平和主義者のようでいて虫をなぶり殺しに…!~猫マメ知識#2

コクハク編集部
更新日:2023-03-11 06:00
投稿日:2023-03-11 06:00
 可愛くて、賢くて、気高くて、どこを見ても魅力的でしかない。そんな完璧などうぶつ・猫にも、残念な点がある。猫のここが残念! でもそこもまた、たまらなく魅力的なんだよなぁ。(文=鈴木美紀)

【残念1】美食家を自負するが甘味を感じ取れない

 グルメのイメージが強い猫だが、本当に、味がわかる舌の持ち主なのだろうか?

 味を感じ取る器官は「味蕾(みらい)細胞」と呼ばれる。人間には、舌はもちろん口の中や唇などにもあり、その数は約1万個といわれる。

 ところが猫には、この味蕾細胞が約500個しか存在しないという。

 もともと猫は肉食動物で生の餌を食べていたため、肉や魚のタンパク質の味さえわかればよく、たくさんの味蕾を持つ必要がなかったらしい。

 数少ない味蕾細胞で感じ取れるのは、塩味、酸味、苦味の3つだけ。食べ物が腐敗していないか、毒ではないかを判断するために重要だからだ。でも、甘味を感知する味覚は発達しなかった。

 つまり、砂糖など穀物に含まれる甘味は、猫にはわからないのである。

■じつは残念ではない

 ただし、肉や魚から発生するアミノ酸由来の甘味は感知することができる。また、嗅覚が優れているので、おいしいものはニオイでわかるのだろう。

【残念2】牛乳を飲むと下痢しちゃう

 猫は牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)の活性が低い。そのため乳糖を消化吸収できず、下痢をしてしまうことがある。

【残念3】平和主義者のようでいて虫をなぶり殺しにする

 猫はムダな争いをしない動物だ。「フギャァアビャアァァーーー」などとすさまじい声を上げ、一見、激しく見える猫のケンカだが、相手に致命傷を負わせることはめったにない。激しい鳴き声も、「ホントにやる気なのかぁ? あっちに行けよ!」と、ケンカを避ける警告の場合が多いのだ。

 ふだん、猫は、お互いあまり接触しないように気をつけている。もし目が合ったら、お互い引くに引けなくなってしまうかもしれないじゃないか。そんなのは嫌だ。だから猫同士は目を合わさない。それが猫の礼儀である。

 平和にまったりと、虫も殺さぬ可愛さで「にゃあ」と鳴く猫。しかし。猫は虫を殺す。虫だけではない。ネズミなどの小動物も殺す。

 食料として殺生するなら自然の営みだ。でも、猫は獲物で「遊ぶ」。ちょいちょいと前足や口で獲物をもてあそび、なぶり殺しにする。獲物からすれば、「ひと思いに殺してくれ!」なのでは?

■じつは残念ではない

 本来は、母猫が獲物を弱らせた状態で運び、子猫に狩らせる「学習」のためだといわれる。

【残念4】内心、犬をバカにしているが、祖先は一緒

 猫と犬は、同じ「ネコ目」に属する。約6500万~4800万年前に生息していたといわれる「ミアキス」が、共通の祖先。

  ◇  ◇  ◇

▽鈴木美紀(すずき・みき) 「猫に生かされている」と言っても過言ではないフリーライター。雑誌「猫びより」(辰巳出版)への寄稿や猫のWebサイトの監修などを手がける。著書に「現代にゃん語の基礎知識2018」(自由国民社)などがある。

(日刊ゲンダイ臨時特別号「日刊ニャンダイ2023」記事を再編集)

※「日刊ニャンダイ2023」はAmazonでも好評発売中!コチラからご購入いただけます!

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


【2023年人気記事】新宿立ちんぼ女性に異変…進む売春のフリーランス化
 あけましておめでとうございます。2023年は「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記...
【2023年人気記事】ラブホテルに泊まりました。
 あけましておめでとうございます。2023年は「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記...
駆け落ちにマッチングアプリ…いつの時代もロマンティックに憧れる
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
【2023年人気記事】新幹線で帰省、ヤバい親子に遭遇!お互い様の解釈
 あけましておめでとうございます。2023年は「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記...
年が明けたところで 正直なんも変わらないけれど…
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
あけましておめでとう! 2024年はどんな年になるだろうね
 スサノオノミコトが造った日本初の宮、島根県須我神社。  なかなかゆっくり参ることはできないから、気持ちだけでも、...
姦、嫐、嬲…スキマ時間に読み方クイズはいかが? 漢字って奥深い。
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
女同士の嫌味合戦に終止符を! 相手を黙らせる冴えた返し方
 女同士の嫌味の言い合いは、いつだって熾烈。 相手が職場の上司や同僚だと、言い返すことができずストレスになってしまう場合...
また!snsのアイコンコロコロ変えるの何で?4つの心理&注意したいこと
 あなたはsnsのアイコンをどのくらいの頻度で変えますか? snsを始めてから一度も変えたことがない人もいれば、月に一度...
義母「唐揚げは?」嫁「そうですね」義母「明日は鍋」献立確認もやもや!
 義母から送られてきたLINEでもやもやした経験はありませんか? 嫁いびりをするような義母であれば、不快なLINEに何度...
信頼の証じゃない 身内に“八つ当たりする”人の心理と対処方
 今回はお悩み相談回です。職場に好きな人がいる男性の方なのですが、よく想い人の女性から八つ当たりされるのだとか。 「信...
派手な集団に遭遇 ざわついた飲み屋で包まれる昭和の空気
 とある飲み屋で派手な集団に遭遇。チンドン屋さんのお出ましだ。  年末にしんみりしても仕方がないから、ここは景気よ...
ぎゃああ! 暖かいところで越冬するカメムシ(涙)、安全な捕まえ方は?
 家の中に出る虫で、ゴキブリを怖がる人はたくさんいますよね。でも、実はゴキブリと同じくらい不快度が高い虫がいます。  ...
口づけしたくなっちゃう♡ 真っ白な“たまたま”にロックオン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
なぜお正月の飾りに竹?めでてぇ年賀の最強アイテムはSDGs的にも超優秀
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋にも、まもなくお正月がやってきます。  今年の暮れも嵐が過ぎ去った後のように荒れ放題に...
知人「やさしいたい焼き屋のおじさん」私「あれ母親」地雷踏んだLINE
 人にはそれぞれ絶対に踏んではいけない「地雷」があります。でも、それが何かはわからないケースがほとんど。今回は、LINE...