レズビアンマッチングアプリで会った彼女は「ネカマ」だった
――まさかの男の声が聞こえてきた。その続きをお聞かせください。
「あまりのショックに、全身に鳥肌が立ちました。心臓がバクバク鳴って、呼吸が震えて……とっさにLINE電話を切りました。
(リクは男……? 女性を装った、いわゆる『ネカマ』……写真の美女も別人……?)
戦慄とともに、さまざまな疑問が湧き上がってきます。
ただ、ここで逃げたくはなかった。心を落ち着けて、再度、LINE電話をしました。すると、すぐにリクが出たんです。
――もしもし、ユイ……。
声はハスキーな低音ボイスで、やはり明らかに男性でした。LINE電話でオナニーをした時は囁くような声だったので、まったく分かりませんでしたが……。
勇気を出して、問いかけたんです。
――あなた、男だったのね。なぜ、レズビアンのマッチングアプリで女を騙すようなことをしたの? 写真も別人でしょう?
なるべく冷静さを心がけましたが、もてあそばれたショックが、攻撃的な口調となっていくのが分かりました。
男だけど、写真は本人であると主張
――レズビアンという点では騙したことになったけど、写真は僕本人だよ。
――えっ?
――正直に言う。僕は子供時代から、女の子と間違われるくらい『可愛い』と言われてきたんだ。2人の姉からおさがりのワンピースや着物を着せられたり、時には化粧をさせられて、『やだー、可愛い』なんておちょくられて……。
中学生になると、両親が不在の時には、大学に通う姉たちの女友達を自宅に呼んで、皆の前でドレスやウィッグで『女装』させられて、見世物にされたことが何度もあった。キスをされたりペニスを弄(いじ)られたこともあった。今でいうと性的虐待だよね……。
その悔しさに満ちた物言いは、とても嘘だとは思えません。
だからといって、女性と偽って『レズビアンの出会い』を荒らすのも許されることではありませんよね。
最低な行為だと分かっていても
――性的虐待はつらかったと思う……でも、女性を騙すなんてひどい。
私ははっきりと言いました。
――確かにひどいよね。自分でも最低だと思う。でも、ああやって出会い系サイトで憂さ晴らしをしなきゃ収まらないほど、過去の苦い記憶がよみがえってくるんだ。僕はつらかった。見世物にされて屈辱的な思いをしても、姉や姉の友達に従わなければいけなかったから。
――なぜ? 家族なのに、どうしてそんなひどいことを……? そもそもご両親に相談できなかったの?
――両親には言えなかった。僕の母は再婚で、姉2人は父の連れ子。逆らえるはずないよ。
――どういうこと……?
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