が出るのは主に肉球からだけ。そのため、手(足)汗がすごいことになる。

【残念4】赤色がわからないので信号が守れない

 猫の目は顔の面積に比べてとても大きい。だが、大きいからといって視力が良いわけではないのだ。

 目の構造から判断すると、猫の視力は人間よりも少し悪い程度。つまり近視状態だと言える。飼い主のことも、かなり近くに寄らないと見えないようだ。

 そして猫は、色を識別する能力も高くはない。色は、目の中の網膜にある視細胞の一種「錐体細胞」で感じるのだが、猫の錐体細胞は青と緑の2種類だけ(ちなみに人間の錐体細胞は青、緑、赤の3種類)。

 つまり猫は、赤信号と青信号を見分けることができない。まあ、信号を確認して横断歩道を渡る猫はいないので問題はないが、「○○ちゃんは緑色じゃなくて赤い首輪がよく似合うね!」などと喜ぶのは飼い主だけで、本人はまったくわかっていないことになる。

■じつは残念ではない

 とはいえ、猫は視力だけではなく、音やニオイなど聴覚・嗅覚も駆使して総合的に対象物を認識している。だから視力が弱くてもさほど困らない。「総合認識力」で、対象を的確にとらえる。

  ◇  ◇  ◇

▽鈴木美紀(すずき・みき) 「猫に生かされている」と言っても過言ではないフリーライター。雑誌「猫びより」(辰巳出版)への寄稿や猫のWebサイトの監修などを手がける。著書に「現代にゃん語の基礎知識2018」(自由国民社)などがある。

(日刊ゲンダイ臨時特別号「日刊ニャンダイ2023」記事を再編集)

※「日刊ニャンダイ2023」はAmazonでも好評発売中!コチラからご購入いただけます!

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


現金より危険な面も…「電子マネートラブル」よくある事例と3つの対策法
 近年、現金を持ち歩かず、電子マネーを利用する人が増えていますが、それに伴って急増しているのが、電子マネートラブルです。...
親子でしっぽシマシマ隊! チビ“たまたま”がすくすく育ちますように
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
命がけで庭の雑草駆除、今年もやるの?ローメンテを叶える夏の雑草対策
 雑草が気になる季節になりました。「雑草」という植物なんて無いねえ~と言われちゃえばそれまでですが、道端はまぁいいとして...
トレンド入り「猫ミーム」インフルエンサーの投稿じゃないのになぜバズる
 2024年春、突如日本のSNSシーンで流行し始めた「猫ミーム」というカルチャー。日本だけでなく、今世界で流行し、そして...
え、ハブられてる? ママ友に嫌われる言動ランキング&上手に付き合う術
 子育て中の女性が必ず直面する「ママ友との付き合い」。気の合う人に出会えれば、情報交換や悩みごとを共有できる仲間として心...
カスハラとクレームの違い 料理が30分経っても出ないから文句言ったら?
 パワハラ、セクハラ、モラハラ…。最近何かと「ハラスメント」という言葉を耳にしますよね。その中でもここ数年でよく見聞きす...
「風呂キャンセル界隈」失敗談 足の臭いでバレ!自分を奮い立たせる方法
 ネットスラングで「風呂キャンセル界隈」というワードが話題になっています。読者の皆さんの中にも、その日の入浴をキャンセル...
丸見え族、参上! うさぎシッポの“たまたま”君にロックオン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
何をそんなに怒っているのだ?
 何をそんなに怒っているのだ?  東京都庁近くにて。
ほっこり癒し漫画/第75回「ヘルプみーこ」(後編)
【連載第75回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
【難解女ことば】「小女子」ってなんて読む? ヒントはご飯が進むもの。
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
最新「グダグダなLINEやり取りの終わらせ方」知らないのは無防備すぎる
 仕事からプライベートまで、コミュニケーションツールとして使えるLINE。便利かつ気軽ではありますが、それゆえにダラダラ...
スマホを持たないサブカル老人の願い「本屋に行く楽しみを奪わないで~」
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...
クレクレママの実態 買い換えるなら「車くれない?」っておねだりする!?
 人のものをすぐに欲しがるクレクレママ、あなたの周りにはいませんか? おさがりなどをもらってくれて助かることもあるけれど...
44歳独身、今からでも遅くない?ズル休み→大学進学を決めた“無敵の女”
 八王子の居酒屋で契約社員として働く由紀は、信じていた学生バイトに蔑まれ、客の若者にも罵られる日々。見かねた学生バイトの...
私の時給はパフェより低い…置き去り氷河期世代の苦悩「感覚死んでる」
 八王子の居酒屋で契約社員として働く由紀は、特段面白みのない毎日を過ごしている。元気な学生バイトたちに囲まれ慌ただしい日...