NHK朝ドラ「らんまん」~第6週「ドクダミ」#30
縁あって十徳長屋に住むことになった万太郎(神木隆之介)と竹雄(志尊淳)。長屋の面々は、差配人の江口りん(安藤玉恵)、棒手振りの及川福治(池田鉄洋)、東大の落第生・堀井丈之助(山脇辰哉)、噺家の牛久亭九兵衛(住田隆)、小料理屋の女中・宇佐美ゆう(山谷花純)といった愉快な顔ぶれ。
万太郎のトランクを盗んだ倉木(大東駿介)と、その妻・えい(成海璃子)もいる。
住まいが決まった2人は、引っ越しの挨拶のお菓子を買いに、万太郎が一目ぼれした娘がいるかもしれない和菓子屋「白梅堂」へ。店先に彼女がいることを妄想しつつ、中に入るとそこには無骨な職人(池内万作)が……。
【本日のツボ】
「わし、あなたに嘘をついてしもて。初めて会うたとき、蛙じゃと言うちょりましたけど、実はわしは蛙じゃのうて人間ですろ」(万太郎)
娘に会えず、店先で「こんなに大きな町やき、会うがは奇跡かのう」とがっかり、道端のたんぽぽに話しかける万太郎の隣りに突如現れた寿恵子(浜辺美波)。
「また話してるんですか」と声を掛けられ、驚く万太郎。真剣な面持ちで何を言い出すのやら、と思ったら、「蛙じゃのうて人間です」でした。
そして、改めて自己紹介をして、寿恵子の名前を聞き出すことにも成功。草花のことしか興味がないので奥手かと心配していたのですが、その必要はありませんでした。寿恵子が店におらず、万太郎たちが帰ってすぐに現れた時、このパターンで当分すれ違うのか、と嫌な予感がしましたが、そうはならずに安心しました。
1991年(平成3年)放送の朝ドラ「君の名は」は…
「君の名は」(アニメではありません)の真知子と春樹などどれだけすれ違ったことか。それに比べて、万太郎と寿恵子はあっけないくらいに再会が叶いました。視聴者の感情をいたずらに弄(もてあそ)ばない。それが令和の朝ドラなのです。
曲亭馬琴「南総里見八犬伝」を読んでいた寿恵子が「尊い!」と言ったのには耳を疑いましたが、それもよし。今風に言えば、草花おたくの万太郎と、「南総里見八犬伝」おたくの寿恵子は似た者同士、万太郎にとってはまさに奇跡の出会いだったといえるのではないかと。
それにしても、前日の放送回で「峰屋は若の財布じゃない」とあれほど竹雄に叩き込まれたのに、引っ越しのご挨拶の和菓子でまた散財とは! 竹雄も若に甘過ぎです。和菓子だけに。
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