千葉で震度5強 3.11から12年「まだ終わっていない地震」と専門家指摘

コクハク編集部
更新日:2023-05-12 06:00
投稿日:2023-05-12 06:00

千葉南部で最大震度5強の地震

 東京近郊の人は11日早朝の「緊急地震速報」にヒヤリとしただろう。同日午前4時16分、千葉県南部を震源とした最大震度5強(M5.4)の地震が発生した。

 木更津市で震度5強、君津市で震度5弱、鴨川市やいすみ市、東京都品川区や横浜神奈川区などで震度4を観測。千葉県では、前日の10日午前11時21分にも最大震度3(M4.1=震源は千葉県北西部)の地震が起こっていた。

 大型の地震といえば、GW中の5日に石川県能登地方を震源とした最大震度6強(M6.3)が発生したばかり。現在も同エリアで有感地震(人間が揺れを感じる地震)が続いている。1日には沖縄本島近辺でM6.2など、6日には青森県東方沖(M5.5)で震度4、そして11日には千葉のM5.4と、国内の幅広いエリアで大きい地震が起きているのは気がかりだ。

能登地方では群発地震が300回以上

 能登地方では、2020年から群発地震が続き、観測されている震度1以上の地震は300回以上。22年6月19日には震度6弱の地震が発生していたが、今回は過去最大だ。一連の“本震”なのだろうか。

 災害史に基づき、災害予測などを研究する、立命館大学環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏が言う。

「内陸直下型による逆断層の地震で、太平洋プレートによって北米プレートが圧縮されて、ユーラシアプレートが東から西に動くことで西側の地層が東の断層に乗りかかって起こっています。

 プレートが断層を押している地震でいえば、1891年の岐阜県の根尾谷断層による内陸直下型地震(濃尾地震=M8.0)に近い。能登地方の一連の地震の“本震”は、濃尾地震に類似した大規模の可能性があります」

5月1日、沖縄では震度1以上を6回観測

 千葉県での相次ぐ地震も気になるが、専門家が指摘する予兆のあるエリアは?

「『沖縄本島』の動きに注目しています。5月1日には震度1以上の有感地震が6回観測されています。フィリピンや台湾でも地震が起きており、いずれも南海トラフ巨大地震に繋がる琉球海溝の地震。これはフィリピン海プレート西縁に位置する海溝で、フィリピン海プレートは太平洋プレートを押しています。

 また、『徳島県北部』では中規模地震が頻発していますし、『紀伊水道』や『和歌山北部』で地震が増えています。いずれも南海トラフに圧力を与えています」(前出の高橋学特任教授)

 高橋氏は「兵庫県南東部」の内陸直下の断層が動きにも注目する。1995年の阪神淡路大震災の震源地の東端にかかっているという。

「岐阜県美濃地方西部」は濃尾平野の端に位置し、内陸地震が増加。同県下呂市から東に延びる阿寺断層が動いており、要注意エリアだ。

東日本大震災から12年経つが…

 そして、東日本大震災である。当時の地震の震源域より東側の「アウターライズ」と呼ばれる海底での地震活動が活発化し、津波を伴う巨大地震が発生する可能性は高い。

「1933年の『昭和三陸地震』(M8.1)は、36年前の明治三陸地震(M8.5)のアウターライズ地震といわれています。東日本大震災から12年経っていますが、過去には必ず来る性質の地震であり、まだ終わっていないことを意識してほしいです」(前出の高橋学氏)

 全国で地震活動が活発化しているのは事実だ。

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


鮮やかな朱色にハッとする 見つけたのは秋が忘れていった物
 ずいぶんと歩いたけれど、ひときわ映える朱色にハッとして顔を上げた。 「秋の忘れ物」もきっと鳥に見つかって、最後は...
共働き夫婦はいつ洗濯物を干すのが正解? 一長一短な6つの選択肢
 現代では、多くの夫婦が共働きですよね。そこで問題となるのが「洗濯物をいつ干すか」という点です。特に朝からのフルタイム出...
Tバックで足が速くなる? 40女が自己ベストを更新できたワケ
 先日行われた「第18回湘南国際マラソン」の「ファンラン10kmの部」に参加してきました。ランニング歴15年にして初の1...
カメラマンの本領発揮! ウブ“たまたま”を追いかけパチリ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
節約は正義!家庭で過ごすクリスマスアイデア【飾りつけ編・レシピ編】
 一年の最後の大イベントといえば、やっぱりクリスマスですよね。特に子供のいる家庭では、部屋の飾りつけやパーティー料理など...
2023-12-07 06:00 ライフスタイル
縁起悪っ!ポインセチアが毎年グッタリな人へ…NG事項と育て方のコツ
 クリスマスを彩る真っ赤なポインセチアですが、実は暑い地方が原産で「寒いのは苦手」。そんなポインセチアを綺麗に長く楽しむ...
「うちの夫が美容に目覚めたら…」謎のこだわりと行き過ぎた美意識エピ
 美容といえば、女性を連想しますよね。でも最近では、男性もメイクやスキンケアをするなど美意識に変化が現れています。  ...
探し物のほうも「見つけられるタイミング」をうかがっている
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
気が重すぎる…。年末年始に義実家への帰省を円滑に回避する4つの方法
 年末年始が近づくにつれて「義実家への帰省がしんどい」と、気が重くなる妻たち。せっかくの新年なのに、1日中気を遣って食事...
お気に入りの柔軟剤♡ドラム洗濯機の乾燥モードでどうなる?
 初めまして! 大切なお洋服を洗っても、イヤ~な臭いがするとテンションが落ちてしまうコクハクガールズ1期生の「よもも」と...
1日8時間労働は働きすぎ? 理想の働き方を手に入れる方法
 セックスレスや婚外恋愛、セルフプレジャーをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。  海外のTikToke...
16年物グレゴリー「フローラルタペストリー」を卒業!ネットで新調し涙
 趣味もファッションもその時の流行りや年齢で変化しますが、それとは別にいつまでも好きなモノってありませんか?  30代...
子供のおねだり攻撃をかわす4つの対策&絶対やってはいけない行動
 子供はいつでも自分の欲求を全力でぶつけてきます。だからこそ、子育ては本当に体力&忍耐勝負! 特にママたちを困らせるのが...
一心に、朝日に向けて飛ぶその眼は何を視ているのか
 思いはそれぞれでも同じ方向を向いて、必死に羽を羽ばたかせて一心に飛ぶ。  疲れたら声を掛け合い、ときには目的地を...
ツートン“たまたま”が港で御開帳♡ モフ腹&肉球も見逃すな
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
嫌味まぶしてる?こんな年賀状にイラッ! 地雷を踏む5項目に気を付けて
 最近では、クリスマスや新年の挨拶もデジタルで済ませる人が増えていますよね。  そんな中、結婚や出産など「報告した...