決断→怒涛の告白LINE
ひとり電車に乗り、座席につくと涙があふれます。心配させちゃったな……。
手術して、元気になって、母より長生きしよう。
できるだけ母に心配をかけないようにしよう。
でも、辛い日だってあるだろう。
そんなときは頼れる人にどんどん頼ってしまおう。
甘えてしまおう。
積極的に誰かに頼ることのできなかった、意地っ張りで我慢強いA型長女、はじめての決断です。
帰りの電車で友達にどんどんLINEします。
〈子宮頸がんになっちゃったんだ。今朝は救急車に乗ってね……〉
こう伝えると
〈そういうときはいつでも連絡して! 夜中でも行くから!〉
〈つらいときはうちにおいで~〉
〈絶対大丈夫! 治るよ!〉
〈知り合いの知り合いがお医者さんだから聞いてみる!〉
〈どうしてもっと早く言ってくれなかったの~〉
と、たくさんの優しい返事をもらえました。
大丈夫。私の周りにいる人はみんな優しい。きっとみんなに支えてもらえる。
今あるものをもっと大事にしていこう
手術前に友人宅に集まって、友達3人と私でご飯を食べました。そのことを母に写真つきで報告し、
〈みんながいつでも連絡していいって言ってくれたよ! おばあちゃんになってもみんなで旅行に行こうって言ってたよ!〉
と伝えると、
〈お母さんは、安心しました。コクリコちゃんがいいお友達に囲まれていることが本当にうれしくて、涙が出ます。きっとコクリコちゃんもお友達に優しくしてきたってことね。あなたはお母さんの誇りです〉と返事が来ました。
先生の言葉を借りると「キャンサーギフト」。
がんという命にかかわる病気になってはじめて気づく、命の大切さ、時間の大切さ、人のやさしさやあたたかさ。それをがんがくれたギフトだというのです。
がんになんかならなくても気づきたいものですし、これまでの自分がそれらをないがしろにしてきたとも思いませんが、がんになってから「私は優しい人たちに恵まれているな」とつくづく感じました。
結婚もしてないし、子どももいないし、と自分を悲観することも多かったですが、今あるものをもっと大事にしていこうと気づかされました。
さて手術日までのカウントダウン。私がどう過ごしていたかはこの次に――。
次回に続きます。
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