山田涼介が“可哀想”脱出、歴代最低の木村拓哉は福山雅治に完敗したのか

こじらぶ ライター
更新日:2023-08-29 15:55
投稿日:2023-06-24 06:00

「教場0」不振のワケは…

 一方で、木村が主演した「教場0」は、今月19日放送の最終回こそ世帯平均視聴率10.6%だったが、木村主演連ドラ史上初めて全話平均9.8%と1桁を記録してしまった。またドラマ満足度調査でも70~80Pt台をうろつくなど不振が続いた。

 Tverのお気に入り登録数は100万人を超えているが、これは過去に放送され大好評だった単発スペシャルドラマ「教場」('20)、「教場II」('21)で稼いだ分に上乗せされている。それも前述の通り0から積み上げた「王様に捧ぐ薬指」に追い抜かれてしまった。

「教場」、「教場II」は警察学校を舞台とし、木村がこれまでの“カッコいいヒーロー像”を覆し、冷徹な教官・風間公親として訓練生をふるいにかけるなど、ヒリヒリとしたリアルさが醍醐味だった。

 しかし「教場」、「教場II」の前日譚である「教場0」は、風間が警察学校へ赴任する以前の捜査一課の刑事時代を描いたが、ストーリーが「ありえない」「ツッコミどころ満載」と酷評の嵐だった。

 とにかく雑に犯行がなされ、ぶっとびトリックやアリバイ工作を風間が指導する新人刑事らがざくっと突き止め、あっさり犯人が自供するトンデモ展開が全話を通じて貫かれた。

“バディ”となる新人刑事役に赤楚衛二(29)、新垣結衣(35)、北村匠海(25)、白石麻衣(30)、染谷将太(30)と今旬俳優を迎えたが、彼らは2話ずつ入れ替わりで登場する形で、キムタクと彼らの豪華揃い踏みを期待した視聴者は肩透かしを食らうこととなった。

最終回でまさかの禁じ手

 また縦軸となった風間の片目を失明に追い込んだ事件の犯人・十崎を演じる森山未來(38)や、風間の“裏のバディ”柳沢役で9年ぶりのドラマ出演となった坂口憲二(47)も無駄遣いに終わった。

 各回メインの事件の片隅で細々と描かれた凶悪犯・十崎と、それを追い詰める柳沢だったが、のらりくらり逃亡され、特段深い風間との絡みも無く、ついに最終回では禁じ手の「続きは続編で」で終わってしまった(続きがドラマか映画かは不明)。

キムタクは福山に“敗北”していない

 また今作は放送前から、同じ刑事ドラマである福山雅治(54)のTBS系日曜劇場「ラストマン-全盲の捜査官-(以下、ラストマン)」との対決、通称「キムフク戦争」としても煽られていた。

 だが福山の日曜劇場の視聴率は、初回から最終回目前の9話まで一度も1桁になることなく平均12%台と絶好調。ドラマ満足度調査でも首位を独走し続けている。

 これらを理由に木村が福山に“完敗”などとも報じられているが、本当にキムタクは福山に負けてしまったのか――。

 全くそうは思わない。「ラストマン」は“バディ”の大泉洋(50)をはじめKing & Princeの永瀬廉(24)、今田美桜(26)ら豪華キャストが毎話(入れ替わりでなく)揃い踏みしている。

 そして何より脚本がしっかりしていて、現代社会の問題を織り交ぜた複雑な事件に、真犯人に辿り着くまでの過程、犯行動機も視聴者が納得いく形で丁寧に描かれている。

 ゆえに、木村主演の日曜劇場「ラストマン」だったとしても、最低でも視聴率は全話平均2桁を獲得しただろうし、福山主演の「教場0」だったなら全話平均9.8%取れたかは分からない。

キャストと脚本の圧倒的大差

「ラストマン」が福山と大泉の安定した“バディ感”ありきだったとして、演技巧者の大泉が木村相手にそれを出来ないとも思えない。

 とにかくキャストの揃い方と脚本の圧倒的大差によって木村が福山に負けたように見えるのは、あまりに酷だ。

 あの雑な「教場0」で新境地を切り開き、全話平均2桁まであと一歩と迫った木村を心から称えたい。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


笑顔がこわい!「ばけばけ」トキ(髙石あかり)の“顔芸”が完璧だった。見どころの一つだと確信した回
 貧乏脱出のため結婚を目指す、トキ(髙石あかり)。しかし、チヨ(倉沢杏菜)とせん(安達木乃)と行った恋占いの結果は一人だ...
桧山珠美 2025-10-06 17:13 エンタメ
平野紫耀らの「脱退発表」から約3年…Number_iとKing&Prince、それぞれの現在地と課題。“二大天然ボケ”不在の影響はあるか?
 2022年11月、King & Prince(以下、キンプリ)から2023年5月をもって平野紫耀(28)、神宮寺勇太(...
こじらぶ 2025-10-05 11:45 エンタメ
「ばけばけ」は“聖地巡礼”したくなる朝ドラの予感。実際にある島根県・八重垣神社の“恋占い”してみたい!
 明治19年。トキ(髙石あかり)は、借金を返すために親戚の雨清水傳(堤真一)が経営する機織り工場で働いていた。しかし、膨...
桧山珠美 2025-10-04 10:42 エンタメ
「あんぱん」アンパンマンは粒あんか、こしあんか…“お遊び”が楽しかった特別編。蘭子の“その後”はモヤモヤだけど
「あんぱん」が終了したと思ったら、早くも翌週の9月29日(月)~10月2日(木)の四夜連続で、スピンオフが放送されました...
桧山珠美 2025-10-04 08:00 エンタメ
「ばけばけ」しめこ汁に“朝から残酷”の声もあるけど…ピーターラビットの話を思い出す
 突如、トキ(福地美晴)やフミ(池脇千鶴)、勘右衛門(小日向文世)の前から姿を消した司之介(岡部たかし)。何日経っても家...
桧山珠美 2025-10-02 15:48 エンタメ
「ばけばけ」は往年の名作を越えられるか? 「虎に翼」から続く岡部たかしの“父親”像が楽しみだ
 この世はうらめしい。けど、すばらしい。没落士族の娘・松野トキ(髙石あかり)と外国人の夫・ヘブン(トミー・バストウ)。怪...
桧山珠美 2025-09-29 17:50 エンタメ
「あんぱん」最終回。半年間、2人を見守ってきた視聴者にはグッとくる場面…ま、終わりよければすべてよし!
 のぶ(今田美桜)の病室に着いた嵩(北村匠海)は、にっこり笑うのぶの姿に胸がいっぱいになる。その後退院したのぶは、嵩に自...
桧山珠美 2025-09-27 15:10 エンタメ
timeleszの演出に賛否…中島健人ら初期メンバーの歌声に込められた真意。“8人体制”はどう継承していく?
 9月15日、timeleszがファンミーティング「timelesz SUPER FAMeeting~また夏が終わってい...
こじらぶ 2025-09-27 11:45 エンタメ
「あんぱん」八木(妻夫木聡)のプロポーズにキュン! 蘭子(河合優実)のモデルがあの作家なら…無事を祈る
 2年がかりで完成したテレビアニメ「それいけ!アンパンマン」が放送され、のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)をはじめ、それぞ...
桧山珠美 2025-09-27 12:28 エンタメ
スキャンダル無縁!鈴木亮平が初期に演じた「クセ強キャラ」 4選。もっと評価されるべき“異彩を放った”役も
 現在公開中の『劇場版 TOKYO MER ~走る緊急救命室~ 南海ミッション』ではチーフドクターの喜多見幸太役を演じて...
zash 2025-09-25 11:45 エンタメ
「あんぱん」アンパンマンマーチの歌詞に込めた思い。千尋(中沢元紀)や寛先生(竹野内豊)の写真にホロリ…
 ある日、アンパンマンをテレビアニメ化したいとテレビプロデューサーの武山(前原滉)が訪ねてくる。だが嵩(北村匠海)は、ア...
桧山珠美 2025-09-25 15:44 エンタメ
【芸能クイズ】「畑芽育」を正しく読める? 他にもいる、実は“常用漢字外”の読み方をする芸能人は誰?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
「あんぱん」石橋蓮司の“なりきりアンパンマン”が見れるとは! 登美子(松嶋菜々子)は毒親返上か
 のぶ(今田美桜)が撮ったミュージカルの写真を見ていた嵩(北村匠海)は、こっそり来ていた登美子(松嶋菜々子)が写った写真...
桧山珠美 2025-09-22 16:22 エンタメ
「あんぱん」嵩とヤムさんの再会にグッときた。でも顔をよく見たら…気になった“余計な”こと
 客席はたくさんの子どもたちで埋まり、その様子をカメラに収めるのぶ(今田美桜)。ミュージカルが終了すると、会場は大きな拍...
桧山珠美 2025-09-20 11:47 エンタメ
「あんぱん」のぶの“お手柄”総決算の回。ヤムさん(阿部サダヲ)と蘭子(河合優実)の繋がりは“前世”からの縁なのか?
 のぶ(今田美桜)は草吉(阿部サダヲ)にあんぱんを焼いてほしいと頭を下げるが、断られてしまう。蘭子(河合優実)からこのま...
桧山珠美 2025-09-18 17:16 エンタメ
加藤清史郎の“奇跡の成長”を「放送局占拠」で見た。寺田心ら子役出身者がイケメンになっている件
 加藤清史郎くんのイケメンぶりには目を見張るものがあります。現在、櫻井翔主演「放送局占拠」(日本テレビ)に出演しています...