45歳で歯科矯正を始めようと思ったワケ 2023.4.8(土)

コクハク編集部
更新日:2023-04-08 06:00
投稿日:2023-04-08 06:00
 価格は100万円前後、治療期間は最低2~3年はかかるとされる歯科矯正。なかなか踏ん切りがつきませんでした。決して安くはない金額を投じた上、40代でやる必要があるのか、と。それでもやるんだと決め、矯正ライフに踏み切った筆者の体験談――。

40代半ば、歯科矯正を始めます

 45歳です(もうすぐ46歳)。前歯2本が出っ歯ぎみとはいえ、マチャミのように自虐するほどではなく、自分的には許容範囲内の歯並び。なんなら小学生中学年の頃には“よい歯”賞に選ばれそうになったことがあるぐらいのポテンシャルです。

 虫歯もできにくく、年に1回、定期健診を兼ねてクリーニングに行く程度の優良な口腔者と慢心してきたからこそ、このトシまで騙しだましやってきたのです。じゃあ、なぜ歯科矯正をやろうと思ったのか。

「歯」は健康の源

 それはひとえに「残りの人生」をうっすらと考え始めたからにほかならない。私の寿命は神のみぞ知るわけで、一体いくつまで健康で過ごせるか分からないけれど、折り返し地点はおそらく過ぎている。肩や腰は常に痛く重く、20代30代とは明らかに違う。身体のあちこちにガタが来ているからこそ、全身の健康の源である「歯」をメンテする必要があるのではないか。

 正直めちゃイタイ出費だけれど、背に腹は代えられない。そういう年頃なのだと心の底から自覚したのが、大きな理由の一つです。

夜間用マウスピースを愛用しているが…

 5年ほど前から就寝時にはマウスピースを装着しています。20代前半からお世話になっているクリニックの医師から、慢性的な歯ぎしりと、歯列&噛み合わせの悪さが原因となって歯の一部が欠けてきていると告げられたのです。当時から歯科矯正も選択肢の一つだと言われましたが、

「先生、矯正っていくらかかるんですか?」

「一概には言えないけれど、結構な額はかかるよね」

「100万円ぐらい?」

「うーん、もうちょっとかな」

「200万円!?」

「うーん、そこまではかからないとは思うけれど」

「……」

 治療費の問題はいつだってつきまとう。しかも歯の欠けは凝視しなければわからない程度の小さな、小さなもの。踏ん切りがつかない私は、歯の形に合わせて埋めもので補強をして自前の歯を守る、歯科矯正ではない“プランB”の治療を選んだのです。

 でも、しょせんは人工物。この5年で埋めものは減り、追加で埋めるかどうかの選択を迫られます。硬い食べ物は控えるよう助言されてはいたものの、大好物のハード系のパン、タン塩、上ミノを我慢してまで歯を守りたいわけではない。食べちゃうよ。

「70代で矯正を始めた女性もいるんだから」

 5年の間でマウスピースの補正は3度。すり減って穴が開いては直してもらう工程を繰り返す。治療費もろもろ、保険適用で5万円はかかっただろうか。このプランBを継続するとなれば、また5年後に5万円かかるかもしれない。ずっといたちごっこを繰り返すぐらいだったら、矯正したほうがいいような気が……。

「先生、私、矯正まだ間に合いますか?」

「十分間に合いますよ。患者さんのなかには、70代で矯正を始めた女性もいるんだから」

 70代! まだまだひよっこだな、自分……。マスク生活で他人さまに口元を見せる機会が減り、「どうせ見られないからメンテする必要ない派」と「人目につきにくいからこそメンテの好機と考える派」と二極化が進んだといわれています。

 そして、2023年春。マスクの規制緩和がされつつあるタイミングですが、何事もやろうと思った時が吉日。70代淑女の先輩に背中を押され、

「先生、私、矯正をやりたいです!」

 そう宣言したのでした。

(編集O)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ビューティー 新着一覧


【美容のウソ・ホント】顔マッサージを毎日するのはOK?NG?医師3人の見解は/専門家監修
 SNSにさまざまな情報が溢れている昨今。美容について発信するアカウントも多く存在し、なかには同じテーマでも相反する意見...
40代、ほうれい線が目立つよ…。王道人気のヒアルロン酸は回数限定!?【抗加齢学会正会員の女医が解説】
 東京・赤坂にある「イートップクリニック」院長で抗加齢学会正会員の医師、増田えりかと申します。この連載では美容医療“若葉...
古い下着は運気を下がるだけじゃない!風水的には「寿命3年、処分時に感謝」、ビジュの見極めは?
 皆さんは、同じ下着を何年くらい使いますか? 半年で替える人もいれば、3年以上使っている人もいますよね。実は、風水では古...
40代こそおすすめ!進化続行中のオルチャンメイクで女っぷりを底上げしましょ♡
 オルチャンメイクといえば、どうしても可愛らしい印象が強くて「40代には向いていない」と思っている人は多いはず。でも、オ...
豊胸の覚悟までは…【薬剤師監修】30代からの理想のブラジャー選びと5つの育乳方法
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
産婦人科医の「腟ヒアルロン酸」セミナーに潜入! 感度が高まるって本当? 女性への実技も見学してきた
 目元のシワやほうれい線、眼頭下から頬中央まで斜め下方に表れるゴルゴラインなどを目立たなくさせる方法して、主流の美容整形...
ダイエットしてもバストキープは可能? 女性の永遠のテーマ、きれいに痩せる4つのコツ
 ダイエットしたいけれど、バストが痩せるのは嫌だと悩む女性は多いですよね。実際に、お腹の脂肪だけを落として、バストキープ...
40代美容家が無限リピする「お値段以上」ヘアオイル2品。うねりもクセも怖くない!
「ヘアオイル」の種類は多けれど「お値段以上」で「しっとりツヤツヤ」。この2つをクリアするヘアオイルって、案外見つからない...
全力共感!胸が小さい女性、胸が大きい女性「あるある悩み」攻防戦10選
「自分以外みんな巨乳に見える!」と感じながら生きている“貧乳”女性もいれば、「羨ましい」と言われるたびに、「いやいや結構...
“アレの元気”がない彼氏はEDかも?【薬剤師監修】二人でできる“勃起スコア”チェック&EDの改善方法
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
額と眉間のボトックスは、美容クリニックで最も多いクレーム!?【目元の美容医療に定評ある女医が解説】
 イートップクリニック院長の増田えりかと申します。この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問...
性生活にも支障が…つらい膣のかゆみと痛みは萎縮性膣炎かも【薬剤師解説】症状、原因、治療法は?
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
40代「秋のアイメイク」正解は? 必要最低限新調するだけで“ほんのり若返り”トレンド感【美容家解説】
 秋の訪れが近づいてきて、メイクやファッションにも季節感を取り入れたくなるタイミングです。秋アイメイクの最適解は?
まさか、乳がん?生理が終わったのに胸が張る…【薬剤師監修】気になる理由と受診の目安
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
アブラギッシュな40女がガチ愛用! 買ってよかったベタつきお助けアイテム3選
 今年の夏も暑かった! なんて、まだまだ振り返れないくらい9月に入っても暑いんですけど? 秋、仕事してくれよ…。9月半ば...
U-2000円のセルフまつ毛パーマで「サロン以上の満足度」ってマジ? 不器用女が苦戦した“ある工程”
 話題のコスメや、広告でよく見かける化粧品や日用品。「webでよく見るあの商品、本当にイイの?」「買ってみたいけれど、口...